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2024年5月10日 (金)

ナガスクジラの捕獲、なぜ??

政府が休み明けの9日に資源管理方針の一部を変更すると発表した。ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラに加え、ナガスクジラを商業捕鯨の対象に付け加えるのだそうだ。

 ナガスを捕獲したいという話は以前から出ていて、何しろ重さで言えばミンククジラの5トンに比べるとその8倍の40トンにもなるので、肉を得る上では効率が良いクジラだ。地球上で一番大きなシロナガスクジラに次ぐ大きさを持っているので、商業捕鯨全盛期にはシロナガスクジラの激減で捕獲できなくなると次に狙われた。20世紀における商業捕鯨によって捕獲されたクジラたちは少なくとも290万頭と言われ、その多くがナガスクジラとマッコウクジラだったとNATUREに書かれている。

https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v12/n6/20%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E7%9C%9F%E3%81%AE%E6%8D%95%E9%AF%A8%E9%A0%AD%E6%95%B0/63802

世界自然保護連合が毎年更新している野生生物のレッドリストでは、回復傾向にあるとはいえ、まだ「危急種」だ。報道では、政府は「北半球のナガスクジラは豊富だ」と主張しているが、どのように’豊富’なのかは、政府関係の資料等を見ても全く出てこない。政府が’大丈夫’といって大丈夫なことがこれまであっただろうか?原発?災害対策?貧困対策?ああ。あれか、政治倫理とマイナカード。どれをとっても「大丈夫」だなんていってほしくないものだし、報道する側だってそういう問題についてはかなり批判的に書いているのでは?クジラについてもメディアたちは、ちゃんとその根拠を聞いて書いて欲しいものだ。

許可の根拠はむしろ一部議員などによる圧力かもしれないし、また、もともと経営が危ういのに新しい船を建造した捕鯨会社(加害漁業協力財団からの借金で利息はゼロ)の立て直し、あるいは総額51億円という捕鯨関連の補助金への後ろめたさからかもしれない。

けれども、現在の鯨肉需要はかつてのようではないにもかかわらず、海外から鯨肉を輸入したりして今でも余剰があるのに新しい捕獲対象を付け加える理由はどこにもない。

この件については形ばかりのパブコメを実施するそうなので、ダメ元でも「ダメ、絶対ダメ!」と意見を送って欲しいものです。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550003913&Mode=0

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