八戸訪問
5月25、26日と、沿岸調査捕鯨の様子見に、八戸を訪問した。25日は、暗くなるまで船が帰ってこず解体はなし、翌日は、よく晴れた日だったが、船は出なかった。
沿岸における調査捕鯨は、2002年にJARPNIIのもと、日本鯨類研究所の業務委託で沿岸の小型捕鯨業者により開始された。沿岸の調査捕鯨に携わる4社は、2010年に「地域捕鯨推進協議会」を組織し、「沿岸のミンククジラ猟の際会及びその継続に寄与」することを主目的に、当初は5、6月に三陸、9月に釧路でおこなわれた。昨年からは、調査捕鯨新法の下で政府の直轄となり、NEWREP-NP(新北西太平洋鯨類科学調査計画)により、太平洋側で80頭、新たに開始された網走で47頭の捕獲枠が与えられており、サンプルを提供した残りは「生肉」として現地で販売される。
八戸が加わったのは、沿岸の太平洋側のミンククジラの調査の一環で固定的ではないということだ。今回、4月末まで行われた鮎川での調査捕鯨で何頭捕獲されたかはまだ明らかになってはいない。
(5月4日のデーリー東北の記事中に、「鮎川では18頭捕獲」という記事がありましたので訂正します。)
八戸は、かつて漁民たちが捕鯨会社の焼き討ち事件を起こしたところとしても知られる。クジラ解体処理による海の汚染に対して、行政や捕鯨会社が訴えても対処しなかったことから、1000人を超える漁業者が捕鯨会社と関連施設を焼き討ちしたとされる。
また、八戸には、日本昔話にも取り上げられた「八戸太郎」伝説があり、これによると、大きなクジラがイワシの大漁をもたらすとして「八戸太郎」と名付けられて敬われていたところ、不幸なことに熊野灘で漁師のモリに突かれて必死の思いで戻ってきた浜で息絶えて「クジラ石」になったという話である。八戸漁港の南端の恵比寿浜にはクジラ石を祀る社がある。
このところ、結構人気の日曜日の館鼻岸壁の朝一まではいられなかったのでどの程度の需要があるのかわからなかったが、八食センターや陸奥湊の朝市ではホタテ(稚貝が結構多い)やホヤ、カニ、イカ(すごく小さい)などと並んで少量ながら「ミンククジラ生肉」が販売されていた。このところ、水産物水揚げが激減し、名物のサバはノルウェー、ゆるキャラにまでなっているイカに至ってはニュージーランドからの輸入という話で、少しであっても売り場の賑わいとしてはありがたいのだろうか?
ちなみに、魚売り場でよく売れていたのは、私の見た限りではマグロだったが。
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