2017年6月21日 (水)

調査捕鯨継続法公布

6月15日に、どさくさに紛れて(としか言いようがない)成立した「商業捕鯨等」実は調査捕鯨の継続法。
昨日、公布された。即日発効すると確か附則にあったと記憶しているから、効力を発揮するのでしょう。
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2017/kakugi-2017062001.html

網走沖での業者による「調査」も開始され、母船調査も始まったようだし、
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/170614.html

捕獲も生肉の価格も順調そのもの、加工場も新設され、これを待ち望んできた人々にとっては喜ばしい限りだろう。
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2017/20170616026055.asp
http://archive.is/dmSfY

しかし、問題はこのために国が責任をもって、51億円と言う税金を費やして、妨害をブロックし、だぶついた肉は学校給食に使って将来世代に味を覚え込ませ、様々な形で事業を支援することに関して、正常な議論が行われなかったことだ。
ただ一人、反対意見を述べた山本太郎議員の「伝統じゃないでしょ」「商業捕鯨の再開は出来ないでしょ」というまっとうな反対意見にたいして反論さえしない。

与党はもともとそっちだからまだしも、今国会で果敢に利権についての問題を指摘し、政府・与党に噛み付いた議員さんたちにとっては、利権の規模から許されると考えたのだろうか?


2017年6月16日 (金)

調査捕鯨継続法案可決・・・

 「恥ずかしい」の一言。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170616/k10011020111000.html

 “調査捕鯨は国の責務” 継続のための新法成立
 6月16日 14時32分

 日本の調査捕鯨に対しオーストラリアなどの反捕鯨国による批判が強まる中、調
 査捕鯨の実施を「国の責務」に明確に位置づけ、調査の継続のため財政支援など
 を求める新たな法律が16日の衆議院本会議で可決・成立しました。〔・・・〕


審議にかけられれば成立するとは思っていたが、これで日本政府と関係者は、これまでやってきたことの後付けを
またしても担保し、誰がなんと言おうと調査捕鯨を延々と続けられるわけです。


2017年6月14日 (水)

調査捕鯨は「国の責務」超党派法案、記事が掲載されました

昨日、種の保存法など自然環境関連法に関して連携しているNGOによる院内開催された。
法案に関する問題点の説明の後、ニュースでおなじみの早稲田大学真田康弘氏による調査捕鯨の科学性についての問題の指摘、フリージャーナリストの佐久間淳子氏による調査捕鯨における終始と鯨肉の需要、供給の問題についてのプレゼンテーションが(実際のパフォーマンスもふくめて!)あり、複数のメディアの取材もあった。

早速東京新聞が掲載してくれたので紹介しよう。201706140


2017年6月13日 (火)

調査捕鯨を安定的に継続するための法案

今日、参議院の農水委員会で「商業捕鯨等のための鯨類捕獲調査の実施に関する法案」が提出され、全会一致で採択された。この中身というのは、冒頭の民進党徳永エリ議員の説明の通り、安定的、継続的に調査捕鯨をすることを法的に担保するものである。
議員の説明にもあるように、この法案は、2014年の国際司法裁判所の判決(厳しかったと述べた)の後に、衆参両院で採択された決議により、国の責務を明らかにする、つまり、調査捕鯨を国営で行うものだ。
したがって、農水大臣が計画策定し、国に指定された鯨類科学調査法人に託して、「捕獲を原則とする」調査を実施する。ほんの一握りの権益のため、国が税金でその継続を保証するという恥ずかしい法律なのだ。

幸いなことに、山本太郎議員が、臨時にこの会合での質疑を行い、法案の問題点を実に鮮やかに指摘した。曰く、すでに商業捕鯨は経済的に成り立たないものとなっている。曰く、わざわざ南極まで行って鯨を捕獲するのが伝統文化と言えるか?曰く、なぜ、沿岸捕鯨の妥協案をことごとく蹴ってしまったか?南極をやめて、沿岸捕鯨を再開させる方が、水産業に貢献できるのではないか。また、2004年にザトウクジラを捕獲すると発表したことが日に油を注ぐように、海外の反捕鯨団体を勢いづかせる結果になったのではないか?
文化庁が嫌々だが、議員の問いに対し愛知間の捕鯨は「伝統文化」ではない、と答えたのは大きな収穫だった。

