2017年1月 7日 (土)

ティリカム

  シーワールドの有名なシャチ、Tilikumが昨日死んだ。Tilikumが一躍有名になったのは、彼が2010年に、ベテラントレーナーのドーン・ブランショウさんを観客の眼の前で水中に引きずり込み、死に至らしめたからだ。
 その死を発端に、シャチ飼育を検証し、批判するドキュメンタリー映画「ブラックフィッシュ」が作成され、アメリカだけでなく世界中で大きな議論を巻き起こした。観客離れ、有名歌手多数のシーワールドでのショーへの出演拒否、株価大暴落という激しい反応を生み出し、結局シーワールドの本拠地カリフォルニア州が、シャチのショー利用と繁殖を禁止する法律まで作った。
 アイスランドで生まれ、3歳の頃に捕獲され、カナダやアメリカでショーや繁殖にこき使われた1頭のオスのシャチの悲しい最期であったが、シャチ飼育への大きな疑問を世界中に行き渡らせた(日本では上映されていないが)という意味では大きな功績のあったシャチとなった。

http://www.usatoday.com/story/news/nation-now/2017/01/06/sea-world-orca-whale-tilikum-dies/96240604/

http://www.telegraph.co.uk/news/2017/01/06/tilikum-seaworld-orca-blackfish-documentary-dies/

2016年9月15日 (木)

シャチの繁殖・繁殖を禁ずる州法成立ーカリフォルニア

 太地で、大掛かりな繁殖場を計画しているという問題は前回書いたとおりだが、今日の、カリフォルニアが、シャチの繁殖や飼育を禁止する法律を成立させたというニュースが。

http://www.cnn.co.jp/showbiz/35089072.html?tag=cbox;showbiz

 「(CNN) 米カリフォルニア州で13日、シャチの繁殖と飼育を禁止する全米
  初の州法が成立した。
  法案は数年間に及ぶ議論の末に可決され、この日にブラウン知事が署名した。
  来年から施行される。
  救護や研究以外の目的でシャチを飼うことを禁止する内容。州内ですでに
  飼育されているシャチは対象にならないが、6月以降は「教育的」なプログラム
  だけが認められ、従来のような曲芸ショーには出せなくなる。
  可能な場合はシャチを野生に返すことを奨励し、違反者には最大10万ドル
  (約1030万円)の罰金を科すとしている。」

前々から、州沿岸の委員会が勧告を出していたが、いよいよ、州法としてみごとに実ったわけだ。
鯨類の繁殖は、これまで種の保存としても役割を果たすという口実を使われたりしてきたが、いかにそれがいかがわしいものなのか、もう一度考える良いきっかけとなるだろう。

森浦湾も、繁殖工場ではなく、イルカ解放のためのステップとしてのサンクチュアリに!

2016年9月 7日 (水)

森浦湾をイルカのサンクチュアリに!、だって?!

知人が教えてくれた情報。

「和歌山太地町、来春にも大規模イルカ繁殖研究へ…国際的批判の「追い込み漁」依存度減らす」
http://www.sankei.com/west/news/160907/wst1609070009-n1.html

森浦湾については、6月に国立ボルチモア水族館の発表を見て、どうぜなら、これまで飼育されてきたイルカをリハビリし、リリースできる個体はいずれ解放ステップとしてのサンクチュアリにしたらどうだろうか?と頭の片隅で考えたことがあるのは事実。

しかし、今回のニュースでは、仕切りに放すのは同じだとしても、繁殖するための言ってみれば、イルカ製造工場。しかもバンドウイルカを新たに100頭も捕獲して入れるそうだ。なんという非道な計画。

これを産経の記者は何を勘違いしてか、この6月にボルチモア水族館が2020年までに達成するとしているイルカサンクチュアリ構想を、同じ、つまり繁殖研究だと思っているようなのだ。

中見出し:「米国ボルティモアの水族館も同じ構想…「実施例ない規模、世界初」」

これを見て、もしかしたら大方の日本の記者さんたちには、その違いがわからないかもしれないという恐怖を感じた。


http://foxbaltimore.com/news/local/national-aquarium-to-create-first-of-its-kind-dolphin-sanctuary

2016年9月 4日 (日)

水族館で活躍するイルカも日本から・・・ 

  9月1日のイルカ猟解禁日に合わせてあちこちの日本大使館前で抗議行動が行われていることをご存じないのか?それとも、わざとなのか? まあ、わざとであってもおかしくはないが。しかし、一方でこの読売の記者は何考えているのだろう???

