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2020年2月27日 (木)

海の生物の混獲について

知り合いの記者の方から、EUの環境・漁業担当相によるイルカ類を含む海の生物の混獲を回避するため、声明が出たことを教えていただいた。

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/STATEMENT_20_328?fbclid=IwAR1vqliA41qlgAZm9hwygI5dP1g1rTr0v5ZPI-xf9K4rGL84yjx0GPBHCEc

意図的な捕獲ではない、漁網などによる混獲によって死亡するたくさんの生物についての懸念は今に始まったことではなくて、
IWCにおいても、繰り返し混獲問題は保全委員会の活動をはじめ議題に上がっており、精力的なワークショップも開催されてきた。

確か2004年にイタリアのソレントで開催された IWCの際、ヨーロッパを中心としたグリーンピースの人たちが、ネズミイルカの死骸を会場近くに持ち込み、物議を醸したことが記憶にある。EUをあげて対処しようという試みが始まったのは、今更という向きもあるかもしれないが、ないよりも10倍もいい。

翻って日本はどうか。日本の沿岸はいわゆる定置網で埋め尽くされているといっても過言ではない。特定の魚種を狙うのではなく、網に入る様々な魚を漁獲する網には、魚だけではなくイルカやクジラも多く入っている。

この日本沿岸の混獲に関する情報は、水産庁が、ヒゲクジラのみ公表している。例えば、2018年度では、ミンククジラ86頭、ザトウクジラ3頭、セミクジラ1頭が混獲され、3頭を除き、鯨肉として販売あるいは地元に配布されていることがわかる。都道府県での混獲はわかるものの、実際いつ、どこでどのクジラが混獲されかが分からない。

https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/w_document/index.html

一方でかつて日本鯨類研究所でストランディングレコードを更新してきた石川創氏が下関の鯨類研究室に移られてからは、昔のものも含め上がってくる情報について、年月日、場所、個体の詳細情報とその後の処理など丹念な報告を毎年更新されてきている。

http://whalelab.org/record2017.htm

残念ながら、石川氏は今年定年だということで、ストランディングデータは彼の退職とともになくなってしまう可能性が強く残念なことである。

定置網という漁法は、入ってきた魚は漁業者のものだ。クジラに関しては、定置網などへの損害を穴埋めするという名目で、DNAの登録をすれば販売が可能になった。地域によっては、かなり定期的な売り上げ品目になっているところもあるかもしれない。

鯨類混獲については、日本はまた別の法規が使われているため、混獲回避措置は当分考えられそうもない。

 

2020年2月11日 (火)

イワシクジラ /CITESに関する溝(2)


<参考*12月2日IKAN返信>
    今回につきましては、私どもと、高屋さまの立場が隔たっていることから、解釈も異なっているのだと思います。
    また、そのことが「誤誘導」であるという風には考えることはできませんでした。もし異なる意見を反映させるとすれば
   「水産庁さんのご意見は以下でしたが、」という断り書きを入れたものを再送するのも1つの解決法とは思いますが、何分にも、
   弱小NGO の分際、再度の送料負担は難しい状態ではあることをご理解ください。
ただ、苦情をそちらに送られたお店をお教え
   いただければ、そのお店にはご心配をおかけしたお詫びとともにこちらの立場のご説明をお送りしようと思いますので
   お手数ですが、お教えくださいませ。 
  貴庁hpには、イワシクジラの流通に関して
   「同勧告は、本年度のものも含めすでに国内に存在しているイワシクジラ製品の流通や消費については触れておらず、

    日本政府としても、これらを規制するものではございません」
    とありますが、これは2018年会議の前年のものの解釈であると私どもは考えておりました。
ですから今だに多くのイワシクジラ肉の在庫があるところから、没収・焼却処分という措置を取られ
ないのであれば、責任ある政府としては、決議の留意としてせめて「在庫確認」を当然されると
考えておりました。

  それを間違いというのであれば、上記のお知らせを見る限り、まったく、今回決議に留意している
 とは私どもには考えられないのです。
また、お示しいただいたB案では、具体的にどのような対応措置
が今回求められているか分かりづらいのではないか、と思いました。
さらには、そのような見解に差し替え
 ることで、どのように調査結果が変わるかも理解できませんでした。
    以上の理由から、大変申し訳ないのですが、今回いただいたご提案に沿うことはできないことを

