2019年10月 3日 (木)

毎日新聞2日版「 なるほドリ エコ」にため息

 新聞もこっそり値上げするということだが、それなら、記事の内容をもっときちんとして欲しいと思う今日この頃。

今朝も毎日新聞「月刊なるほドリ」では、先週のこども新聞に掲載した「クジラと日本人」を中身変わらず、構成を変えて掲載。こんなのでお金取らないでほしい。

昨日の「なるほドリ」、エコというのが付いていたので、環境等を主に扱うのだろうと推測。しかし「水族館の新団体 役割は」

と言うタイトルのため息が出るような企画だった。(だいたい、いつでも批判なしの水族館礼賛に変わりはないので今更なのだが)

「持続可能な水族館の在り方を考える任意団体『日本鯨類研究協議会(JACRE)』が3年前に発足し、この夏、法人組織移行を決めました。水辺の生き物たちと私たちをつないでくれる新しい水族館の形を模索しています。」と言う前書きが付いている。

副題に「JACREってどんな団体なの

    水生生物の情報交換が目的」

とある。Q&A形式で、どんな団体なのか、

  A 海に囲まれた日本は世界でも水族館が多く「水族館大国」と呼ばれていますが、水族館に特化した組織はありませんでした。

   環境問題に注目が集まる中、水族館の在り方を考え、発信力を高められればと法人組織を目指すことを決めました。

安易に入手できるイルカをショーに使って集客する水族館のあり方は、まともな動物園からも以前から顰蹙を買っていたと思うが、「環境問題に注目が集まる」状況で水族館に特化した組織が一体何を目指すか、紙面からは全く見えてこない。

記者の考えでは「人工繁殖」が答えのようだが、すでにクジラ類の持つ社会性などから、飼育はもちろん、繁殖も禁止している国さえあるくらいでその傾向はますます増えていくはずだ。

最近も、ロシアでいわゆる「監獄」と言われて批判をうけたシャチとベルーガの蓄養施設に関して、ロシア当局はNGOや専門家と協議の上、捕獲海域に全てリリース。シャチに関しては、すでに野生の群れに合流したと伝えられる。もちろん、この後、ロシア当局は、娯楽目的の野生鯨類の捕獲を禁止した。

日本のメディアはこうした問題を語ろうとはしない。だいたい、野生の群れから切り離して捕獲し、自然に逆らって同じ海域かどうかもわからない(別の国の可能性が強い)個体と繁殖させることで子どもたちにどのようなイルカ類に関する知識やそれに関連しての海に関する知識が与えられる?せいぜい考えられるのは、「一番偉い人間はこの地球で何をしてもいいのだから、好奇心があればどんな勝手をしても許されるんだよ!」という歪んだ知識ぐらいのものではないのか?

野生のイルカがどこに分布し、どのような生活をし、どのような仲間との社会性を作るのか、飛んだり跳ねたりしたらわかるわけでなし。

イルカとイルカ飼育のことを知るには、これまで撮影された、イルカ捕獲時の様子でもビデオで流したらいくらか問題の把握ができるかもしれないのだが、そんなことはやらないでしょ?

だいたい、海に囲まれた日本が「水族館大国」と言われていること自体が恥ずかしくないのか?

海に囲まれた国だからこそ、その分、海洋環境や海洋生物に関する教育がしっかりしていることが重要だが、鯨類だけでなく、海の生き物すべてにわたって安易な入手が可能であることから、水族館が乱立しているだけで、飼育の不手際や設備などの不備で、いっぺんに何百という生物を殺してしまったというようなニュースも少なくない。

だいたいが、自分たちが食べ続けたい魚がどんどんいなくなっても、食べ続けることを一義的に選択しているような国民に対し、水族館がいったいどんな教育を与えているのだろう?魚消費に関するガイドブックを作って、減少している魚を把握できるようにしているどこかの水族館を見習ったらいい。

 