午後から、院内学習会を予定しており、これから衆議院に回る法案の問題点を指摘する。

2017年5月18日 (木)

’鯨類調査’法案

 調査捕鯨を、超党派で「国の責務」としてやろうという法案が今国会に出されるようだ。
題して「商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律案」。
それでなくても、頭の痛くなるようなひどい法案審議が行われているというのに、全く困ったものだ。しかも、提案しているのがM進というのが。万が一、泥を被るのは元々の推進党ではなく、’被り慣れた(???)’Mだということに陰謀めいたものまで感じてしまう。2011年の復興予算23億円を鯨研の赤字解消にまんまと使ったことだし、税金の無駄遣いを非難されてもどうってことないのだろう。すでに、大手水産会社が補助金なしではできない、と撤退していることを知っているのだろうか?関係者の本音は、強い規制のかかる商業捕鯨再開ではなく、勝手し放題の調査捕鯨をどれだけ継続できるかだろうと思っているし、今回の法案も見ようによっては、この路線をそれらしい言葉で覆っているだけではないのか。

今、種の保存法が国会で審議されているが、そういえば、今回の大きな課題の一つである海洋生物に一切踏み込んでこないのはこれがあったからか、と今更ながら情けなくなる。ここに書かれた科学的知見の集積が必要だと本気で思っているのなら、今回のレッドリストのいい加減さに腹を立ててもおかしくないのに。

それに(今編集中で近々出すニュースに真田さんの論文を掲載予定だが)、この3月に公表された、北西太平洋の調査捕鯨新計画に対する科学委員会専門家のパネル報告で、南極の新計画と同じように致死的調査の必要性についての説明が(相変わらず!)きちんとされていない、もっと悪いのは、沿岸業者に甘く、30カイリまでは直線のライン上で航行するが、30カイリを超えて捕獲目標頭数に達しない場合は、自由に航行して捕獲してもよい、港に近すぎる捕獲とその数が多い割に母船での調査捕獲頭数は少ない。まだ回復途上の日本海側個体群に影響が出るかもしれない。これまでのデータをなぜ使わないの?とけちょんけちょんに言われているのを知ってかしらずか。
それとも、国際的な’科学’は日本の伝統にそぐわないって?
それに、国際的に痛いところをつかれるのが嫌で、耳をふさぐことが日本の国益を守るって本気で思ってる?

「18519890_1302209199891824_6827698517656872011_n.jpg」をダウンロード

2017年4月 4日 (火)

北西太平洋捕獲調査についての専門家パネルの評価

 1月末から東京で行われた北の調査捕鯨新計画についての専門家パネル報告が出た。
11月にも書いたが、どうしてこんな計画をたてたのか、 素人目にも問題がありすぎではないのか?と思うような、恐ろしい計画だったが、やはり評価は厳しかったようだ。29もの多岐にわたる勧告が出ており、殺す前にこれまでのサンプルを活用すべきではないのか、とか、(イワシクジラに関して)捕獲頭数の正当性を説明できていない、というような意見も見える。

https://this.kiji.is/221581060774577660
↓共同通信の記事 ここから
    水産庁は3日、北西太平洋でミンククジラとイワシクジラを年間計314頭捕獲する新たな調査捕鯨計画案に関  
    し、国際捕鯨委員会(IWC)の専門家会合が「捕獲調査の必要性や捕獲頭数の妥当性が十分に説明できてい
    ない」として、日本に追加作業を行うよう勧告したと明らかにした。〔・・・〕

パネル報告は5月に開催されるIWCの科学委員会に報告され、日本の修正提案とともに議論される。
しかし、日本政府としては、「日本の調査は管理上重要」とかいうリップサービスのみ取り上げて正当化を図り、7月には(少しばかりの修正の上)船を出すのではないだろうか。それに、そうだ!そろそろ沿岸調査も始まる。←みなと新聞によると、春季調査はすぐにはやらないらしい。確か、一昨日、小型捕鯨船が胎児を出港するとか出ていたみたいだが。

2017年3月31日 (金)

