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2026年5月25日 (月)

広島で南極条約会議が開催された

 4月末に、Foe Japanのランディ・ヘルテンさんから、南極条約会議前の勉強会のお誘いがあり、zoomで参加した。Foe Japanは、南極・南大洋連合(ASOC)の構成メンバーの1団体で、これまでも南極の環境保全に関する活動に参加してきた。そういえば、以前に、そのような会合に参加したなあ、と思い出し、ブログをめくってみた。随分とうろ覚えでしかないが、CCMLAR(南極の海洋生物資源の保存に関する委員会)による海洋資源保全と海洋保護区の設置の話だった記憶している。特にオキアミの保全については興味深く、一番強烈に印象に残っているのはノルウェーが養殖サーモンの餌として利用しており、巨大バキュームのようなもので一気にオキアミを吸い込むという話。その時の報告は下記リンクで。

http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-5f51.html

 CCAMLRは南極条約の実行機関なのだが、その本体の第48回南極条約会議が広島で開催される事になり、その課題について色々と教えてもらった。南極条約は、南極地域の平和的利用、国際協力を旨とし、核兵器の利用放射性廃棄物の処分の禁止を基本原則とし、同地域を国境のない平和な理想郷とすることを目標とし、 1959年に採択された。核兵器の廃絶を掲げる広島市の理念と合致するところから、32年ぶりの同条約開催となったのだ。(参考:広島市特設サイト<https://nankyoku-hiroshima.com/>)

 折しも、国際的な情勢が不安定ななか、核利用の脅しをかける国さえあり、核不拡散条約が十分な成果をあげないまま終了したいま、世界の財産と言える平和な南極を守ることは重要に思える。

 しかし、残念ながら、国内での認知度は高くないし、メディア報道もほぼないことが残念でならない。

 今回の会議では、平和、科学、教育、そして「環境保護に関する南極条約議定書(南極環境保護議定書)」が35周年を迎えることに大きな焦点が当てられた一方で、気候変動、海洋プラスチック汚染、漁業活動の拡大などによる南極の生態 系の危機に対して、各国政府がどのように立ち向かうのかが問われる会議だった。気候変動の結果としての氷の減少により、IUCNが絶滅危惧種に指定したコウテイペンギンを、条約で特別保護種に指定しようという提案は残念ながら見送られた。南極の海氷の減少を当該海域だけでなく、地球規模の危機と捉え、気候変動枠組条約等と連携し、早急に二酸化炭素の削減を進めなければならないのに。(日本政府は、脱炭素化にきちんとした対策を取るつもりがないのに腹が立つ)

また、地球規模の炭素循環において重要な役割を担うオキアミもまた、氷河や海氷の変化に加だけでなく、漁業の影響も相変わらず大きい。日本では直接的な利用ではないが、国内で消費されている輸入サーモンの餌がナンキョクオキアミであることをもっと宣伝する必要がある。

 次回は韓国の仁川で開催される。注目していきたい。

南極におけるオーバーツーリズムも課題になっている。対策の枠組みはできているものの、対策に有効な法的な拘束力はまだない。たまたま、今日の毎日朝刊に、南極旅行に関する記事が出ていた。旅行業界が自主規制をしているそうだが、年間12万人もの訪問者がいると言うことに、驚いてしまった。南極への興味が、珍しい自然へのアクセスだけでなく、その自然を守る方向に行ってほしいと思う。

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