日本動物園水族館協会(JAZA)の説明があり、なんでJACREを作ったという言い訳も。

   「JAZAが2015年に加盟する施設に対し、追い込み漁による野生イルカの入手を禁止しました。それに伴って、

     イルカに関する情報交換も低調になってしまいました。」と続く。

なんで「追い込み漁による野生イルカの入手を禁止すると情報交換が低調」になるのか、全く何の説明もなく、理屈になっていないい。「学術研究」だったはずのシャチだって2007年の成果発表で情報共有なんかしていないことが明らかになったのに、ほぼ’使い捨て’のイルカで情報交換をしっかりやってきたなんて!?とびっくりである。

追い込み漁に関しては

    「イルカが嫌がる音を使って湾内に追い込み、網で捉える漁法です。鯨食文化のある日本に古くなら伝わる漁法ですが、海外からは

     度々残虐だと批判されてきました。」

追い込みは、確かに古くから行われてきた捕獲方法だ。しかし、今問題になっているのは水族館用の捕獲なのであって、百歩譲って「イルカ漁は伝統」だとしても、イルカ肉需要がなくなっている中で、産業従事者が金を稼ぐために行っているのが生け捕りだということは素人でも分かりそうなものだ。生きたイルカは日本の水族館だけではなく、海外にも高額で売り飛ばされている。それをごちゃにして正当化するような論法を少なくともメディアがやるべきではない。

JACREが本気で環境問題を考えて、水族館の在り方を考えてくれるならそれはそれで結構だが、そこにはいつ到達するのだろうか?イルカ追い込み漁が「海外から残虐だと批判されて」いるのは、事実だからだ。考えてみてほしい。ゴリラやゾウを群れごと捕獲し、一部を殺し、コドモを売り飛ばす商売が、今でも合法的に行われているかどうか。

イルカたちは、生け捕りに際して狭い仕切り網の中でもがき、互いにぶつかり合い、網に絡まって窒息し、命を落す者もいる。海は血で染まる。

大方はメスとコドモの群れだが、その中で、コドモや若いメスが水族館用に捕獲されている。かつては生け捕りされたコドモの傍で母親が殺されるということもあったのだ。

記者も一度その光景を自分の目で確かめてほしい。その事実が、WAZAを動かし、改善要求となった。それに答えられない状態の中で、JAZAはWAZAに残るか脱退するかの選択を迫られ、当たり前の選択をしたのだ。そして、それを是としない、追い込みによる利益にしがみつくところが新たな組織を作ったというふうに私は理解している。

もし本気で「水辺の生き物たちと私たちをつないでくれる水族館」を目指すなら、海洋環境が今日抱える様々な問題、気候変動や酸性化、プラスチックなど人由来のゴミ、有機化学物質などの汚染、開発や騒音、罹網、乱獲による魚、餌生物の減少などによる生息環境の悪化をどのように市民に訴えて、直接的な行動に結びつけていくかがまず課題であるはずだ。すでにこうした取り組みは行われてきたし、新しい組織を作るようなエネルギーと資金があったら、そちらにシフトしたほうが将来的にも良いのではないだろうか?

そして、最後に。「漁以外のイルカの入手方法」の答えは違反の教唆みたいに読める。

 「魚を取る際に混じったり、浅瀬に迷い込んだりしたイルカなどを『学術研究用』として漁業関係者から譲りうける方法」

と言う言い方は実は「混獲や座礁したイルカを’学術研究用’として譲り受け、ショーなどでバンバン使ってますよ」ということだ。カマイルカという追い込みでなかなか捕獲しにくいイルカがいるが、たまたま定置網などに入ったのを「原則逃がす」という水産庁のマニュアルをかいくぐって利用している状態があまりにひどかったので、2007年に水産庁が反対の声を押し切って捕獲枠をつけ、混獲ではないイルカの飼育をねらったのだが(やはりあまり上手く捕まえられない状態)。だから、この答えは下手をするとマニュアル違反をそそのかしていることにもつながりそうだ。

