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2017年5月18日 (木)

’鯨類調査’法案

 調査捕鯨を、超党派で「国の責務」としてやろうという法案が今国会に出されるようだ。
題して「商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律案」。
それでなくても、頭の痛くなるようなひどい法案審議が行われているというのに、全く困ったものだ。しかも、提案しているのがM進というのが。万が一、泥を被るのは元々の推進党ではなく、’被り慣れた(???)’Mだということに陰謀めいたものまで感じてしまう。2011年の復興予算23億円を鯨研の赤字解消にまんまと使ったことだし、税金の無駄遣いを非難されてもどうってことないのだろう。すでに、大手水産会社が補助金なしではできない、と撤退していることを知っているのだろうか?関係者の本音は、強い規制のかかる商業捕鯨再開ではなく、勝手し放題の調査捕鯨をどれだけ継続できるかだろうと思っているし、今回の法案も見ようによっては、この路線をそれらしい言葉で覆っているだけではないのか。

今、種の保存法が国会で審議されているが、そういえば、今回の大きな課題の一つである海洋生物に一切踏み込んでこないのはこれがあったからか、と今更ながら情けなくなる。ここに書かれた科学的知見の集積が必要だと本気で思っているのなら、今回のレッドリストのいい加減さに腹を立ててもおかしくないのに。

それに(今編集中で近々出すニュースに真田さんの論文を掲載予定だが)、この3月に公表された、北西太平洋の調査捕鯨新計画に対する科学委員会専門家のパネル報告で、南極の新計画と同じように致死的調査の必要性についての説明が(相変わらず!)きちんとされていない、もっと悪いのは、沿岸業者に甘く、30カイリまでは直線のライン上で航行するが、30カイリを超えて捕獲目標頭数に達しない場合は、自由に航行して捕獲してもよい、港に近すぎる捕獲とその数が多い割に母船での調査捕獲頭数は少ない。まだ回復途上の日本海側個体群に影響が出るかもしれない。これまでのデータをなぜ使わないの?とけちょんけちょんに言われているのを知ってかしらずか。
それとも、国際的な’科学’は日本の伝統にそぐわないって?
それに、国際的に痛いところをつかれるのが嫌で、耳をふさぐことが日本の国益を守るって本気で思ってる?

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