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2018年11月 5日 (月)

IWC67会議報告−最終日

 最終日の最初は、科学委員会報告の続き。
科学委員会は毎年開催なので、来年、2019年は、ケニアが開催地として名乗りを上げた。
そのあと、オランダが小型鯨類の保全基金として25000ユーロを提供すると申し出る。

昨日の議事の続き、特別許可評価に関する作業部会について、日本とオーストラリアが協議し、作業部会報告を修正したものを議長サマリーに載せるが、同時に報告書に、日本に追加して反対する国々について、列挙することになり、議長がその名前を逐一読み上げた。
ノルウェー、マーシャルアイランド、セントルシア、アイスランド、ニカラグア、セントキッツ&ネビス、ソロモン、セントビンセント&グレナディン、セネガル、キリバス、コートジボワール、ツバル、スリナム、トーゴ、パラオ、アンティグア&バービューダ、サントメプリンシペ、カンボジア、リベリア、ギニア、ラオス。

最後は日本の提案するIWC の将来について。
決議と附表修正を一気に投票にかける。日本の意見としては、参加国はICRWに加盟しながら、持続的利用を否定する国があることが残念。日本の立場としては保護と利用が両立するものだという認識で、前に議論を進めたかったが、フロリアノポリス宣言の評決で共存する意思がないことが明らかである。
日本としては、(決議がたとえ成立しても効力を持たないので、附表の修正を行うことで実効性をもたせたいので)条約に則った決定を求めてパッケージとして全て含めた形で4分の3の評決を求める。

採決の結果、賛成は27カ国、反対が41カ国、棄権が2カ国で採択されなかった。
採決の後、農水副大臣がステートメント。
「日本はこれまで真剣に努力を重ねてきたのに真の問題解決に消極的な姿勢が見られたことが残念。IWCが資源管理機関という大義を確認するために提案してきたが、建設的な提案が反対する側からはなかった。日本としては引き続きグローバルガバナンスの場としてのIWCと協力していきたいが、共存する可能性がないなら、あらゆる選択肢を考えざるをえない」
そのあと、この言葉によって、すわ!日本が脱退!というような記事が出回った。

その後は、今回議事に出された報告書を次々と採択し、次期議長には副議長のスロベニア代表アンドレ・デヴィチ氏が、次期副議長にはアイスランドの推薦するギニアのディアロー氏が決まった。
科学委員会議長は、アメリカのロバート・フーダム氏、副議長はブラジルのアレックス・ゼルビニ氏。

参加国が(捕鯨国も反捕鯨国も)口々にこれまでの科学委員会議長のフォルテュナさんに感謝を述べる。「これまでの中で一番」という声も。

次は、肝心の予算小委員会。議長がアメリカからオーストラリアにバトンタッッチされる。
ビューローの構成も変わる。議長副議長、科学主任、その他地域代表と次期開催地の代表。

保全委員会の毎年の開催につていは合意できなかったので見送り。

次回開催地はスロベニアが名乗り出た。

次は「その他の議題」で、前回に続き、ルクセンブルグの提案。前回は、鯨類のネクタイコンテストで、女性陣が投票して優勝は日本の諸貫さんに決まった。
今回は鯨類のジュエリーで男性陣が投票権を。正面のスクリーンに次々とペンダントやピアス、ブローチが映し出される。解説はベルギーで、上手にユーモアを交えて紹介する。イルカのところで日本が’異議申し立て’。「議長、イルカはIWCの管轄外です!」一同爆笑。ロープ用の首飾りにクジラの尾びれがひっかかってているようなペンダントを見て「(座礁、混獲のワークショップの指導員)マテラさんを呼ばなくては!とみんな突然ノリノリになって、森下議長も「これはその他の議題ではなく、常設議題にした方がいいですね」とニコニコ顔。
優勝者は、七宝のような石のついたクジラの尾びれのペンダントをしていたコスタリカ代表だった。

そのあとも、双方の立場の国が双方の意見を述べてクロージングステートメントで第67回IWC総会が終了。
M&Mコンビが初めてくつろいでいるのが印象的だった。

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