   ご了承いただきたいと思います。」



<水産庁からのメー>

12月5

  「貴殿の基本的な認識の誤りとして、日本政府がイワシ鯨製品の「没収・焼却処分という措置」を求められたと

   勘違いしていることがあげられます。日本政府が求められているのは持ち込まれたイワシクジラ製品の取扱い

  (treatment)を事務局に報告することであり、「没収・焼却処分という措置」は全く求められていません。

   貴殿は個人的にそのような措置を期待されているのかも知れませんが、「在庫確認」も含め、そのような措置は

   一切求められていません。

         CITES常設委員会における本件についての議論はネットで中継されており、貴殿はもちろんご覧になっていることと思います。
 
        また、水産庁や 外務省のプレスリリースにおいても、日本政府がイワシクジラ製品の取扱いに関する報告を求められたことが
 
        掲載されております。
        したがって、アンケートをする場合でも、事実に基づく説明を付すべきであり、事実と異なる個人的な解釈(期待)で流通業者

        を惑わすのは責任あるNGOの活動とは言えないでしょう。」

という返事が来た。もちろん、在庫の実態という言葉は使われてはいないが、業者に対して誤誘導になるとか、懸念を感じさせるという危惧は、結局会議の内容を業者が把握していないからではないのか、と思われた。

<参考:IKAN返信>

     「お返事が遅くなってすみません。もう一度、会議の議事録を見直し、よくよく考えていました。結果としては、申し訳ないですが立場は
  
       変わりません。
     まず2018年の委員会では、日本が公海から持ち込むことに関してCITES違反かどうかが議論され、違反であるという判断が下されました。
     今年、2019年の常設委員会では違反と判断された肉の流通に関して、問題があるかどうかという議論が行われ、会議の方向としては
 
    流通自体
問題があり、廃棄すべきではないか、という意見も大きかったことが読み取れます。その上で、日本政府が現在流通している

   鯨肉をどのように管理できるかということですから、実際の在庫を確認し、報告するということは手続き上
  当たり前のことではないかと
 
   考えます。
また、今年の会議の結果ついて、取扱業者の方々と議論内容を共有されているのであれば、こちらのハガキの文面での
 
   「誤誘導」という言葉は
当たりませんし、今更、業者の方が懸念を感じられることはないはずだと思います。」

 

しかし、よしんば「既に調査捕獲したイワシクジラ肉は存在しない」と報告するとしても、それは在庫の状況そのものではないのか。会議の内容と結論についてはお互いに異なる見解があるということだ。

じゃあ、何を報告するのだろうか。

 

<水産庁からのメール>


12月20日
  「
まず、同会議において、ワシントン条約事務局から、次の説明が行われています。

   ・「条約上,常設委員会の決定が遡及するとの規定はない」

  つまり、倉澤様が読み取られた「会議の方向としては流通自体問題があり、廃棄すべきではないか」という意見は、否定されています。

  今年の締約国会議における最終的な結論は、「日本に対し,来年開催される常設委員会(時期未定)

  の90日前までに,昨年10月の常設委員会の決定の前に国内に持ち込まれたイワシクジラの標本(鯨肉等)の取扱いについての報告を求め

   る」とする常設委員会議長から提示された決定案が採択されたことです

   決定事項は以上のとおりであり、「廃棄や在庫確認の報告」は求められていません。

   こうした議論や決定を無視して、ご自身の意見である「廃棄や在庫確認の報告」
決定された旨を主張されることは如何かと思います。」

 

こちらとしては、立場が違うとしか言いようがないのだが。

では、往復ハガキでのアンケートがどのようなものであったかをご覧いただこう。



**********************

「イワシクジラ肉製品の取り扱いについてのアンケート」

先般の台風 19 号は各地に思いもかけない大きな被害をもたらしましたが、皆様におかれましてはいかがで
したか?
早速ですが、貴店が取り扱われるイワシクジラ肉/脂身について、皆様のご意見を伺いたく、アンケートを
実施いたします。
ご存知のように、日本鯨類研究所が 2002 年から2018 年まで実施してきた北西太平洋における調査
捕鯨において、捕獲したイワシクジラを持ち込む行為がワシントン条約の違反に当たると条約会議で判断
されました。