露唯一の国立水族館で首相「イルカも日本から」

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160904-OYT1T50005.html?from=ytop_main1

    【ウラジオストク=寺口亮一】安倍首相は3日、ロシア極東ウラジオストクに新たに建設された同国唯一
   の国立水族館「アケアナリウム」の開館式にロシアのプーチン、韓国の朴槿恵パククネ両大統領とともに出席した。

   首相は、式典のあいさつで、水族館建設に日本企業の技術が導入されたことを説明し、
   「水族館で活躍するイルカも日本から来たものだ」と紹介した。今後、日本からペンギンを提供する計画
   もあるという。

   水族館建設は、極東開発を重視するプーチン氏の肝いりのプロジェクトで、首相には、プーチン氏との
   信頼関係を温める絶好の機会になったようだ。

2016年8月 8日 (月)

イルカ捕獲枠

 水産庁に何度もお願いをしてきたが、やっと今年のイルカの新捕獲枠(2016〜2017)がわかった。
捕獲総数は14,375頭で昨年度比で691(昨年度は760)頭の減枠。すでに捕獲数が少なくなっているバンドウイルカ(追込みと突きん棒合わせて)58頭減だが、2010年度には捕獲も出来なかったマゴンドウ(コビレゴンドウ)は、なぜか今回減らされていない。
昨年度の捕獲実数が掲載されるのはもう少し先のことだと思うが、海外イルカ情報サイト、ceta-base
によると、主な捕獲地と考えられる太地での追い込みによる昨年の捕獲は、バンドウイルカ262うち実数として170(昨年枠565)頭、カマイルカ4頭(同36)、ハナゴンドウ272頭うち実数253(同469)、マダライルカはゼロ(枠400)、コビレゴンドウ74うち実数52(枠147)頭に過ぎない。沖合に資源があるとして2007年から増枠されたオキゴンドウ(追い込みで70頭)など、太地ではここ数年実績はない。
捕獲地では(とっても取らなくても)捕獲数を減らされることには抵抗するのだろうが、実態に合わない枠をつけ続けるあり方は、他の’水産資源’管理でも度々疑問視されているところだ。

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2016年6月15日 (水)

イルカ飼育の次のステップ?

  飼育下の野生動物を、本来の環境、あるいはそれに近い自然の中に解放し、動物たちをその元々の生態に戻す努力をしようという動きが活発化してきている。ゾウ、霊長類のいわゆるサンクチュアリが生き物を愛する人たちの努力によって設置されている。日本にも、熊本にチンパンジーのためのサンクチュアリがある。
そのような中で、やっと、クジラ類のサンクチュアリ計画が始まっている。水族館施設というのは、人工的な構造物だけでなく、生活環境である水そのものが人工的であることから、対象動物にとってより過酷な環境であるとも言える。

アメリカ、ボルティモアにある国立の水族館が、2020年までに、飼育下の8頭のイルカたちを海を仕切ったサンクチュアリに移すという。20年以上人工的な施設で飼育されてきたイルカたちが今後どのように元の生活を取り戻せるか、課題は様々あるだろうが、まずは最初の重要なステップとして見守っていきたい。

https://www.washingtonpost.com/local/national-aquarium-dolphins-will-leave-baltimore-for-seaside-sanctuary/2016/06/14/4351fe64-3225-11e6-95c0-2a6873031302_story.html