記者は、どこからこんなテーマをもらって書いてしまったのか。書くことでお金をもらっている以上、きちんと取材することは最低限、欠かせないと思うのだが、どうなのだろう。

2019年9月30日 (月)

そうだ!ウッォッチング

いよいよ、明日は10月1日だ。

消費税増税。もちろん反対だが、もう一つ、10月1日は富戸でのイルカ猟解禁日なのだ。2004年以来、初めてのイルカ猟が果たして実施されるか、周りがざわざわし出してきた。

実は、ジオパークに名乗りをあげる前は、毎年8月末(この時は9月解禁だった)に水産庁とともに記者会見を行い、イルカ猟開始宣言をしてきたいとう漁協も、ジオパークの本部から「イルカ猟はどうよ?」という質問を伊豆ジオパーク本部が受けてから、なりを鎮めてきていた。それが決まってしまったらいいのだろうか?

一体何を目的としてやったのか、宣言すれば何か変わるかわからないのだが、久々に開始宣言を行うものだから、あれをまた、本当にやるつもりなのか?と不安でいっぱいになるのは確かだ。

だが、捕獲の条件は太地と比べて極めてよろしくない。漁港内の定置網設置。ベテラン漁師たちの引退。イルカ探査船も出せないで、漁に出ている漁船がイルカを見かけたら知らせを受けていざ出動、という話も聞いた。

しかし、太地と比べると捕獲できる種は3種類、カマイルカ26頭、バンドウイルカ24頭とオキゴンドウ7頭で、カマイルカは太地でも’ちゃんちゃん’と呼ばれる鉄パイプの音が聞こえるなり、四方八方に逃げ出し、捕獲に手こずるような捕獲の難しい種だし、バンドウイルカは太地でも回遊が少なくなっており、伊豆方面は春先に1度か2度、南下する様子が見える程度らしい。オキゴンドウはよくバンドウイルカと一緒に泳いでいる姿が見られ、1996年も運悪く一緒に捕獲された種だが、2007年に、沖合にも別の系統がいたとかなんとかで増枠され、富戸にも枠が付いた。しかし、太地においてもずっと捕獲ができていない種でもある。

さらに、富戸はいとう漁協の支所になったので、漁業収入はいとう漁協に吸収される。確か、2004年の時も、イルカ漁師に入ったのは、船の経費と日当1万円のみだったと聞いている。イルカの生け捕りで儲けられるぞ!というわけでもないようなのだ。

ベテランの人たちは「追い込みは無理だ」と言っているようだが、それでも私たちの不安は消えない。

そこで思いついたのがウォッチングだ。

太地と異なるもう一つの点は、富戸にはドルフィンウォッチング船があるということだ。これは大した強みではないだろうか?

もし、頻繁に訪れるウォッチング客に恵まれれば、地域住民も、支所の漁業者もどっちが得だか計算するはずだ。

人数がある程度集まれば、船も複数参加でき、お客に喜ばれれば、乗せる方だってまんざらでもないはずだ。

だから、もし、イルカをこれ以上苦しめたくなければ、せっせとウォッチングに参加する人を集め、捕るのではなく、見る船を増やそう。

そうであれば、地元が応援してくれるはずだと思いませんか?ウォッチングをして、イルカ猟 を永久にやめませんか?Iruka20041111-3 (2004年イルカ捕獲)           Photo_20190930142101(カマイルカ)

 

富戸でのウォッチングは:https://www.honda.co.jp/dog/travel/data/kohkaimaru/

 

2019年9月14日 (土)

シャチをいれるって?

