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2019年6月17日 (月)

「野」に生きるものは「野」に、イルカは海に

富戸でイルカ捕獲を再開するというニュースが流れてきた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190616-00000008-at_s-l22

2004年以来、「やるぞ」と何度も言ってきたイルカ漁を今回はかなり具体的に実施する

方向で考えているようだ。

富戸でウォッチングをしている光海丸の石井泉さんが、2005年だか6年に、「これまで追い込みを

してきた湾で定置網漁を始めるので、イルカ追い込みはできなくなった」と言っていたのを聞いた覚えがあるが、

この定置網を取り外すのだろうか?

もともと富戸は、東京近郊で人気のダイビングスポットで、1996年にイルカ追い込みをした時は

複数のダイバーがなんとか助けて欲しいと連絡してきたことが発端だった。この時は、漁師たちは

まだ水産庁が枠を設定したことを知らされておらず(幹部は知っていた)、枠を大幅に超える

ハンドウイルカと、当時は枠がなかったオキゴンドウの群れを一網打尽に追い込み、私たちを

はじめとする市民の抗議で一部のイルカを解放した。また枠外であったオキゴンドウを買った水族館

に働きかけ、解放を勝ち取ったのだ。そのあと、実際の捕獲数が申告された数を超過し、さらには

オキゴンドウの捕殺も申告をかなり上回っていることが内部告発で明らかになった。その時の

領収書があるが、肉の売り先は太地だった。

その後、富戸漁協は伊東市漁協の傘下に入り、その売り上げは伊東市漁協の会計に入ると聞いた。

従って、追い込みをやっても漁師に手元には働きに比べてわずかな金額にしかならないため、

朝早くから操業し、燃油を消費するのには見合わないというような話も前述の石井さんから聞いている。

確かにこのところ太地では、イルカの生体販売でかなりの儲けが出ている。それを、

追い込み技術を伝えた本が指をくわえて見ているというのは悔しいのだろう。

浜値でおよそ100万円程度、馴致を終えればその5〜8倍の値がつくような動物を捕獲することに

食指が動くのは残念だが仕方ないことなのかもしれない。

また、管理の責任のある水産庁にしても、目的は産業が消え失せずに発展して欲しいわけで、

毎年取りきれないほどの数を「枠」と称して知事に渡すのがお仕事になってしまったように見える。

 

富戸周辺でのバンドウイルカの生息数はどうなっているのだろう?太地では捕獲したいがなかなか

こない状態があると聞くが、どうだろう?また、遺伝子の異なる南ハンドウイルカ

が御蔵島ではウォッチングやスイミングの相手として人気があるが、間違えて捕獲するなど

ないと良いのだが。

 

残酷なイメージがないというので批判が少ないのでは、というが、実際2004年の時に

現場(立ち入り禁止で厳重に組合員が監視しているので、近くの小高い丘で見た)に

足を運んだのだが、パニックになったイルカたちが互いに狭い仕切り網の中でぶつかり合う

ので、海は血に染まるし、その匂いが私のいるところまできた。また食肉用に販売ができないに

しても、地元関係者が食べる分は捕殺するだろうと思われる。

 

自然にいるイルカたちを見て喜ぶのではなく、群れと切り離され、人工的な施設で

曲芸をさせられるイルカたちを見て「可愛い」だの、「お利口」だの言っている人たち

(また夏になると特集をしたがるメディア)がなくならない限り、この悲惨な状態は終わらない。

さらには、犬吠埼に取り残されたイルカのように、「役に立たなく」なっていい加減に

放り出されるイルカたちが今後増えていくことも大きな懸念だ。

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