  翻って国内を見れば、昨年のWAZA/JAZA騒動から何を学んだのか、とにかく繁殖技術を向上させて、飼育するイルカを確保するか、JAZAを脱退するかという2択で進んでいるような気配である。
しかし、提起されている前提にあるのは、イルカを野生から引き離し、人工的な施設に修正閉じ込め、曲芸させるこ
とが教育的などうかという問いかけである。
 先日あった、イルカに関する研究会でも、残念ながら、この根源的な問いかけは問題とされず、結果的にはイルカショーが水族館の維持のために必要であり、追込みは酷いが、繁殖技術向上やストランディング個体の保護などで飼育を続けることが良しとされていた。
みなさん既にご存知のように、2007年カマイルカの捕獲枠は、水族館によるストランディング個体の飼育が日常化していたことを是正(?) するために付けられたのだが。

2016年5月26日 (木)

イルカの展示と飼育

 <イルカの飼育、お寒い国内事情>

  水族館で、動物の福祉に反するという理由で、和歌山県太地の追込み猟によって捕獲されたイルカを飼育しないという取り決めがWAZA/JAZAで取り交わされてからもう1年になる。
  最近、2015/2016の猟期で捕獲されたバンドウイルカ180頭のうち、105頭が’生体販売’要するに飼育販売されたというニュースがいくつか出た。昨年のJAZAの決定についてはもともとその実効性に疑問があったが、希望数150頭で実売数105という結果はなんとも暗澹たる思いがする。
 
  国内におけるイルカ飼育施設は50施設でダントツ世界一だ。そのうちJAZA会員施設でイルカを飼育しているのは26施設で、残りは非会員。すでに導入しているところに関しては、おとがめなし、さらにこの後の及んで新規に参入し、イルカを購入したところもある。それだけ、イルカの展示が儲かるということである。

<歯止めはあるのか>
  イルカ捕獲は国が許可した産業だという事実、また、動物の福祉というのが得てして犬やネコに着物を着せてグルメ食を与えるイメージがある日本では、イルカの捕獲にまつわる非人道性には思い至らないところがあるし、そもそも’危険にさらされることのない環境’で、’飢えることもない’人工飼育への抵抗感はなきに等しい。
こうした現状に対する歯止めというものはないのだろうか?

 若干弱いものではあるが、動物を飼育展示する場合は、環境省の定めた動愛法の動物取扱業としての登録は必要であり、またその下で決められた展示動物の飼育基準は守らなければならない。
 
□動物福祉に関してー参考動愛法「展示動物の飼育基準」より
  (2) 施設の構造等
   管理者は、展示動物の種類、生態、習性及び生理に適合するよう、次に掲げる要
   件を満たす施設の整備に努めること。特に動物園動物については、当該施設が動物
   本来の習性の発現を促すことができるものとなるように努めること。
   ア 個々の動物が、自然な姿勢で立ち上がり、横たわり、羽ばたき、泳ぐ等日常的
   な動作を容易に行うための十分な広さと空間を備えること。
また、展示動物の飼
   養及び保管の環境の向上を図るため、隠れ場、遊び場等の設備を備えた豊かな飼
   養及び保管の環境を構築すること。

  基準は残念ながら、数値で表されているわけではないので、強引に「基準を満たしている」と突っ張ればすむようなもので、また動物取扱業を管理する都道府県の行政と言っても、それ専門の職員が存在するとは限らず、保険などの部署の中にあるに過ぎない。これまでの経験から言うと、担当者に愛護法違反を訴えても、積極的な対応が取られた試しがない。
 しかし、一般常識から言っても海水浴場や運河のようなところで飼育して観光客に触らせることが、この基準を満たしているとは到底言えないだろう。

 また、私自身の経験から言うと、パニックに陥ったイルカたちが互いに傷つけあい、もがき、海を赤く染める様子を思い出すだに、追込みが残酷ではないという意見には同意できない。
  だいたい、嫌いな音で追い立て、狭いしきりに追込み、幼い子イルカを母イルカから引き離して捕獲する追込み猟によって捕獲されたイルカの子どもを、続けて購入したいというような考え方が常識に照らし合わせておかしいと世間は思わないのだろうか?また、毎日数百キロを移動し、自ら出す音で環境を認識し、仲間と会話し、獲物を捕まえる暮らしをそっくり取り上げて、人との接触だけを無理強いして一生を送らせることが動物の福祉に反しないと本気で考えるのだろうか?

