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2017年11月17日 (金)

希少野生動植物種保存基本法検討会を傍聴

  11月15日、環境省の主催する希少動植物種保存基本方針検討会を傍聴した。
これは、6月に公布された種の保存法改正に伴い、国会での附帯決議に対応して基本方針を変更するためのものだ。検討するメンバーは、法律改正の検討会に関わった人たちだ。今回も、座長には石井実大阪府立大副学長が選ばれた。(ついてながらもう一人の方でなくてよかった。ちなみに、石井実さんは、5月の参考人質疑で、海洋生物の評価は、環境省が一元化してやった方がいいというコメントをしてくれた人だ)

  今回、12月27日と合わせて2回議論される内容は、基本的な考え方を、2014年作られた「絶滅の恐れのある野生生物種の保全戦略」に基づくものとし、具体的には国際希少種に関する(国民からの)提案制度について、絶滅回避のために生息域外保全を進める認定動植物園に関すること、いわゆる里地里山に生息する特定第二種の動植物の選定、選定基準などに関する透明性と情報公開、希少種解除に関する事項など。
 生息域外保全に関しては、「保全施策の補完」ということが明記されているが、今後、どのような形で認定されていくのかはまだまだ注視する必要があるだろう。
  
 今回は、国会でヒアリング対象となった日本自然保護協会の辻村さんとトラ・ゾウ保護基金の坂元弁護士が再び、 力強い意見陳述を行った。
 残念なことに基本的な変更の考え方の中に、海洋生物に関する記述は直接はないが、辻村さんは、国会質疑に引き続き、環境省と水産庁に分かれ、不透明で信頼性も低い海生生物のレッドリストの問題点を指摘してくれた。
これが具体的に書き込まれることはないにしても、何らかの形で本文中に海を出したいものだ。
坂元さんは、国際取引に関連して、ワシントン条約の取引禁止種の幾つかをず〜〜〜〜〜と留保し続けている日本のあり方に関して、見直すべきという意見も出してくれた。

 一方で、坂元弁護士が訴えるワシントン条約決議による象牙の国内取引市場閉鎖については、委員メンバーのうちの二人が取引推進のフロントラインに立つ人たちなので、最初からスタンスが決まっていたようなものなのだ。ゾウを絶滅させないための国際的な努力と決議に対し、日本は国として取引継続を選んでいること、決議は拘束力を持たない、とか、決議そのものも恒久性はなく修正されるものだとか、だから、この二人は最後になって反対意見を出してきた。

 1989年、象牙の取引が禁止されたが、南部アフリカ3カ国を中心とした利用を主張する国と、東部、中部の禁止を求める国が対立、しかし日本のメディアはこれを「先進国が貧しい途上国に規制を要求する南北対立だ」という歪んだ主張を垂れ流した。
そして、伝統と言いつつ、適切な管理が可能であることを主張し続けた結果、とうとう、1999年には日本に1回限りの取引が認められることになった。さらに、2007年に南部アフリカ3各国にかぎり日本のみ、しかし2008年にはワシントン条約事務局保有の象牙競売と、象牙市場はじわじわと解放されてしまった。
 その間、監視の手が届かない東部、中部、そして、ついには管理されているはずの南部アフリカにおいてさえ、象牙のためのゾウの密猟が繰り返され、このままでは絶滅ものがれないという危機感から、昨年の国内市場閉鎖決議が行われたのだ。もし、決議は修正されるものだというなら、将来どうするかではなく、今、ゾウを救うため新たに採択されたこの決議に従うことこそが象牙取引再開の引き金となった日本の務めではないのか? 
 不安定さの収まらないアフリカ諸国にあって、象牙をはじめとする野生動物は、テロ組織の資金源になってますますアフリカ諸国を苦しめていることは多くの人の知るところとなっており、当時のような単純な「南北対立」などは通用しない状態になっている。

 象牙の禁止と解禁に揺れた当時、利用の根拠とされた、「貧しいアフリカ南部諸国においては利用することによって保全ができる」と提唱された「キャンプファイア作戦」というものが本当に機能しているのか、現状をみれば結果は明らかではないのか。
 1989年当時、条約事務局にいながら象牙取引を進めて事務局を解任され、その後、アフリカ諸国を巡って象牙取引を訴えてきたK氏は、キャンプファイア作戦が「機能している」と、そして、取引先の南部諸国は’管理されている’から問題はないと今でも思っているのだろうか?

