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2018年10月20日 (土)

IWC67会議報告−4日目

4日目。フロリアノポリス宣言が採択された後、いよいよ日本の「IWC改革案」の提案。
日本政府の説明では、
「この提案はIWCの組織的な機能の回復を目指し、今後の道筋を作るもの。
二つの構成要素からなり、一つは持続的捕鯨委員会の設立。条約の一部改正を進め、科学委員会の捕獲枠の提出を求める。もうひとつは附表修正(10e)で、モラトリアムの条文に科学委員会で認められた健全な種に関してはゼロではなく捕獲枠を付ける。改革の規模はいい聞いが’一体感’がある。会議におけるコンセンサスを求める。これまでの失敗を繰り返さないためにも、このパッケージ提案こそがIWCの唯一生き残る道である」
要するに、「みなさんがIWCを「環境条約」とみなしてあれこれやるなら、こちらは「漁業協定」を分派としてやりますよ。どうです?こうすればどちらに取っても都合がいいでしょ?」と言っているわけだ。
ただし、その対象となる海域やクジラが住む地球は別々に2つは存在しない。

早速オーストラリアが日本提案に鋭いツッコミ。
「こういう見方を主張する権利はもちろんある。商業捕鯨については様々な見方があるし、もちろん、それを持ってIWCの意思決定に参加ができる。しかし、オーストラリアは、先住民生存捕鯨には賛成するが、あらゆる商業捕鯨には反対の立場。IWCは保全と管理を組織としてちゃんとやっている。
このパッケージ提案は、3ヶ月前に突然出されてコンセンサスを求められた。現状を考えれば採択されないことを前提として提案されたとしか思えない。意図がどこにあるのか知りたい。」
アメリカが財運として。条約改正のための会議等の費用は、中核予算から出ることになる。任意拠出もありうる。と発言。科学委員会は、枠の算出には追加的なコストはかからないと報告。

EUを代表してオーストリアが発言。
日本の多大な努力にまず感謝。EU内部での議論も含めて対話の機会は継続していきたいが、IWCがモラトリアム以降、30年かけて保全の役割を果たし、先住民生存捕鯨の問題に対処してきたことを無効にするような提案であり、新しい委員会は承認できない。外交会議で条約を改正するということも根本的な意見の相違を無視しており、附表修正に関して過半数可決とすることも不必要な分断を促進する。

続いてアルゼンチン、ブラジルがモラトリアムの継続を支持するも、継続的な議論を続けていく意思を表明。

日本提案の支持も。
トーゴ「フロリアノポリス宣言こそ機能不全に陥っている原因である。日本提案は組織の回復にメリットとなる」
ニカラグア「IWCの保全・管理に貢献する提案。科学委員会も幾つかは健全な状態だと言っている。条約の改正により、秩序ある捕鯨ができる」
ギニア「鯨類に脅威があれば保全、なければ利用するということで、すべての国のニーズを考慮できる。立場を超えて負うべき責任に向かい合うべき。リオ宣言をどう考えるか聞きたい」
セネガル「日本提案は現在の問題点を明確にした。条約を変える道筋を受け入れるべき」
アイスランド「EUだって商業取引をしてるだろ!なんでクジラだけダメなんだ?他の人に押し付けるな!」

結局、16カ国が日本支持に熱弁をふるい、(セネガルの「クジラは陸のライオンと同じだ〜」というような謎の発言もあったが)38(EUの24カ国を含む)が反対意見を述べた。
そのあとは、IWMC(ラポアント)、それと双子のような団体(WTC:参加者名簿に団体名が見当たらなかった)、GGT(宮本氏)が日本提案支持、そしてIKAN、R&Cロースクール国際環境法プロジェクト(附表修正に関する法的な瑕疵の指摘)、アルゼンチンが反対とそれぞれの立場で意見表明。
IKANの発言は以下のブログ参照。
http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/iwc-edd9.html

発言の際しては、NGO特にAWIの助けがすごく嬉しかった。立場が多少とも異なるのに、私のいう「溝を埋めたい」というコンセプトに従い、チラシの要約を、私が発音しやすい言葉と短い文章にまとめてくれた。
おかげさまで、なかなか評判は良く、ランチブレークの時にはIISDの方が取材にこられた。かつて環境省の外郭団体に所属し、今はレポーティングサービスの仕事をしているという若い女性で、日本の状況とその意図をよく理解してくれた。
また、そのあとではCNNシンガポールやラジオ・フランスの電話取材もあった。

会議終了後、たまたまロビーで(多分)韓国の代表団の方とすれ違った時に、丁寧に会釈をされた。同じホテルで顔を見たことはあるが挨拶までは交わしたことのない方で、ちょっと驚いた。
そういえば、その日はいつも頼んでいる運転手さんが別のツアーでいない日だったので、そうだ!もし一緒に帰れれば安心、と思いつき、その方たち一団のところに行って、すみませんが、と話しかけた。
「日本語で大丈夫ですよ〜」と関西訛りで笑いながら答えてくれたが、残念なことにまだ会議があって帰れないとのこと。しかし、彼は「外にタクシーがいるから僕が頼んであげますよ」と気楽に応じてくれ、早速、待機していたタクシーにポルトガル語で(たぶんイングレセスに送るように)頼んでくれた。そして、なんと恭しく、タクシーの扉を開けて、どうぞと私が乗るのを助けてくれたのだ。そのあとはホテルでも見かけなかったので、実際どうかはわからないが、もしかしたら、私の意見に共感してくれたのか?と勝手に思って嬉しかったのだった。

そうしてもう一つ。
朝、ホテルを出発する前に、突然淳子さんが「早く、早く!来てみて」とベランダから呼びかけてきた。
何事?とベランダに出てみると、浜辺の向こうの波打ち際の少し先に、黒い物体が。「あれ、そうだよね?」と望遠鏡片手に言われてみていると、四角っぽい胸ビレが! ああ、ミナミセミクジラだ!
ブラジルのNGOのホセさんが、今はミナミセミクジラが子育てに回遊してくる時期なんだよ、と言っていたが、本当に現れるなんて!
しかも、私が発言する当の日に。
よく見ていると動きは緩慢で、どうやら大きな母クジラとともに、小柄な子クジラも一緒にたゆたっているらしい。
ホテルの正面に、肉眼でわかるほどに。
それから毎日のように、(サーファーたちが近寄っても気にしないで)2頭はホテルの部屋の前の海を行ったり来たりした(淳子さんは3番目のクジラもいたという)。
この海は澄んでいて、ゴミ一つ落ちていない。そんなところで、安心して母クジラが子育てに励んでいるのだ。やはり子供たちに残したい将来はこんな風景だ、と強く感じいったのでした。

4日目の会議はまだ続く。

(写真は、ベランダからi Phoneで撮ったもの。望遠なし)

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