商業捕鯨が
昨年のお約束通り、今日、7月1日から商業捕鯨が始まった。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/190701.html
捕獲するのは、ミンククジラ52頭(うち32頭が沿岸、20頭は母船式
で排他的経済水域内))とイワシクジラ25頭、ニタリクジラ150頭
(いずれも母船式)ということだ。
北海道新聞によると、操業期間は、「小型捕鯨船5隻は釧路沖で1週間、日帰り操業」し、
その後、千葉県南房総市や宮城県石巻市などの沿岸でツチクジラ漁を、9月に再び釧路港
に集まり、10月末まで共同でミンククジラを捕獲する計画だそうだ。
一方、「共同船舶による母船式捕鯨は下関を出港後、1カ月程度操業し、仙台で最初の
水揚げをする」のだそうだ。
今年春から6月に行ってきた沿岸調査の79頭分は枠から差し引いてあること、混獲
されたクジラに関して配慮されているというは不幸中の幸いではある。
ただし、枠は12月までなので、2020年にはどのような枠がつくのやら。
小型沿岸捕鯨に関しては、これまでも調査捕鯨でミンククジラを捕獲してきたことから
概ね捕獲の予想はできるかもしれない。
捕鯨船団は、下関から北上し、小笠原海域などでニタリクジラを捕獲すると言われて
いるが、さらに北に向かって、北海道でイワシクジラとミンククジラを探す予定なのだろうか?
これにかかる1ヶ月というのが対象種の捕獲を達成するのに十分なのかどうか
は私にはわからないが、これまでの供給分を担保するためにニタリクジラに結構大きな
枠が付いている。ニタリクジラは、四国沖でウォッチングの対象となっているクジラだ。
今後、捕鯨を続けるにあたってウォッチングとの関係はどうなのだろう?
また、ニタリクジラに混じっているカツオクジラと言う、ニタリクジラだと思われて
きたために、まだ未解明の種の混獲はどうやって防ぐのだろうか?
これまで公表されてこなかった、希少な日本海側個体群(北海道や太平洋側にも移動している)
の混獲情報は、公開されるのだろうか?
「100年安心な枠」だと水産庁が言っているとか、「未来永劫、クジラと付き合っていく」
と漁業者が言っている、とか新聞には書かれているが、あまりに都合良い話で、納得の
できるものではない。また、水産庁の監督官による監視も「厳重」と言えるのか?
電子機器でリアルタイムの情報が伝わる方法は取れないものか。
先週、水産庁に懸念事項を書いた質問書を持って行ったが、返事はしばらく来そうにない。
それにしても、久々に捕鯨班の部屋を覗いて、職員が倍くらいに増えているように見え、
驚いた。
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