さらに現状に追い打ちをかける話がある。国内取引を中国とともに閉鎖する決意を明らかにしたアメリカが、トランプ政権にかわって、ゾウをはじめとした野生動物のいわゆるトロフィーハンティングを認め、ハンティングの’戦利品’の輸入を認めると公表した模様である。
http://abcnews.go.com/US/trump-admin-reverse-ban-elephant-trophies-africa/story?id=51178663

2017年11月11日 (土)

ミートフリーマンデイ

かつて、60年台始め、ビートルズがまだ’大人’に受け入れられていない頃、友人たちに訝られながらも迷いなく支持してきた。今では嘘のような話。で、その頃はジョンのファンでしたが。

http://www.onegreenplanet.org/news/paul-mccartney-tells-world-to-go-meat-free/?utm_source=Green+Monster+Mailing+List&utm_campaign=70d96db1c8-NEWSLETTER_EMAIL_CAMPAIGN&utm_medium=email&utm_term=0_bbf62ddf34-70d96db1c8-106932221

2017年11月 9日 (木)

日新丸 南へ

 さすが法律で担保された国営事業。
もう出発したようだ。出港式はしなかったらしい。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/171109.html

 7.安全対策

本調査の実施に当たっては、シー・シェパード等の反捕鯨団体による妨害に的確に対応するため、以下の安全対策を講じます。
(1)水産庁監視船を、昨年度に引き続き派遣します。
(注)水産庁監視船の詳細(隻数、船名、トン数、任務の具体的内容等)は、安全対策の実効性の確保や、調査船団の安全に万全を期するため、非公表とします。
(2)シー・シェパード船舶の旗国・寄港国等に対し、海上の安全確保のための実効的な措置を講じるよう、働きかけを引き続き行っていきます。

2017年11月 6日 (月)

ボン条約会議

 「移動性野生動物種の保全に関する条約(通称ボン条約/CMS)」がこの10月24日から28日にかけて、フィリピンのマニラで開催された。

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https://www.jiji.com/jc/article?k=20171030036362a&g=afp
   移動性野生動物34種が新たに保護強化対象に、ボン条約会議
  【マニラAFP=時事】フィリピンの首都マニラで28日に閉幕した「移動性野生動物種の保護に関する
条約(CMS)」(ボン条約)の締約国会議で、ライオンやチンパンジーなど野生動物34種が新たに保護
強化の対象リストに加えられた。
 移動性動物種は国境をまたいで移動することなどからその保護は特に難しいとCMS事務局長の
ブランディー・チェンバーズ氏は言う。動物たちが移動した先が野生動物保護体制が徹底されて
いない国である可能性もあるからだ。
 会議では、今以上の保護対策が必要だとしてライオン、ヒョウ、チンパンジーなどの対象リスト入り
が決まった。なかでもチンパンジーは近年、生息地の減少などで個体数が急激に減っているという。
アフリカ全土での個体数が9万頭を下回ったキリンもリスト入りした。
 このほか、ハゲワシやコンドル10種や世界最大の魚類ジンベイザメ、カスザメ、ドダブカ、
ヨシキリザメ、モンゴルと中国の国境が接する地域が生息域とされるゴビグマなどもリストに
加えられた。ゴビグマの生息数は世界で45頭とされている。(後略)
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 残念ながら、日本はこの条約に未加盟である。
なぜなのか、と繰り返し行政に聞いてきたが、クジラが入っているから、とか、我が国の考え方と異なるところがある、日本ではウミガメを食べる習慣がある、他の協定で間に合っていて入るメリットがないとかの答えが返ってくる。2014年に、国会である議員さんが質問してくれたところ、検討中だという回答を受け、「20年間も検討し続けているのか?」と苦笑い。

