« 2020年9月 | トップページ | 2021年1月 »

2020年10月 1日 (木)

伊豆、富戸でイルカ猟開始?

9月29日静岡新聞によると、いとう漁協・富戸支部が、今日、10月1日からイルカ猟を開始予定だということだ。

 

「イルカ漁、今季も実施へ 早期の探索で捕獲目指す いとう漁協

(2020/9/29 11:47)

 「伝統漁法『イルカ追い込み漁』を静岡県内で唯一継承するいとう漁協(伊東市)は28日、再開を表明した昨季に引き続き、今季も漁を実施する意向を明らかにした。漁期は10月1日~来年3月31日。水族館などで展示・飼育するための「生体捕獲」に限定した上で2004年以来の捕獲を目指す。」

9月初め頃は、まだ準備もしていない様子ではあったが、一応、今年度の事業としては挙げられているようだ。

水産庁による捕獲枠は、水族館に販売する主目的のバンドウイルカが24頭、カマイルカが26頭、オキゴンドウが7頭だが、このところ、バンドウイルカの移動時期が海流のためか変化しているようなので、昨年と同じように捕獲は難しいのではないかと期待している。

世界の潮流は、鯨類飼育反対の動きになって久しい。実際、2015年に伊豆半島のジオパーク認定に際して、イルカの追込みを行わないことが理由の一つにされていた。しかし、日本の水族館はまだイルカによる集客にこだわっており、そのために追込みによる捕獲個体の飼育を禁止する日本動物園水族館協会から脱退するところさえある始末。

今更だが、伊豆地方で乱獲で廃業を余儀なくされた漁協が複数あることからイルカの追込みのやり方はもちろん、狭い人工的な施設(中には海水浴場の一部を仕切るところもあるようだが)での飼育は野生動物の福祉の観点から大きな問題がある。イルカの好きな子供たちが、この事実を知らされないで、水族館などで見て喜ぶことが教育的であるはずがない。

たまたま、昨日、フランスで、イルカを含動物の娯楽目的での飼育を段階的に禁止するという表明がニュースになっており、これからは新たに鯨類を購入できなくなる模様である。

https://www.afpbb.com/articles/-/3307184

また、中国からアイスランドに移動して、サンクチュアリに入れられ、最終的に医療用のプールから広い湾内に放されたた2頭のベルーガのニュースも数日前にあったと記憶する。

https://belugasanctuary.sealifetrust.org/en/

イルカ猟師の人たちも、水族館も、需要があるからイルカを捕まえようとする。辞めさせる一番の力は、イルカのショーも飼育も拒否する市民の行動だと思う。

 

« 2020年9月 | トップページ | 2021年1月 »