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2022年5月17日 (火)

鯨の肉がペットフードに

  プレスリリース

「 鯨肉消費あがらず ペットフードにまで・・・」

 

3年越しで続くコロナ禍による経済の停滞に追い討ちをかけるようにロシアのウクライナ侵攻が私たちの暮らしに影を落としています。そんな最中に、政府はさまざまな問題を含む2022年予算案を閣議決定しました。その中に、今年度も捕鯨に関する予算およそ51億円が組まれていることは非常に残念です。

4年前の20181228日、当時の官房長官、菅義偉氏は日本が国際捕鯨委員会を脱退し、商業捕鯨を開始すると発表しました。そして翌年7月、大型の母船式捕鯨会社1社と沿岸の小型捕鯨業4社が商業捕鯨を開始しました。

しかし、それぞれの企業体の必死の努力に関わらず、減少した鯨肉需要は戻らず、在庫は積み上がり、捕鯨産業はもはや政府の支援なしで自立するのは難しいことが明らかになっていますが、一方で政府は、補助金による捕鯨業支援は打ちきる予定であるとしています。

母船式捕鯨を行う共同船舶は、母船の老朽化のため、新たな船の建造を計画するほかありません。新造船にかかる費用は、一部下関市が持つほか、クラウドファンディングでの調達に期待していますが、現状を考えると捕鯨船としての利用だけでは無理があるように見えます。

こうした現状を打開するため、業者はこれまで学校や医療機関への大幅な値引き販売、飲食店への直販、鯨肉の風味を良くするための加工方法の変更、鯨脂アイスや鯨肉タルタルなど新商品の開発に励んでいますが、生鯨肉の売れ行きが比較的好調なのに比べ、冷凍肉の需要は依然として低く、鯨肉はペットフードに行き着くことにもなったようです。

202111月の日本のペットフード市場の分析では、イワシクジラ、ミンククジラ、ナガスクジラを原料とする61種類の加工品、冷凍品、フリーズドライ品、製品を製造・販売する日本企業が34社あることが判明しました。

50以上の製品が犬を対象としており(生肉、パウチ入り加工肉、乾燥ジャーキー、フレーク、ビスケット、フリーズドライのキューブなど)、さらに10製品が猫またはその両方を対象としていました。また、鯨の脂身を原料としたオメガ3サプリメントも販売されています。

これに対してIKANは「日本は、捕鯨が伝統的な産業だと主張し、商業捕鯨を再開しましたが、ペットフードの利用は明らかに伝統とは言えません。アイスランドやノルウェーにおいても鯨肉の需要は減少し、遠からず商業捕鯨から撤退することが推測できる中、このような無理な利用までして商業捕鯨を継続するのは間違いです。さらに食の変化だけではなく、海洋環境の悪化による様々な影響が国際的な懸念となっている今、商業捕鯨という選択を再考し、これまで注がれてきた努力を海洋環境の健全化に集中し、その実りとしての水産業の発展に切り替えるべきではないでしょうか」と述べています。

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