兵庫県の須磨海浜水族園を運営する神戸市、海浜公園一帯を開発してリゾート化し、水族園にシャチを入れたいと。

シャチの推定個体数は、北の海域を曖昧にしたまま、大幅に水増しされている。

これが行われたのは、2007年の海洋大学で行われた1997年捕獲されたシャチに関する

研究発表の直後だ。そのあと、水産庁に北の海域を区切らずに大幅に推定個体数を

増やすのはおかしいのでは、と言ったら、知りませんよ、水研センターがやってる

事だからとかわされた覚えがある。

それまで希少種で学術目的での捕獲のみととされてきたシャチが、明らかに集客を

目的として、研究者の助言も受けず、沿岸課の裁量のみで捕獲され、当時では破格

の値段で取引された。研究目的のはずが、研究計画さえ事前に評価されていない状態で、

わずか4ヶ月で5頭のうちの2頭が死亡。2007年ではわずか1頭が残るのみになっていた。

そして、その間、飼育施設同士の研究の共有はなく、研究成果はシャチの生態解明に

何の役にも立たないというお粗末なものだったのだ。

前回の太地訪問では、町長が「シャチの捕獲はいけないか?」という問いかけを

冗談交じりにしてきた。

まさか、と思いつつ、最近の金儲けのためにはなんでもありという風潮から、

怖さを感じる。

 

https://www.sankei.com/economy/news/190912/ecn1909120045-n1.html?fbclid=IwAR2EV1REO6I3P5lthrBBRNlxN6O7PMWtIXOU10IVngG76bmiTEQKIM1-8z0

2019年8月20日 (火)

静岡県におけるイルカ猟の再開の可能性について

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(現在の追い込み用金属パイプちゃんちゃんと同2004年のもの)

 

夏もそろそろ終わりに近ずくと、涼しさへの憧れと同時に、イルカ追い込み猟の季節が
来たという緊張もある。
今年は、6月の静岡県伊東市漁協のイルカ追い込み漁開始宣言もあり、不穏な気配
もある一方で、静岡県でのイルカの捕獲が果たして可能なのか?という幾つかの疑問
の声が聞こえてきた。

<伊豆地方のイルカ猟>
伊豆地方では、戦後の一時期、古くから行われてきたイルカ追い込み猟で乱獲が進んだ。
主な捕獲対象であったスジイルカが捕獲できなくなり、対象種をマダライルカに変えた
もののそれもすぐに枯渇し、産業が成り立たなくなって5箇所あった捕獲地が次々廃業した。
現在枠を持ついとう漁協の富戸支所においても、追い込む年は少なくなり、2004年から
捕獲が途絶えている。
<伊豆半島ジオパーク構想>
一方で、2008年頃から伊豆半島をジオパークに登録しようという動きが活発になり、
準備が進んできた。しかしここで、富戸で行われてきたイルカ追い込み猟の実施が、
ジオパークとしてふさわしいかどうか、という疑問が市民から出され、反対の署名活
動が開始された。
その結果、ユネスコ本部から、イルカ猟についての懸念と改善の要請が推進本部に
送られたが、推進本部は回答期限までに返事を出さなかったため、2015年の
登録認定では保留という措置が取られた。
その間、伊東市で毎年行われてきたイルカ捕獲に関する関係者と水産庁、
警察、海上保安庁による会合は、見合わされた。
 しかし、2018年にユネスコのジオパークに登録された結果を受け、再び
イルカ猟への意欲が浮上してきた。近隣水族館からの注文もあるが、生体の捕獲が
極めて儲けの大きい事業であることは、和歌山県での捕獲が実証している。

<猟の再開は可能か?>

しかし、実際に追い込みが行われるかどうかという点で、幾つかの疑問がイルカ猟を
よく知る関係者から出されてきた。もともと、富戸は首都圏近郊での人気のあるダイビング
スポットで、必ずしもイルカ猟が町の繁栄につながらないのが現在。さらに、
例えば、富戸がいとう漁協の支部となり、イルカ猟の実施にあたって、いとう漁協に
わたる金額に比べ実際に捕獲に携わる漁師の日当が十分とは言えないことや、イルカ猟に
携わってきた漁師の高齢化や引退、船の老朽化に加えて、数年前にイルカが追い込まれる
湾のど真ん中に、定置網が敷かれたことなどが追い込み猟再開を阻む可能性があると
指摘されている。
定置網は、網からロープを海底に斜めに伸ばし、網が流れないよう固定する。
海底に固定されたアンカーをつなぐロープはイルカにとって障害物として認識される
だろうと地元漁業者は言う。
静岡県におけるイルカ猟の猟期は10月から翌年の9月までである。2年ほど前から、
猟期が通年になってしまったが、昨年には猟がなかったので、10月までは事実上
捕獲はできないはずだが、今後どのような動きがあるか注視していく必要があるだろう。