また、先頃(2019 年 8 月)に行われた条約の常設会議において、この流通している肉及び加工品も条約
違反であることから没収を求める声が相次ぎ、日本政府は 2020 年の委員会までにその在庫の実態を把握
するよう要請を受けております。

私どもは、皆様がこの問題に対してどのような取り組みをされているか、また今後今後の扱いについて、
ご意見を伺いたいと考えております。

突然のお願いではありますが、よろしく返信ハガキにお書きいただき、お送りくださいますようお願い
します。

<質問>
質問1 イワシクジラ製品を取り扱ったことがある、

または扱っている(Yes/No)
Yes のかた: 回 kg 程度

質問2 ワシントン条約常設委員会での 2018 年と
2019 年の議論について(いずれも知っていた/知ら
なかった 2018/2019 年について知っていた)

質問3 今後、イワシクジラ肉を取り扱う予定があり
ますか?(Yes/No)

(Yes のかた:調査捕鯨で捕獲されたものと EEZ
内のイワシクジラの区別をしますか?できると思い
ますか?)

○ この件に関してご意見があればお書きください。
***********************

こちらの行った在庫確認が僭越だと思われたのかもしれないが、何かを誘導しようという意図ではないのは明らかだ。

「要されている」という言報告では使っていないのは事実だ。しかし、反とされた流通していることをんどの国がったことと認識しており、さらには多くが没収すべということを主張しの用となるが、

  条約事務局は、没収が遡及適用になるか否かは非常に複雑で法的な問題になるとコメントするとともに、

   ナイジェリアから中国への材木の輸出、ペルーから米国へのマホガニーの輸出についてどうであったかと

   いった過去の前例を調べるなど注意深く検討する必要があると発言した。(前述:真田「イワシクジラは何処へ行った」)

結果として長が仲介し、回まで問題が持され、だからこそ報告が必要となったのだ。しかし、今回のことでも日本政府の持する立場が明らかになったわけで、年行われる委員会の行にかかるところだ。

2020年2月 2日 (日)

イワシクジラ/CITESに関する溝

昨年末に急遽作って発送したニュースに、とんでもない間違いがありました。
1月9日に、当の本人である「高屋繁樹」氏からお怒りのメールをいただき、その謝罪を込めたニュースをブログで公表しようと思いました。ただ、さらなる不手際があってはならないと思い、公開前に本人に送って承諾を得ようと考え、ブログの公開を送らせてきました。
ところが、謝罪が不十分だったのか、いまだにお返事をいただけていません。
謝罪は早いほうがいいので、とりあえず、ブログを公開し、何か問題があればさらに訂正しようと思っております。すみませんがよろしく。
以下が、承諾を得るために送った文章です。
「イワシクジラ/CITESに関する溝について」 
 1月9日(木)付で、水産庁捕鯨室長の高屋繁樹氏より、昨年末に作成したIKA-Net NEWS 75号掲載
 の同名記事における間違いについてのご指摘をいただいた。
 大変申し訳ないことに、高屋繁樹氏の肩書及び、名前の表記に間違いがあり、こちらの不手際によって
 ご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げたい。また、高屋氏からのメールの引用についても、
 IKANにとって必要な部分しか引用していないと、メールの引用の仕方が間違いだとの指摘を受けた。
 こちらとしては不当な切り取りをする意図は全くなかったのだが、高屋氏の真意が伝わっていないと
 思われたということについて、同じように謝罪したい。
 まずブログでその訂正文を掲載することにし、できるだけ早期に訂正ニュースを送付することにした。
 今後このような間違いを犯さないように早々身を引き締めていきたいと思っている。
 本当にすみませんでした。
以下本文::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


IKA-NET ニュ74 号では、康弘早稲による、8月開されたワシン条委員会におけるイワシクジラ報告掲載させていただいた。それをおみになったはおわかりとうが、昨年(2018)の同委員会では、調査捕鯨によって捕され、日本国に持まれたイワシクジラワシン条の「海からの持み」定に反するものだという判断され、勧告
れた。今回、調査捕鯨を
止したためにイワシクジラの捕はないという日本の返答があったが、会では、んどの国が、反で持まれた鯨の国内流通は同じく反であるとし、没収を要及して判断されないという日本政府との見と対立した。


