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2018年6月 1日 (金)

調査捕鯨

海外版の翻訳で、国内ニュースとしてはなかったようだが。

http://www.bbc.com/japanese/44311442

   「日本が行っている新南極海鯨類科学調査計画(NEWREP-A)の「実地調査」で、
    妊娠中のクロミンククジラ122頭を殺していたことが明らかになった。」
   (中略)
   「3度目となる今回のNEWREP-Aで捕獲されたクロミンククジラ333頭のうち、
   オスは152頭、メスは181頭だった。
   新たな計画では捕獲量を従来の3分の1に減らし、毎年330頭前後にとどめている。
   データによると、今回の調査で捕獲されたクロミンククジラのうちメス122頭が
   妊娠していたほか、オス61頭とメス53頭が幼体だった。」
   

 これまでも、南極での調査捕鯨で妊娠しているメスの個体が繰り返し捕獲されていることが指摘されてきた。
実際、日本政府は、ミンククジラの繁殖状況が良いことの証拠として、妊娠メスの捕獲を擁護しているように見える。

例えば、2010年JARPAIIの報告を見ると
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/enyou/110321.html

    「クロミンククジラは雄62頭、雌108頭の計170頭を採集しました。
     採集した個体のうち雄が66.1%、雌が87.0%の割合で性成熟しており、
     成熟した雌の91.5%が妊娠していました。雌の高い妊娠率は例年と
      同様であり、南極海におけるクロミンククジラの繁殖状況が健全である
     ことを示唆しています。」

とある。
さらには、

   「クロミンククジラの性別や成熟率は、調査海域により大きく異なり、
     ロス海には成熟した雌が集中する一方、ロス海の外側では未成熟
    の雌雄及び成熟雄が多いという結果が得られました。」
とも書かれている。

今回の12週間の捕獲調査で、当然ながらこの棲みわけへの配慮もあったと信じるが、妊娠メスを多く捕獲することによる影響はどうなのだろうか?

かつて、ミンククジラを「海のゴキブリ」といった方がいたような記憶があるが(ちなみに、ミンククジラの妊娠期間は10ヶ月で、1産1仔だったと思う)、成熟したメスの91.5%が妊娠していたということであれば、ミンククジラの生息数は増加するだろうと思うのだが、そこは素人の浅はかさでそういう結果でもなさそうである。

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