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2022年10月20日 (木)

IWC68 本会議1日目

10月17日、4年ぶりの対面会議がはじまった。

議長の挨拶の後、お定まりの開催国挨拶があり、スロベニアの外務大臣、環境空閑計画大臣、ピラン市長が英語で挨拶。それぞれが、環境に関連する懸念事項などを話されたが、話題の中で、私たちが宿泊しているマリンバイオロジーセンターが海洋環境保全の拠点だということが出てきてちょっと感動した。

日本ではIWCが破産するとかで盛り上がっているみたいだが、(財政は苦しいのは確かだが)、組織を支えようと思っている人たちの努力も見ていってほしい。

開会の宣言と議事採択が滞りなくおわり、最初に話題となったのは、財運の報告の中での投票権の変更。国際的なコロナの流行と途上国をはじめとする参加国の懐具合などを勘案し、今回に限り、3年間(2019,2020、2021)の滞納国も投票権が与えられることになった。8カ国がそれに相当。

ちなみに18日現在の参加国は54カ国で投票権のない国が6カ国ある。

議長が会議を進める際に、会場発言に際し、参加国、非参加国(日本)、国際組織、そしてNGOといちいち丁寧に聞いている所がいい感じだった。日本は参加国発言の次に、発言の機会が与えられている。

そのあとの科学委員会報告は、とても良くできたパワーポイントプレゼンテーションで行われた。科学委員会は毎年行われるので、その4年間の蓄積を新・旧の議長が説明にあたった。組織の構造や担当する内容から始まり、実際の進み具合や問題点など、私にもすごく理解しやすいものだった。続く保全委員会も、科学委員会ほどではないにしてもなかなか頑張って造られたPPTの発表で、こうした新しい試みは、4年間の中で、いかに良く運営していくかという試行錯誤の結果だと思うが、こうした影の努力への評価があっていいな、と思った。残念ながら、今回は日本だけでなく、メディアが非常に少なく、開催前の朝日の記事が唯一か。

2003年にベルリンで大きな論議の末に生まれた保全委員会だが、世界的なクジラへの視線の変化を受けてその必要性が増し、課題も増え続けているが、一方でなかなかの存在感を持つようになったと実感する。またこの10数年苦労して組織を育ててきたメキシコの代表ロレンツオさんが任期を終えて、副議長のイギリスのキャット・ベルさんが議長に就任し、アルゼンチン代表のミゲル・イグレシアスさんが副議長となった。

1日目最後にはIWCの将来を考えて財政運営委員会の下部組織として2019年に作られたWG-OE(効果的な運営のための作業部会)の報告があり、予算やガバナンスといったIWCの構造的な改革についての考え方が示された。

オブザーバーとして参加の日本政府は水産庁4人(森下海洋大教授含む)、外務省2人、法務省2人という陣容だが、他に鯨研の2人がGGTとして参加している。

 

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