日新丸船団ご帰還

 おとといくらいから、近くにいるらしいという話があったが、今日、下関に着くという報告が。
3月いっぱいで(お国のお仕事らしく)予定通り帰国ということらしい。SSの妨害にもめげず?333頭、枠いっぱいの捕獲。「本調査は、2014年3月の国際司法裁判所(ICJ)の判決を踏まえて策定され、国際捕鯨委員会科学委員会(以下、IWC/SC)によるレビューを経て最終化された」と前書きで空々しい言い訳。だんだん政治的になってきている科学委員会であってもたくさんの科学者が抗議をしているし、だいたい独立した専門家パネルの報告では、
致死的調査の必要性に疑問符が。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/170331.html

http://www.icrwhale.org/170331ReleaseJp.html

2016年12月 3日 (土)

スロベニア、その他のこと

 今回会議は、前回と同じスロベニアで開催された。図らずも、アメリカの選挙で、次期ファーストレディになるかもしれない人の出身地ということで知られるようになったスロベニアだが、2度も連続してホスト国になるというのは稀なことで、事務局長が「スロベニアがIWCの第2の故郷になった」というような紹介をしていた。来年の科学委員会も、同じくスロベニアのブレッドで開催される予定だ。
 2014年のIWC65の参加は、ドーハ、ベネチア、トリエステ経由で海辺の町ポルトルージュに入ったためそれほど強く意識はしなかったが、緑豊かな美しい国だと、今回、首都リュブリャナからバスで移動しながらつくづく感じた。
バスの窓からは、森と田園風景が交互に現れ、紅葉に始まった木々と、まだ緑が色濃く残る牧草地に放たれた馬や羊の姿があちこちに見られた。
そういえば、初日の環境・空間計画大臣(こうしたポスト名にも、スロベニアの意思があると感じた)の挨拶でも、国の半分を占める緑をはじめとした自然を守っていく姿勢がはっきりと出ていた。

 私たちがお世話になったアパートは、港町のピランにあり、道路の向こうは海だ。観光地らしく、貸しアパートや小さなホテル、レンストランなどが並ぶ道路の向こう側のアドリア海は驚くほど澄んでおり、岩場にはウニやムール貝が付着し、透明度の高い水には魚の群れが見える。会期中に、この海でイルカを見たという人も何人かいた。
帰りのシャトルバスで聞いたのだけど、この海も15年ほど前までは、町の排水が容赦なく流れ込み、汚れていたそうだ。それを市民たちが協力して浄化したという。そういえば、海辺のあちこちに、木と魚の組み合わせのイラストのポスターが貼ってあったが、気がつくと、街中を走るバスとかタンクローリーにもそのシールが貼ってあるのだ。
日本でも最近話題になってきた沿岸域の統合的な管理の構想は、すでにEUでは当たり前なのかもしれない。
と書いていたら、今朝、スロベニアは安全な水は全ての人々に不可欠なものだという法律を作ったという記事が掲載されていた。
https://www.theguardian.com/environment/2016/nov/18/slovenia-adds-water-to-constitution-as-fundamental-right-for-all?CMP=share_btn_fb

自国民を戦争に駆り立てる法律、TPP、年金カット法、そして今度は賭博法と、全く市民の意思、そして生活を踏みにじるような法律を連射する何処かの国とは大違いだ。

次回IWCで副議長を務めるのはこのスロベニアのビビクさんだ。直接の会話はないが、一度、エレベーターで乗り合わせた時に、一緒に乗っていた人たちに、今日まではお湿りだったけど、明日からは晴れますよ、誰ともなく、と楽しそうに語りかけていたのが印象的だった。’何処かの国’に振り回されるな、と念じたりして。

2016年11月29日 (火)