2019年8月15日 (木)

イルカ捕獲枠

8月1日付けでイルカの2019年度捕獲枠が公表されていた。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/w_document/attach/pdf/index-18.pdf

前年度に比べ、4000頭近く減枠されているようだ。

昨年度の捕獲枠は、それぞれ、イシイルカ、リクゼンイルカ各5900で

2017年度(1年前だが水産庁の資料ではそれが最新)の実績は7頭と1366頭。

今年度枠は4137/4398。

以下、ハナゴンドウ460(実績は突きん棒7頭、追込み118)から398頭に。

ハンドウイルカ500(同実績は突きん棒47、追込み127頭)から374頭。

マダライルカ470(同実績27、17)329頭に。

スジイルカ550(18、299)が521。

コビレゴンドウ135(2、57、沖縄突きん棒22)が127。

オキゴンドウ100(沖縄2:ちなみに太地での実績はこのところずっとゼロ)

から70。

カマイルカ360(追込み21)から260に。

昨年度から新たに加わったシワハイルカ33(追込み27)は30

カズハゴンドウは290(156)から263に減少している。

実態に合わせて、もっと枠を減らせるのではないかと思うのだが、今の所‘科学的

な根拠’から「安全な枠」を示すということが唯一の水産庁の役割で、しかも業者

にしてみれば、明日になれば取れるかもしれない、と言う期待があるのかも知れず、

国内外からの批判や懸念への配慮はないように見える。

 

2019年6月17日 (月)

「野」に生きるものは「野」に、イルカは海に

富戸でイルカ捕獲を再開するというニュースが流れてきた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190616-00000008-at_s-l22

2004年以来、「やるぞ」と何度も言ってきたイルカ漁を今回はかなり具体的に実施する

方向で考えているようだ。

富戸でウォッチングをしている光海丸の石井泉さんが、2005年だか6年に、「これまで追い込みを

してきた湾で定置網漁を始めるので、イルカ追い込みはできなくなった」と言っていたのを聞いた覚えがあるが、

この定置網を取り外すのだろうか?

もともと富戸は、東京近郊で人気のダイビングスポットで、1996年にイルカ追い込みをした時は

複数のダイバーがなんとか助けて欲しいと連絡してきたことが発端だった。この時は、漁師たちは

まだ水産庁が枠を設定したことを知らされておらず(幹部は知っていた)、枠を大幅に超える

ハンドウイルカと、当時は枠がなかったオキゴンドウの群れを一網打尽に追い込み、私たちを

はじめとする市民の抗議で一部のイルカを解放した。また枠外であったオキゴンドウを買った水族館

に働きかけ、解放を勝ち取ったのだ。そのあと、実際の捕獲数が申告された数を超過し、さらには

オキゴンドウの捕殺も申告をかなり上回っていることが内部告発で明らかになった。その時の

領収書があるが、肉の売り先は太地だった。

その後、富戸漁協は伊東市漁協の傘下に入り、その売り上げは伊東市漁協の会計に入ると聞いた。

従って、追い込みをやっても漁師に手元には働きに比べてわずかな金額にしかならないため、

朝早くから操業し、燃油を消費するのには見合わないというような話も前述の石井さんから聞いている。

確かにこのところ太地では、イルカの生体販売でかなりの儲けが出ている。それを、

追い込み技術を伝えた本が指をくわえて見ているというのは悔しいのだろう。

浜値でおよそ100万円程度、馴致を終えればその5〜8倍の値がつくような動物を捕獲することに

食指が動くのは残念だが仕方ないことなのかもしれない。

また、管理の責任のある水産庁にしても、目的は産業が消え失せずに発展して欲しいわけで、

毎年取りきれないほどの数を「枠」と称して知事に渡すのがお仕事になってしまったように見える。

 

