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2018年12月20日 (木)

IWC脱退?!

 北海道新聞がすっぱ抜き、既に幾つかのメディアが伝えていてご存知かもしれないが、日本はとうとうIWC脱退に舵を切ったようだ。
https://mainichi.jp/articles/20181220/k00/00m/010/077000c?fm=mnm

確かに、日新丸は老朽化して持ってもあと3年?と言われていたし、北西太平洋のイワシクジラはワシントン条約の「海からの持ち込み」違反で捕獲しても旨味がなくなってしまい、公海での捕鯨活動はメリットがなくなってはいた。
需要が縮小し、それほど経済的な重要性のない鯨肉確保に、「調査捕鯨」として、国の予算を注ぎ込み続けるのもやはり問題があるとすれば、撤退は当然の結果だと言える。また、これまで国際的な批判の多くが集中してきた公海での捕鯨活動の中止はそのものとしては歓迎すべきことではある。
しかし、撤退の’花道’が「IWCでは商業捕鯨できない。だから脱退」というのは交渉力の放棄であり、極めて身勝手なやり方ではないだろうか。

思えば、「IWC改革案」というコンセンサスが無理だと最初から分かっている提案を出したのは、国内勢力をまとめる方便であったか、と改めてあざとさに驚愕しているところだ。

このところ、業界紙を中心に、脱退の方向性を小出しにしつつ、様子見が行われてきた。それは、まだ調査捕鯨の利害にこだわる一部の業界等に対しての穏やかな引導だったのかもしれない。引き続き交渉が行われているらしいが、それも概ね決着がついてのメディア報道だろう。

それでは今後の問題はどうだろうか?今の所、沿岸調査で捕獲している頭数は80。そのままの頭数を捕獲してもいいのかどうかの検証が必要だが、さらに公海で捕獲してきたミンククジラ(南で333頭、北で43)そしてイワシクジラ134頭分の鯨肉を(需要が減少しているにしても)果たしてどのようにして供給するのか。減ったら減ったでいいというならいいが、今一番確実に捕獲できているオホーツクの捕獲頭数を増やすなど、希少なJーstockへの影響が懸念されるところだ。

アイスランドとノルウェーからの輸入を考えているのだろうか?
アイスランドの輸入肉は、IUCNがランクを一段下げたものの、危急種であるナガスクジラで、今季は2頭もシロナガスとのハイブリッドクジラを捕獲している(日本に肉は輸入されないものの、捕獲はされた)。

私たちの保全に向けた努力は必要だと思いつつ、国際的な監視の目が緩んでしまうことは避けたいと願っている。

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