 ::::::::::::::::::::::
  (引用ニュース74「イワクジラは何処へ行った?」)
  http://ika-net.jp/images/pdf_files/inn074-sanada.pdf

 「ニジェールは、本件が条約にとり極めて重要な問題であると考えていると前置きした上で、前回の常設委で

 非合法とされているものが現在 でも商業市場で売られていると指摘、これは全く受け入れることができず、

 条約第8条に基づき没収すべきであると主張した。EUもニジェールに同調、常設委が日本に対し条約第8条と決

 議17.8に基づきイワシクジラ肉と脂の没収と処分に関する全ての措置を事務局に特定の日時までに報告するよう

 要請すべきである、と発言した。ペルー、イスラエル、オーストラリア、アルゼンチン、米国もニジェールとEU

 の主張を支持、セネガルもイワシクジラ肉の没収を要求した。日本の取った措置が十分であるとして理解を示す

 発言を行ったのはロシア一カ国にとどまった。」

 

と、ロシア以外の国々が没収を要求したことに触れている。そして、

 

 「条約事務局は、没収が遡及適用になるか否かは非常に複雑で法的な問題になるとコメントするとともに、ナ

  ジェリアから中国への材木の輸出、ペルーから米国へのマホガニーの輸出についてどうであったかといった過去

  の前例を調べるなど注意深く検討する必要があると発言した。

  そこで Carolina Caceres 議長(カナダ)は、ここでこの問題に関して限られた時間の中で議論するのはhelpful

  とは思わないとし、常設委としては日本に対して前回の常設委員会前に商業目的で海から持ち込まれて鯨肉の管理

  と取り扱い(treatment)ついて情報を求める決定を行ってはどうか、との妥協案を提示した。

  これに対しEUは、多数の国は「没収」を求めている以上、この文言を含めるべきであると発言、ニジェールもEU

  の主張に同調した。そこで米国は双方が受け入れ可能なさらなる妥協案として、CITES決議17.8「違法に取引・没収

  されたCITES附属書掲載種標 本 の 処 分 (Disposal of illegally traded and confiscated specimens of CITES-listed

  species)」に留意するとの文言を挿入してはどうか、これであれば「没収」のことばが入っている、と提案、これが受

  け入れられることとなった。」

:::::::::::::::::::::::

こうした状況を踏まえ、この1113日、IKANは鯨肉を取り扱っていると思われる鮮魚店やスーパー、デパートなどに、イワシクジラの取り扱い状況についてのアンケートを送付した。それに関して、早速水産庁からメールをいただいた。それによると、アンケートは間違った情報で送付先の店舗を誤誘導するから訂正すべきというものだった。担当者(捕鯨室長 高屋繁樹氏)の「やりとりの改変なく掲載されることを否定はしません」という前提でのお許しを得て、一部引用させていただこう。


<水産庁からのメール>

  1129

  「  委員会の決定はあくまで、(違法に取引され没収された附属書掲載種の標本の処分に関する決議(Conf.17.8)に留意し、)次回常設委員

  会の90日前までに、 持ち込まれたイワシクジラの鯨肉等の取扱い(treatment)を事務局に報告することを日本政府に求めるものです。

  「在庫の実態を把握」 といった記載はありません。

   誤った情報で回答を誘導するのは不適切です。アンケート発出先へ内容に誤りがあったことを伝えてから回収を行うべきであり、 それが出

  来ない場合は、アンケートの中止、もしくはアンケート結果の利用を止めるのが、責任あるNGOとしての姿ではないでしょうか?」

 

それに対しては、常設委員会の方向に関わらず日本政府がイワシクジラ流通を是とする201810月10日お知らせをそのまま掲載していることを指摘し、立場の違いを指摘した。

https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/seiwhale.html

現在、勧告を踏まえて是正措置の内容を検討中ですが、同勧告は、本年度のものも含め、既に国内に存在している
 イワシクジラ製品の流通や消費については触れておらず、日本政府としても、これらを規制するものではございません。)

(続く)

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