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2017年11月28日 (火)

イワシクジラーワシントン条約会議

 27日から、スイスのジュネーブで、ワシントン条約の常設委員会が開催された。これまで、私たちの懸案事項であったいわゆるイワシクジラの「海からの持ち込み」がようやく議論されることになった。
これまで、ブログでも取り上げてきたが、
(例えば)
http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-e294.html

イワシクジラは、IUCNのレッドリストでは絶滅危惧種で、ワシントン条約の付属所I記載種である。日本は、この種の北太平洋での商業取引禁止を留保していないが、IWCにおける国際捕鯨取締条約の8条によって、調査捕獲を実施してきた。そして、国際取引に関しては、科学当局と管理当局がいずれも水産庁であることも問題があると思われる。
イワシクジラの調査捕鯨については、歴史が古く、1976年IWCでイワシクジラの捕獲が禁止されようというときに、業者の救済策として同種の調査捕獲を計画し、実行している。(これにヒントを得たものが現在継続されている調査捕鯨)
そして、再び2002年、北西太平洋第2期クジラ捕獲調査(JARPNII)でイワシクジラ50頭の捕獲を計画した時は、ノーベル賞受賞者を含む24人の国際的に著名な科学者24人が、ニューヨークタイムズに反対する意見広告を出している。

今回は、昨年開始されたNEWREP-NPでイワシクジラの捕獲枠を増加させ、評価委員会から殺す必要性が十分説明できるまでは実施すべきではないという勧告が出ていたにもかかわらず、捕獲を実施してしまった。国際社会が違法だという認識を共有しながら、規制をすることのできなかったイワシクジラの捕獲へのワシントン条約関与は、とても歓迎すべきものだと思うし、また日本の調査捕鯨の問題性を再び訴える重要なステップとなると考えられる。
オーストラリアやEUのみならず、セネガルやケニアといったアフリカ諸国も日本の立場に反対と。現場でこの模様を見たかった。

今回議論を受けて、イワシクジラの商業利用の可否を問う専門家調査団派遣が決まったようだが、日本はそれにも猛反発している模様である。

https://this.kiji.is/307912424408253537

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