IWC,コガシラネズミイルカの絶滅警告
この8月6日、IWCは初の絶滅警告をコガシラネズミイルカに出した。
https://iwc.int/en/
コガシラネズミイルカは、カリフォルニア湾北部の、メキシコにのみ生息する2mにも満たない小型のイルカである。IWCによると、このイルカは1997年に570頭いたと思われているが、2018年には10頭しか確認できなくなった。原因は、同じ海域に生息しているこれも絶滅の恐れのあるトトアバという魚を漁獲するための刺し網による混獲である。トトアバは、コガシラネズミイルカとほぼ同じ大きさで、生息海域も同じくしているが、この魚の浮き袋が中国では高級食材、あるいは薬として珍重され、異常な高値がついている。
メキシコ政府は、2005年から、刺し網による代替漁法の奨励や生息海域の一部保護など、保護策を講じてきた。にもかかわらず、コガシラネズミイルカの混獲はおさまらず、生息数が増えることがない状態である。
IWCにおいても、この問題は毎回取り上げられ、早急な問題解決をメキシコ政府に求める決議を繰り返してきたが、刺し網によるトトアバ漁は継続し、密漁も横行(その金額の大きさから麻薬取引と比べられることも)、代替漁法は一向に進んでいない。
IWCは、トトアバの違法な国際取引が問題解決の壁となっていることを指摘し、直ちに、刺し網を100%他の漁法に変えない限り、絶滅は目前だと警告している。
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