シャチ捕獲から26年たった
予報通り、雪が降っている。うちの荒れた裏庭も、白く綺麗に装っている。屋根のあることに、再び感謝。シリアとトルコには雪の中、屋根のない人たちがたくさん・・・・・
しかし、2月10日には、多分私くらいしか書かない過去の事件がある。
10頭のシャチが和歌山県の太地で追い込まれたのは1997年の2月7日。追い込みに使われる畠尻湾の隣の湾に仕切り網で閉じ込められたシャチたちは、灯されたあかりの中、静かに浮かんでおり、一頭の子どもは、お母さんと思われる大人メスにピッタリとくっついているのがわかった。
10頭の群れのうちの5頭の選別は、10日の早朝に始まった。春が始まったかと思われるくらい、穏やかで日差しの明るい日だったのを覚えている。
まだ若いメスと思われる2頭の個体が選別されてクレーンで釣り上げられ、トラックですぐ横にある、くじらの博物館にいれられた。次に釣り上げられた若い個体はのちにアドベンチャーワールドに運ばれたオスだと言うことが後になってわかった。
浜にあげられ、捕獲作業の間中、甲高い鳴き声をあげていたまだ幼い個体と普通は選別されないほど大きなメスが仕切りのこちらにおり、大きな背びれを持つオスと、捕獲時には子どもに寄り添っていた大きな大人メス、それよりもいくらか若いと思われる3頭が外側の仕切りに押し込められていた。大きな大人メスが、仕切り網を押して、赤ちゃんシャチの声に反応している。
浜では焚き火を囲んで地元の人たちが談笑しており、そのうちのウエットスーツを着た漁師らしい男が、火を囲む女性たちに、誇らしげに「イルカに乗った少年」と叫び、無常にもその大きなメスの背中に乗る。シャチたちは、それに対しては反応もしない。思い出すたびに、記憶はまるで古い映画のようになってくる。
シャチ捕獲に関してはこのブログに再々書いたので、以下を参照してください。
http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/index.html
http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_7f6b.html
http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_f20d.html
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