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2021年9月25日 (土)

3。違反の是正は

翌日は水族館用の選別が行われたのち、解体が始まった。最初に駆けつけたIKANの事務局メンバーは、初日の選別の模様を撮影したのち引き上げてしまったため、この日のビデオ撮影は、前夜遅くに急遽お願いしたアニマルライツセンターの故川口進さんが行った。オイコス発刊当時に、彼が同じく亡くなったALIVE(当時はJAVA)野上ふさ子さんとともに事務所を訪れ、意見交換をした経緯から、雑誌に執筆してもらうなどして交流があったのだ。川口さんは、アニマルライツセンターでの活動でこういう場合に何をすべきかをよく知っており、現地での彼のアドバイスで、マスコミへの通知とともに富戸漁協に対し、違反操業を直ちにやめるよう申し入れ書をファックスで行った。

しかし、この申し入れは無視され、解体が開始されたので、続いて県、水産庁、イルカを搬入した水族館宛に、操業の中止とともに、網内にいるイルカと水族館に搬入されたイルカの解放を求めるファックス申入書を送った。また、水産庁に対しては、許可されていないオキゴンドウ の捕獲に関して証拠となる写真を送り、しかるべき対応を求めた。

静岡県の担当者との話し合いを事務局メンバーが行い、県の担当者がその時にはゴンドウ捕獲を知っていること(マゴンドウが5頭混じっていたのでそれはリリースするよう指導した)と漁協との連絡は行っているものの、遠隔地なので立ち合いは難しいというような返事をもらったようだ。当初県が受けた報告では、生け捕りと解体で37頭なのであと40頭の解体が予定されているという。しかし、すでにこの時には、オキゴンドウ の水族館捕獲6頭に加え、かなりの数のバンドウイルカと数頭のオキゴンドウ の解体が行われていた。

 私は応援部隊として水産庁対応を担当するよう求められ、当時まだ存在した水産庁沿岸課の西嵜氏と繰り返し折衝することになった。捕獲現場での写真により、オキゴンドウ の捕獲と補殺の生々しいビデオと写真を持って行き、違反行為の是正を求めた。県担当者は、弱って動けないゴンドウを解体したという報告を受けたと主張したが、実際は、港のとっつきにある解体用の小屋が壊れるくらい激しく暴れた個体もビデオに写っており、漁協からの報告は信用ならないものだった。第三者の監視を受けるという経験がない中で、かなり乱暴なことをやったのではないかと思われ、県だけでなく水産庁の監督責任を問うしかないと考えていた。これまで関係のあった動物保護団体を中心に、抗議のファックスや電話をお願いした。マスコミの取材も入ってきていた。

夕方、水産庁より、湾内に残っている100頭あまりのイルカが解放されるという知らせを受けた。

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