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2023年4月26日 (水)

備忘録ーIKANの参加したIWC本会議 5

2014

<IWC65回会議 ポルトルージュ・スロベニア>

○会議の内容

・ジェニーン・コンプトンーアントワンさんは、IWCで初の女性議長。カリブ諸島のセント・ルシア出身。

・科学委員会の今回議長は、東洋海洋大学の北門利秀さん。要領よく、端的(すぎる?)に科学委員会2年分の会合内容を解説。2013年、北西太平洋のミンククジラ(コモンミンク)の資源評価が終わり、2015年にはそのプロセスが終了と紹介。

・先住民生存捕鯨の議論で、前回の増枠の否決の後、内部的な協議が行われ、デンマーク政府とEUの共同提案による決議案(先住民生存捕鯨の尊重と管理の明確化)をパッケージで提出、コンセンサスでの採択を目指し、前回同様の対立の末、最終的に投票にかけられ採択された。

・南大西洋サンクチュアリ 今回はアフリカの関係国との協議をへて、合意文書「モンテビデオ宣言」が出されたことを報告し、コンセンサスを求めるも、捕鯨推進派の反対の声がおさまらず。

・日本の小型沿岸捕鯨に関し、日本は北西太平洋のミンククジラのRMP評価が終了した結果の捕獲枠17頭を持ち出した。しかし、調査捕鯨で実施している数と、混獲は勘定に入っていない。もはや、意地としか思えない提案。

・オーストラリアがRMPの枠の算出は8つのステップのうちの3つ目で、未完成と発言。日本(森下さん)は、もし8つのステップを踏んだら認めるのか?と質問した。日本としては、どうせ、過程を経て提案したとしても、反対するんでしょ?と念押ししたかったのかもしれない。

・モナコが再び、小型鯨類の国際管理を訴えた。決議案は採択された。

・食料安全保障の提案 飢餓の撲滅のためクジラも他の水産物同様利用対象に、という提案(2022年段階でまだ議論中)

・この年、3月31日に、オーストラリアが国際司法裁判所に提訴したJARPAIIの訴訟で日本は敗訴し、停止の判決が出たところから、、特別許可の是非を科学委員会のアドバイスの元で本会議で議論しようというニュージーランド提案。(日本はこれを『引き伸ばし提案』などと呼ぶ)。日本は、ICJの判決は日本とオーストラリア、ニュージーラド間の話だから、IWCの枠組みに拡大するべきではないとし、一方、南アメリカ諸国は、致死的調査を容認する可能性から、より厳しい内容を求め、まとまらない。

・日本は判決を受け、新たな調査計画を策定するとしている。

* ついでだが、日本政府は、このICJ判決で負けたところから、IWC脱退を画策し始めたということだ。振り返ってみれば、日本の沿岸小型捕鯨の提案のチャランポランさなど、それらしい兆候はあったはずだ。しかし、私たちは、調査捕鯨による業者救済が確かだったため、脱退しようとしているのに気が付かなかった!

・副議長を務めたベルギー代表が急病で帰国し、その後亡くなったことを受け、急遽次期議長の選出が行われ、議長は、ブルーノ・マイニニ氏、副議長は森下氏に決まった。

○ IKANの活動

・ 「調査捕鯨は税金の無駄遣い」というパンフレットを配布

2016

<IWC66回会議 ポルトルージュ・スロベニア>

○ 会議の内容

・激しい対立議論を禁止されてから、会議の受け入れ国に立候補するところがない。スロベニアが親切にも手を差し伸べてくれてまたしても開催地はスロベニア。もう、本拠地をスロベニアにしちゃったら?という声が聞こえるくらい。

・先住民生存捕鯨のWSで講演したアラスカ大学の政治科学者ドロー氏が先住民の権利についてレクチャー。このところ、国際会議での先住民の権利を評価し、その考え方に学ぼうという意向が強く決議などに反映されている。しかし、IWCではすでに先住民に対する捕鯨の管理は認められている。揉めているのは、その考え方に異を唱えるのではなく、枠の設定とこの時は違反に対しての合意形成なのだが。もっとも、枠の設定をIWCという機関が行うことそのものの束縛感が強いことが根底にあるのも確かだ。

・森下交渉間が2つのIWCを提唱。捕鯨推進は沿岸捕鯨や食料安保について検討し、反捕鯨はクジラ保全や環境、動物福祉を担当すればいい、と。

○ IKANの活動

・先にリリースした「日本政府の真北西太平洋鯨類捕獲調査計画(NEWREP-NP)の撤回を」という国内団体による共同声明を、NGO発言の機会をもらって発言。特に道東での起床個体群の捕獲への懸念を訴えた。