<行かないという選択>
  海外とは文化が違うというのが都合の悪い時に必ず出てくる日本の関係者の言い訳だが、日本人がそれほど海外と違って無慈悲で賢い判断力がないとは思えない。
 アメリカでは、1昨年製作された「ブラックフィッシュ」により、鯨類飼育展示の大御所、シーワールドがその存在を危うくしている。それは、映画によって現実を知らされた多くの人たちが鯨類飼育に反対してシーワールドに行かなくなり、それに同調した人気ミュージシャンの参加ボイコットなどで入場者数が激減し、株価が急落したことを見れば、事実を伝えるー知ることの重要さが見えてくる。

 夏が来ると電車の吊り広告などにも、水しぶきをあげるイルカのショーの写真のような、子どもたちを誘うようなものが増えてくるが、人道的な観点だけでなく教育的な観点からも、「見ない、行かない」選択を一般がすることを心から望みたい。
だいたい、イルカというものがペットのように扱われ、狭い水槽で飛んだり跳ねたりして喜んでいるなどと子どもたちが本気で信じるのは嫌でしょう(子どもだけではないって?)?

太地の生け捕りイルカ販売増、「入手禁止」1年
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160523-OYO1T50010.html

2016年3月19日 (土)

イルカの飼育に関して

イギリスでイルカを飼育する水族館が存在しないことは結構知られている。
その経緯に関して、BBCが伝えている。ご参考まで。

http://www.bbc.com/news/uk-england-35832175

US theme park SeaWorld's decision to end its controversial orca breeding campaign has been welcomed by many. However, in the UK, shows featuring captive dolphins stopped more than 25 years ago.
They were once a common sight at tourist attractions from Brighton to Morecambe, but by the early 1990s the UK's dolphinariums were a thing of the past.
Following an animal rights campaign called "Into the Blue" which attracted widespread popular support, the government made standards of care so stringent no dolphinarium in the country could afford to meet them.
Perhaps strangely, it is not illegal to keep dolphins in the UK, but the country is still regarded as a "shining example in the anti-captivity world," says Margaux Dodds, director of the Marine Connection charity and one of the successful campaigners in the 1980s.
"We used to stand outside the parks in protest. We had dolphin suits and would hand out leaflets about how these animals would live in the wild," she says.
"Eventually our message was heard. I think that's what has happened to SeaWorld - the share prices fall, the takings fall, there are protests, and with social media added in now, the public opinion changes."

History of UK Dolphinariums
1970s: Known to be at least 36 dolphinariums and travelling dolphin shows
1980s: Only five dolphinariums remained
1985: A review of dolphinariums in the UK revealed major inadequacies in the conditions under which cetaceans were being kept
1987: A joint report by the Born Free Foundation and the Whale and Dolphin Conservation Society exposed the poor conditions in which many of Britain's dolphins were kept
1991: A campaign was launched called Into the Blue, in which animal welfare groups campaigned together to close the UK's remaining dolphinariums
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Should the remaining captive dolphins just be released into the wild to enjoy their retirement?
The Seaworld dolphins will not be swimming free - the corporation announced it would end its orca breeding programme, meaning orcas currently at the parks will be "the last generation".
Dr Simon Ingram, a lecturer in marine conservation at Plymouth University, said animals kept in captivity would not survive if they were released in the wild.
"I'm an advocate of viewing animals in a natural habitat, it's a much better way of appreciating them. I'd like to think we have moved on from using dolphins as entertainment.
"How would you define a sanctuary - even a pen in the wild would still mean captivity. Bottleneck dolphins need to live large social groups and be able to mix freely through the community."