スロベニア その他の話

 <映画で使われた?>
 会議の初日の事。太地町の三軒町長がニコニコして「映画見ましたよ」と話しかけてくる。「えっ?私まだ見ていないのですけど、なんて言ってました?」と聞くと「いいこと言ってましたよ」とうなづくだけで具体的な話にはならなかった。
 S監督は、2時間ほどのインタビューの一体どこを切り取ったのだろう?
 気を取り直して「そういえば森浦湾・・」と言い始めると、「いやいや、あれは記者が勝手に書いたことで、私たちとは関係ないことです。私たちが思っているのは、森浦湾で国際的な鯨類研究をしようということですから」という。
それでは、ボルチモア水族館のように、飼育イルカを解放するためのサンクチュアリにしたら?というと、「ええ。水族館のイルカを入れて、ゆくゆくは繁殖した子供を放すことなども考えています」。それはちょっと、と思ったが、いずれ伺いますからその時意見交換しましょう、とその場を離れた。
 会場で座ろうとすると、大隅御大が近づいてきた。「やあ、嬉しいな。あなたが考えを変えたって聞きましたよ」という。びっくりして「え??」と聞き直すと「捕鯨推進になったというじゃありませんか」????。そんなことどなたから?と聞いても答えがない。例の映画だな、とまた不安になるが、捕鯨を是認したコメントなど言っていないことには確信がある。
 それでも、彼もさすがに3日目のNGO発言(10月18日に出した日本のNGO17団体の共同宣言)の後は、むっとした顔で話しかけては来なくなった。

<2つのIWC>

 6月以降、森下丈二代表がIWCの二分化を主張し始めている。曰く、捕鯨推進は沿岸捕鯨や食料安保(南極など公海での操業?)を、そして反捕鯨はクジラ保全や環境、動物福祉を担当すればいい、と。ここにはクジラが生きて動いているものだという認識は全く感じられない。
また現在、調査捕鯨で好き勝手をやっている日本は、すでにこの主張を実践しているようにも見える。

  これまで反対する人たちがいて、きつく監視してきたからこそきちんとした管理への道筋ができた。また、必要なところ(例えば先住民捕鯨)には、枠が設けられてきたのだ。対立そのものは決して悪いわけではない。ところが、
 「対話」とか「理解を得る」とかいいことを言っている日本がやっているのは、とにかく規制を受けない捕鯨を存続するために条約改正に踏み込まれないことだ。そのためには、4分の3を反捕鯨に取らせないことが至上命令であるのは明らかだと思える。

 一方で、反捕鯨側はどうかというと、例えば、ニュージーランドは2014年にどのようにIWCを改革していくのかという投げかけの決議案を出し、採択された。また、今回も、オーストラリアとともに、科学許可の要件等を議論する作業部会設置を含む特別許可のを管理できるための決議を通している。日本がいくら反対し、今も古くないと言い張っている国際捕鯨取締条約は、すでに性格が変わっているのは確かなのだから、本気でIWCの将来を考えるなら、この方向に踏み出さざるをえないだろうと思うが、二分の一で採択される決議には拘束力がないため、埋めるべき溝は埋まらないのが現実だ。
 日本は、「IWCの将来」と銘打って、捕鯨時代の条約を復活させようと、様々な思惑で日本に加勢する国々を巻き込んで行っている。’かつてのような乱獲はありえない、守るべきは守り、持続的な利用を推進する’、と言いながら、今回のNEWREP-NP案を見ればかなり疑わしいものだ。
そして、モラトリアムを解除するための4分の3は獲得できないことを承知の上で、2006年のセントキッズ宣言とか、今回の食料安保決議などを通じ、モラトリアムの事実上の突破を狙っている。

 もう一つの動きは、小型鯨類の保全活動や環境と健康に関する決議案の提出だ。前回の小型鯨類に関しても他機関と連携して保全に努めること、今回のクジラの地球生態系への関与や水俣条約と連携して、水銀の汚染が報告されている鯨類に関して、同条約に貢献しようというもので、「非致死的調査により」という文言が「持続利用」勢力は気に入らない。これらは、2分の1の獲得で採択されるので、捕鯨推進の反発をよそに採択される。調査捕鯨にストップをかけられないまま、こうした決議案を持ってくる気持ちはわかるが、それでは問題は解決しないのになあ、と複雑な思いだ。また、こうした動きが捕鯨に反対する勢力の自己満足に終わらないかということも懸念される。

一方でNGOはというと、発言の機会が増えた分をうまく活用できているわけではないような気がする。今回、発言の機会は加盟国の発言がおさまってからで、必ずしも議論として噛み合わせられるわけではなかったし、また事前に発言内容を知らせる必要もあり、実際に行われている議事に対して影響を与えるのは難しいと思った(違ったかもしれないが)。このままでは、相変わらずのガス抜きに終始するかもしれず、もっと体系的な動きを考える必要がある。と、きちんと作戦会議などに参加しないまま偉そうなことを言っても仕方ないのだが。