・ 23.7g改訂版を作成して配布。

 

2018

<IWC67 フロリアノポリス・ブラジル>

○ 会議の内容

・2000年から繰り返し提案してきた南大西洋サンクチュアリの成立を願って、満を辞してブラジル政府が主催したIWCだが、残念ながらその願いは叶わなかった。

・一方で、2006年のセントキッツ宣言に対抗し、クジラの非致死的利用と保全を訴える「フロレアノポリス宣言」が採択された。

・日本は、資源の安定しているクジラに捕獲枠を設ける附表修正と、保全委員会(日本的には保存委員会)に対抗した捕鯨委員会の設立提案。前回の森下提案の具体化した提案で、「これまで機能してこなかった管理機関としてのIWCの役割を果たすため、パッケージで提案。否決。これまでの議論から、なぜ絶対通らないような提案をしたのか?と幾つもの国が首を傾げるような提案だったが・・・・

* 採決後、谷合農水副大臣が「共存する可能性がないなら、あらゆる選択肢を考えざるを得ない」と。オオカミ少年かと思いきや、年末ギリギリに脱退が表明された。

○IKANの活動

・「日本のIWC改革案に反対する」というパンフレットを配布。

・ パンフの中身に沿って、再びNGO発言の機会をもらった。

・ 調査捕鯨による手厚い業者支援があってこそ継続してきた捕鯨に関して、まさか脱退して排他的経済水域内のみで商業捕鯨を再開するとは考えても見なかったことは残念なことだった。

・ 脱退後、毎日、中日・東京、北海道新聞、デイリー東北などから取材を受け、日本にとってのデメリットについて強調するも、国内ではさらに無関心が広がっている。

 

2021

<IWCバーチャル会合>

・コロナのパンデミックの中、いくつもの国際会議と同様に、IWCもオンラインでの会合を持ち、IWCの課題の1つとも言える、予算に関して、次の本会議までのつなぎ予算を決定した。日本という大きな資金源を失ったこともあり、今後の予算編成に真剣な議論があった。途上国から、パンデミック下での経済的な困窮を抱える現状から、分担金支払いが不能な場合の参加と議決権についての検討を行い、次回会議で結論を出すことも決まった。

・脱退後初会合には、森下丈治x諸貫秀樹氏の他に外務省漁業室長、政府系NGOの自然資源保存協会が参加した。

・IWCの発足から75年の節目にあって、国際NGO50余によるオンラインイベントが開催された。

 

2022 

<IWC68回会議 ポルトルージュ・スロベニア>

○本会議内容

・4年ぶりの対面会議が、3度スロベニアのポルトルージュで開催された。

・冒頭から、会議運営のための資金問題。なんと、締約国の84カ国のうち32カ国(捕鯨支持国)が少なくとも3年以上の滞納状態だ。これに対して、捕鯨支持側はIWCが経済的に破綻しているとしながら、一方で分担金を支払っていない国も投票権を与えられるべきと主張している。議論の末、2010,2011,2012年の滞納国は投票権を今回限り与えられるが、それ以前からの滞納国は投票権はなし。

・IWCの効果的な運営についての作業部会(WG-OE)の報告と議論。予算改革の議論では、3つの選択肢が検討された。1。赤字予算解消のため予算を減らす、2。予算を減らしつつ、締約国の分担金を増やす。3。締約国の分担金を図学して赤字を解消する。最終的な結論は、予算を減らしつつ、分担金の少ない途上国への負担は行わない形での締約国の分担金を増やすことで決着。

・投票権をめぐって、2010年より前から分担金を滞納している国の権利が失われたことや、捕鯨推進での参加国が少ないことから、附表修正(4分の3の票獲得)でのの可能性が大きくなった。そのことに危機感を抱いた捕鯨推進国は、傍聴参加の日本も含め、会議室から雲隠れして投票成立の必要な定足数を割ることに成功。南大西洋サンクチュアリの投票が阻害された。

・会議の構造的な改革で検討されていた管理委員会についてははっきりした結論は出ず。

・韓国が、捕鯨反対の立場を鮮明にする。国内世論を受けた転換。

・次回本会議はペルー、科学委員会はスロベニアとアンティグアで開催される。

○IKANの活動

・2日目のランチタイムに、捕鯨実施国の反捕鯨NGOの記者会見。しかし、今回会議での記者参加はほぼゼロに等しく、あまり効果はなかった。

・EIAのジェニファー・ロンズデールさんが、過去の貢献を称えてAWI(動物福祉研究所)からシュバイツアー・メダルを受賞。これは、1981年に、アルベルト・シュバイツアー博士が、動物の福祉に貢献した人に送ることをAWIに許可したもの。

 

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