富戸周辺でのバンドウイルカの生息数はどうなっているのだろう?太地では捕獲したいがなかなか

こない状態があると聞くが、どうだろう?また、遺伝子の異なる南ハンドウイルカ

が御蔵島ではウォッチングやスイミングの相手として人気があるが、間違えて捕獲するなど

ないと良いのだが。

 

残酷なイメージがないというので批判が少ないのでは、というが、実際2004年の時に

現場(立ち入り禁止で厳重に組合員が監視しているので、近くの小高い丘で見た)に

足を運んだのだが、パニックになったイルカたちが互いに狭い仕切り網の中でぶつかり合う

ので、海は血に染まるし、その匂いが私のいるところまできた。また食肉用に販売ができないに

しても、地元関係者が食べる分は捕殺するだろうと思われる。

 

自然にいるイルカたちを見て喜ぶのではなく、群れと切り離され、人工的な施設で

曲芸をさせられるイルカたちを見て「可愛い」だの、「お利口」だの言っている人たち

(また夏になると特集をしたがるメディア)がなくならない限り、この悲惨な状態は終わらない。

さらには、犬吠埼に取り残されたイルカのように、「役に立たなく」なっていい加減に

放り出されるイルカたちが今後増えていくことも大きな懸念だ。

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2019年6月 5日 (水)

ロシアのイルカについての記事が

ダウンロード - m201906e8a898e880852.pdf

「太地町のイルカの最大の輸出先は経済発展に伴い、水族館が続々と誕生している中国だ。

ロシアもシャチやベルーガを中国に輸出している。(中略)

安倍首相は欧州を訪問する際、日欧は民主主義や人権尊重など「価値観を共有する」

と由縁づね強調する。しかし、イルカ取引をめぐり、日本と価値観を共有するのは中国とロシアである」

 

2018年8月22日 (水)

イルカの新捕獲枠

2007年から毎年更新されてきたイルカ捕獲枠。公開がこれまでは猟が終わった後で、しかも2、3年後というようなこともあり、毎年、6月ごろに水産庁に電話をかけ、ファックスでもらってブログなどで公開してきた。今年は6月にはまだ決まっていないと言われ、7月終わり頃電話したところ、お盆明けだという。それで律儀にお盆明けに電話したら今度は近々に公開するので待ってほしいと。で、今日になってやっと出ていた。ただし、とても見つけにくいところにあるので、見つけられる人の方が珍しいかもしれない。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/w_document/attach/pdf/index-12.pdf

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これまでは前年との捕獲数の違いが出ていた。
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比べてみると、捕獲数は前年とほぼ同じ、ただし、カズハゴンドウだけ、100頭増えて290頭になっている。
昨年、8月に出した枠から、2度も増枠した結果が反映されているようだ。

注釈もついている。
「なお、鯨種別捕獲枠については、関係道県の要望や関係道県間の調整の結果により、許容捕獲頭数の範囲内で漁期中に変更することがあります。」

これも、昨年までなかったことで、水産庁は漁業者のいいなりになっている(というか、もうどっちでもいい)という管理放棄の見本である。

肉としての需要が激減し、わずかに需要のあるコビレゴンドウが捕獲できなくなった結果、枠を導入したカズハゴンドウであるが、まだその生態もろくに分かっていない種である。また、肉に変わって売れ筋の生体販売で、やはり現象傾向が見られるバンドウイルカに加えて、やはり生体のろくすっぽ分かっていないシワハイルカを入れている。「持続的」に行っていると胸を張るイルカ漁業だが、これでは全く信用できない状態にあるのではないだろうか。海外の敵を前面に出して正当化する前に、どうすればきちんとした管理ができるのか、真剣に考えて欲しい。