Between the 1970s and the 1990s there were more than 30 dolphinariums in the UK, housing about 300 dolphins.
However, experts now accept that captivity is very harmful to them.
Toby Forer, general manager of the Sea Life London Aquarium, said cetaceans - whales, dolphins and porpoises - should not be kept in captivity.
"They have complex social structures and sensory capacities and a wide geographic habitat," he says.
"It is therefore extremely difficult to meet their needs in manmade environments.
"We are conscious of our obligation to display only those species which adapt well to good quality captive displays. Educational displays which allow people to see the living creatures first hand can be invaluable in raising awareness of, and support for, conservation endeavours."

Ms Dodds also has concerns about the future for the dolphins which have been kept in captivity.
"Not every dolphin or whale could be introduced into the wild, they need to be somewhere they don't have to perform and kept in small cages.
"The captivity world needs to do something to help the animals they have profited from.
"When parks close we need sanctuaries for when animals come out and to live in a more natural environment. Companies like SeaWorld need to step up and be a part of the solution, as they are responsible for the problem," she said.
The captivity of dolphins across the world continues in the Middle East, Russia and China.
Margaux Dodds said: "This news from SeaWorld gives me real hope for the future. We might not see the end to captivity in our lifetime but we may be able to see the steps towards it.
"We might not win the war, but we will take it one battle at a time."

The fate of UK Dolphinariums
Battersea Park Dolphinarium: 1971 - 1973
Blackpool Dolphinarium - 1969
Blair Drummond Safari Park Dolphinarium: 1974 - 1984
Brean Down Dolphinarium - 1974
Brighton Aquarium & Dolphinarium: 1968 - 1990
Clacton Pier Dolphinarium: 1971 - 1985
Cleethorpes Marineland & Zoo: 1966 - 1974
Coventry Zoo Dolphinarium: 1972 - 1975
Dudley Zoo - Dolphins & Whales: 1971 - 1974
Flamingoland: 1963 - 1993
Gwrych Castle: 1970
Knowsley Safari Park Dolphinarium: 1972 - 1985
London Dolphinarium: 1971
Margate Dolphinarium
Marineland: 1964 - 1990
Ocean Park: 1973 - 1975
Porthcawl Dolphinarium: 1971 - 1974
Rhyl Dolphinarium: 1972 - 1974
Royalty Folies - 1974
Sandown Dolphinarium - Isle Of Wight
Scarborough Marineland & Zoo: 1969 - 1984
Skegness Dolphinarium: 1972 - 1975
South Elmsall Animal Training School And Dolphinarium: 1972 - 1974
Southend Dolphinarium - 1970 - 1975
Southsea Dolphinarium: 1973
West Midlands Safari Park Dolphinarium: 1975
Weymouth Dolphinarium: 1971
Whipsnade Zoo - Zoological Society of London: 1972 - 1988
Windsor Safari Park: 1970 - 1992
Woburn Dolphinarium: 1973 - 1983

2016年3月18日 (金)

シーワールド、シャチの繁殖をすべて停止

 2010年のベテラントレーナーの死、そして映画「ブラックフィッシュ」の反響により、シャチの飼育への疑問噴出、入場者数が激減、株価も下落して窮地に陥ったシーワールド。シャチの飼育水槽の大型化提案もカリフォルニアの公園委員会から、繁殖しないという条件を付けられ、とうとう、シャチ繁殖断念に踏み切った。今後は海生動物の救助やリハビリを中心とする施設にすると言っているようだ。
海外では、シーワールドの一貫していない態度にまだ不信感があり、「(系列の)スペインのロロパルケのシャチはどうなのよ?」とか、「飼育している鯨類をサンクチュアリに移したら」などという注文を付けられており、それほど評価されているわけではない。
http://edition.cnn.com/2016/03/17/us/seaworld-last-generation-of-orcas/index.html

http://www.businessinsider.com/seaworld-ending-killer-whales-ownership-2016-3

http://www.reuters.com/article/us-usa-seaworld-entrnmt-blackfish-idUSKCN0WJ2JP

読売新聞の記事が
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160318-OYT1T50103.html?from=ytop_main5

今後の動向に注目だが、一方で、三重大学で鯨類の繁殖研究を開始するというこの時代錯誤と落差はどうよ?