 本当は、このことに責任があるのは私たちなので、(あえていうが)’暴走’の止まらない日本を、どうやって私たち市民が止められるかということだと感じている。どんどん民主国家でなくなっている現在、ますます難しいことになってはいるが。

2016年11月25日 (金)

IWC66スロベニア 議長

 11月24日の毎日新聞「オピニオン」。
森下丈二次期IWC議長が「捕鯨の未来」を語っているhttp://mainichi.jp/articles/20161124/ddm/004/070/014000c
曰く、日本は、モラトリアム以降、モラトリアムの法的な解釈をしたり、調査捕鯨で科学的データを積み上げ、日本文化を理解してもらおうとしてきた。しかし、強硬な反捕鯨国は、法律や文化とは関係なく、「1頭たりともクジラを捕らせない」と主張しています。
だって反捕鯨は捕鯨に反対しているということであるだけで、だからこそ「対話」と「合意形成」が求められているのではないのか。非難するだけでは「子供のけんか」レベル。それを「法律や文化とは関係なく」とさりげなく付け加えて、告げ口するようないつもの森下節をそのまま書く、いつもながらの劣化した国内メディア記事にため息。
もちろん、今回の北西太平洋の調査捕鯨にも、南極での調査捕鯨の問題にも触れていないでうわべのきれいごとだけ。

 さて、彼はますます、都合の良いところだけを切り取って使うのがうまくなってきている。「議長は自国の代表団の代弁をするようなことは許されない」と言いつつも、片方では「単に事務的な手続きを流すだけでなく、何らかのイニシアチブや(!!)展開、進展を見せるよう努力していきたい」と本音も出している。
議長は2年任期なので、次回(2018年の総会)で役目を果たせばいいことになる。「議長に置いとく方が少しは大人しいのではないの?」という楽観的な意見も聞いたが、ここは要注意。先ほどの引用から行くと、「中立」の意味がわかっているのか?と疑いたくなってしまう。

 今回議長を務めたスイスのブルーノ・マイニニさんは、実に見事な采配ぶりで、限られた時間内に必要事項全てをきちんと議論するように運営した。彼は、非常に冷静で客観的な判断のできる人で、そういえば2007年に日本が主催した「IWCの将来」の会合にも参加していた。
海外の方たちはともすると時間にルーズという先入観があったが、彼の時間厳守はまったく恐れ入るほどで、また、議論が膠着すると、対立するもの同士で必要な合意形成の場を設定させたので、無駄な議論はかなり減り、夜遅くまで不毛な議論が重ねられるということがなくなった。その分、私たちの意見発表の場も保証された(一度だけ、NGOの発言が中止させられたことがあった。鯨肉缶詰が日本から不正輸出入されてイギリスの保税倉庫にあるという話で(1缶25ドルもするらしい!)、その場の議論とは離れているという指摘に対しては不満や異論もあるかもしれない。一方で、あの場で発言するから解決するという類のものとも思われなかったが、その後どうなったのだろう)。

ついでだが、前回の科学委員会議長は日本の北門さんで、本会議での科学委員会の報告が通常の四分の一以下で、議事進行に貢献したのかもしれないが、議論がとても不活発になった記憶がある。確かに、報告書の何ページに書いてあると言われればそれまでだが、その場で読むことによって議論のきっかけができる。報告の短さについてはNGOの中でも評判が悪く、今回は、以前と同じように(そして2年分の)それぞれの議題、作業の報告が議長のフォルトゥナさん(イタリア)から行われた。

また、報告には含まれていなかったが、オホーツク海で見つかった新種「カラス」について、報告書の中にはツチクジラ猟の際に混獲されないように監視しているというようなことしか書かれていなかったので、詳しい人に尋ねてみた。日本政府による新たな調査は全くないそうで、生きた個体は見つかってなく、現在頭骨を使ってのDNA解析で最終的に新種であるかどうかということがいずれ発表されるということだ。日本政府の「保護すべきはする」という姿勢はどこ?

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