<追記>
知人から、静岡県は「イルカ追い込み漁業」なのに、和歌山県が鯨類追い込み」になっているのはどうして?と
聞かれてわからなかったので、担当者に聞いてみた。そうしたら、「ああ、これは単純に表記間違いですね、’イルカ追い込み網’漁業です」という返事。猟期が翌年8月までというのはなぜ?と聞いたら「ああ、それは鯨類捕獲全般です。県の許可では猟期は変わっていないはずです」だと。
猟期が明示されたのはいいが、これをみると、どの猟法も通年可能になっているように見える。

2018年7月14日 (土)

今度は水族館応援議連・・・

業界紙によると自民党水族館応援議連というものが 7月11日に立ち上がったそうだ。
目的は、「科学的根拠に基づく海洋生物資源の持続的な利用の立場から、鯨類などの飼育展示・教育研究・保全活動を推進する水族館を応援し」、「水族館基本法」制定を目指すことだ。
動物園や水族館はこれまでに文科省の管轄で、その飼育展示に関しては環境省が基準を設けている。また、昨年の種の保存法改正において、環境省は動物園、水族館の種の保存に果たす役割を明示し、保存に貢献していると認められた園・館を認定するとした。中で言及されてはいないものの、飼育施設の目玉として捕獲され、飛んだり跳ねたりのショーに使われ、使い捨てられる鯨類=イルカはその範疇ではない。しかし、この記事によると、2014年の世界動物園水族館協会に突きつけられた、非人道的なイルカ捕獲NO!に従った日本動物園水族館協会に対して、イルカ捕獲継続を支持して同協会を離脱し、新たに設立した「日本鯨類研究協議会」の動きを受けての基本法制定ということで、ここで初めて、海洋生物資源の持続的利用の意味が明らかになる。
会長と副会長のうちの一人、幹事長がみな和歌山県選出の捕鯨議員だということもなかなか示唆に富んでいる。

2017年12月13日 (水)

イルカの増枠

たまたま、ニュースレターで今年の出来事を書いていて、水産庁のHPを見たら、なんと12月1日付のイルカの捕獲枠の更新情報が見つかった。
以下
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     いるか漁業の鯨種別捕獲枠については、推定資源量を基に、捕獲を続けても資源が減少しない
     水準(許容捕獲頭 数)を科学的に算出し、それ以下の頭数を、国が捕獲枠として設定し、関係
     道県に配分しています。本年度漁期における鯨種別捕獲枠は以下のとおりです。
     なお、鯨種別捕獲枠については、関係道県の要望や関係道県間の調整の結果により、許容捕獲頭数の
     範囲内で漁期中に変更することがあります。

    平成29(2017)年度漁期のいるか漁業の鯨種別捕獲枠(12月1日時点)(PDF : 56KB)
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この新しい捕獲枠だと、今年新たに枠の設けられたシワハイルカとカズハゴンドウがずいぶん増えているように見える。20→27に 100矢印200に(もしかしたら私の目の錯覚か)
そういえば、今回の太地町の追い込みでは、バンドウイルカが’不漁’なのに比して、この2種に関しての捕獲が成功しているようだ。これまで、途中で増枠したという記憶がないのだが、水産庁の管理放棄もここまで来たか、とちょっと驚く。

念のため、8月に出された枠をつけておく。

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追加情報:
水産庁の聞き取りによると、和歌山県から枠の追加要望があった。
シワハイルカとカズハゴンドウに関しては捕獲の許容範囲内であるということで、枠を変更した。
許容範囲は、
シワハイルカが46頭まで、カズハゴンドウは704頭まで捕獲できることになっているらしい。
初年度でもあり、どの程度の捕獲が可能かわからなかったため、要望する県が控えめな数字を出してきた。

このような捕獲枠の追加配分は、今のところ見当たらないということ(道府県での捕獲数の融通はあった)。

また、ユメゴンドウの誤捕獲についてはすでに指摘されていることであり、県を通じて漁業者に指導をしているとのことです。

釈然とはしない。

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