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016031002000062.html
三重大(津市)は二〇一六年度、イルカの繁殖技術を研究する「鯨類研究センター」(仮称)を、全国の大学で初めて設立する。国内施設でのイルカの飼育を継続させるには人工繁殖技術の確立が不可欠で、三重大は基礎研究で貢献する。

 センターには、同大生物資源学部の海洋生物の研究者らが参加。大学内に本部を置き、県内の別施設のプールを使い、イルカの生態や人工授精などの繁殖技術を研究する。野生のイルカの入手が困難になった全国の水族館への個体の提供を目指す。[・・・]

http://www.japantimes.co.jp/news/2016/03/10/national/mie-university-aims-develop-dolphin-breeding-technology/#.VutggGR95D3

2016年2月 9日 (火)

だんだんむき出しになってきたニッポンのこころ・・

 この1月20日、イルカ解放の活動家のリック・オバリー氏が、成田空港の入管で捕まり、収監されたことは報道などでご存知だと思う。海外の情報だと、実際になんらかの違法行為を行ったわけではないのに手錠までされ、10日間も収容されて10キログラムも体重が減ったそうだ。
 彼は、2003年から毎年、イルカの追い込み猟の季節などに来日し、現地の監視を行ってきたこと、そしてアカデミーを受賞した映画「TheCove」の主人公で、海外からイルカ猟が強く非難される元を作ったことが当局の癇に障ったのだろう。

 昨日は、とある週刊誌から電話取材を受け、彼と一緒に活動しているかどうかと聞かれ、していないこと、もともと日本国内での活動が不十分なところで海外圧力が強くなってしまえばなかなか問題解決にはつながらないことを指摘し、一線を画してきたと話した。

 国内活動については、まさに反省すべきところだが、なんせ、海外のようにイルカを含む野生動物を保全するのが一般常識というところと、資源利用しているところでは人々の感覚が違うことは感じてきた(世代が下がるとそれほどの差異はなくなっているようだが)。
 また、国にしても、70年代、80年代に捕鯨問題で学習したことから、産業と人の生活の問題の根本的な解決を考える労力を省いて、文化や思想の違いとし、それを理解しない海外が悪いとくくった方が簡単で、その方向をずっと踏襲し成功してきた。
 イルカ類を捕獲することは国の法律で認められているのは確かだが、イルカが日本の所有物ではないこと、国境を越えて移動する動物であることを考えれば海外の人たちが反対する権利はある(それだけでも、今回の逮捕の不当性は明らかだ)。
 それだけではなく、日本国内で、イルカという野生生物を資源利用し続けることが(持続可能性から野生動物保護に至るいくつもの側面において)私たちにとってよいことなのか、必要なのかという判断を、産業の維持や人々のもつ感情、そして沿岸のイルカの生態調査など科学的側面などの情報をきちんと認識した上で選択していくことこそ、海外の批判に対しても(また、それで生計を立ててきた人々の将来を考える上でも)必要ではないかと思うのだ。外からやいのやいのと言われたくなければ、自ら率先してきちんとやればいいのだ。

 今回のような明らかに民主的な手続きをすっ飛ばして海外活動家を拘束し、さらに強制送還するような措置をとることが一体誰の特になるというのだろうか?
 捕鯨問題に端を発した国と産業による情報操作と‘伝統文化'という名前の印籠が、問題解決への行政の怠慢、一部議員の汗を流さずナショナリズムを標榜するための道具として効果的に使い回されてきた。今回事件はさらに一歩進んで、民主国家を逸脱する強権発動にもかかわらず、「海外活動家に対するもの」という形で批判を封じ込めているように見える。
 

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