 「わが国(=霞ヶ関+永田町)と考え方が異なる」という返事には、日本政府の野生生物や環境への後ろ向きの考え方が如実に出ている。ワシントン条約に関しては、国際的に色々と批判されて、成立後5年経ってやっと一杯の留保品目を抱えて加盟したが、CMSに関しては、そうした具体的な規制はないし、いろいろと’脛に傷を持つ身’だからなまじ加盟して難癖をつけられたくないのだろう。
 今回も、海洋生物に関連して重要な決議が採択されたが、そのうちの鰭脚類、ジュゴン目、クジラ類等の海棲哺乳類の重要海域(IMMAs=Important Marine Mamale Areas)は、当然のことながらここまでしっかりと進んできたか、と素直に嬉しいのだけど、一方で日本の加盟のハードルを上げたのだろうな、とも思う。

http://www.cms.int/sites/default/files/document/cms_cop12_crp8_immas_e.pdf

 日本政府の考えている海洋保護区は、どこからも反対されないような緩い規制と管理区域だと私は思っている。日本政府が日本独自の海洋保護区の設置で最終的には何を設計していくのか(つまり愛知目標の数合わせ以外ということだが)、よくわからない。既存の漁業管理区域などで、生物多様性が増したり、漁業生産が増したところがどれくらいあるのか、海洋保護区の指定とともに数値も示すべきだと思う。
(でも・・・・もしかしたら、海洋保護区で海が豊かになるなんて、ハナから信じていないのかもしれない。
   一種の他国からの嫌がらせとしか思っていないのかもしれない。この辺り、中国政府の考え方はどんどん国際化してきている)
 昨年せっかく公表した日本の重要海域は、海洋保護区の基礎的なデータを提供していると思っていたのだけど、聞くところによると、水産庁の一部の人が「事前に相談されなかった」、とかでむくれてしまって、座礁しているらしい。重要海域を抽出する努力は、私たちの税金と関わった担当官のみならず専門家の方たちの努力の結晶であり、異論を唱えたければご自分でもっと上等なものを作って海洋の生物多様性と、漁業に貢献すれば良いものを
面倒なことをしないですむ口実にしているのかもしれない 。

 ボン条約会議に戻ると、ようやく海中騒音問題にスポットライトが当てられた。2000年、アデレードのIWC会議のサイドイベントで、今は亡きベン・ホワイトさんが米海軍の低周波ソナーが鯨類に与える音響被害について一生懸命述べていたことを今更のように思い出す。今回会議では海中騒音に関しての環境影響評価のガイドラインが採択されたようだ。海洋開発がひどく活発化していること、また、船の航路が世界の海を縦横無尽に走っていることなど、海洋環境における騒音は、特に音を頼りに生きている生物たちにとっては危機的な状況のはずだ。

http://www.cms.int/sites/default/files/document/cms_cop12_doc.24.2.2_marine-noise_e_n.pdf

ブッシュミートとしての海棲哺乳類問題。
野生動物肉の利用=ブッシュミート問題は、ワシントン条約などでも取り上げられており、科学的な根拠を持って持続的に利用でき程るかどうか、とかなり曖昧な点もある。
海棲哺乳類について言えば、特定の海域に生息するものだけでなく、幾つもの国にまたがって移動している種も少なくないので、勧告では、参加国も参加していない周辺国も協力して情報を共有し、科学的なデータを集めて、適切な技術や資金提供、人材育成などを通じて、リストされている海棲生物が持続的に収穫されているかどうか確認すること、とされている。

それと商業的な生け捕り問題も問題になっている。
捕獲に関するガンドラインは任意であり、歯切れが悪いが、野生個体の商業的な利用に関しては捕獲、移動や輸出入についての規制を求めている。また、事務局に生け捕りに関してワシントン条約やIWCとの協力を推進することや参加国に対して生け捕りに関する情報の共有を求めている。

移動する生き物について、周辺国が協力して保全を考えるときに、1国で勝手な使い方をしては困るというのは当たり前の話だ。特に生け捕り問題では、特に日本に大きな責任があると感じる。
散々利用してきたが、この上、さらに利用し続けたいのであれば、ちゃんと条約に参加して堂々とそれを訴えるべきではないだろうか?

今回のテーマ「彼らの未来は私たちの未来」という言葉をよ〜〜く噛み締めてみたい。

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