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2017年4月24日 (月)

種の保存法改正審議始まる

 11日本会議場での種の保存法の山本大臣による改正の趣旨説明と民進党による代表質問、18日の環境委員会での改正法案の説明を経て、21日から実質的な審議が始まった。

 (環境委員会の内容は、インターネット中継は次のサイトで。
    http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php)

まず、議長が水曜日(19日)に視察した多摩動物園についての報告をした後、与党、公明党の斉藤鉄夫議員が、環境省に種の保存法の成り立ちと対象とされている種の構成、今後の取り組みなどを質問。
環境省亀澤玲治自然環境局長が、これまでの経緯、改正、そして今回改正によってもたらされる種の保存にとっての進展(特定第2種希少野生生物の指定による掲載種の増加の見通し、動物園、水族館の認定制度による生息域外保全、国際希少野生生物の届出制から登録制への変更)を説明した。亀澤局長は、2008年の生物多様性国家戦略の策定過程で何回も意見交換をした相手で、私が知っている限りでは、生物多様性保全に熱心でNGOに対する接し方も公平な人だと思ってきた。実際、彼が計画課長であったときの第3次戦略では、パンフレットの真ん中の見開きいっぱいに、小笠原のザトウクジラの写真が使われていたこともあって、海の生物多様性保全の前進にはいい機会だと感じていた。残念ながら、そう簡単にことが運ぶ訳ではないことも分かった今回改正議論ではある。

最初の質問者は、共産党の塩川鉄也議員で、のっけから委員会の出席数の低さを問題とし、定足数に達しているのか?と質問した。それへの直接的な返事は議長からなかったが(定足数を満たすたったの15名が欠ける時間があったみたいだ)。
彼は、まず種の保存法掲載のための提案制度について質問。亀澤局長の説明の後、この提案制度の中に、生息地の指定も入っているのかと確認。また、希少種の生息域外保全については、次善の策だと突き放した。
次に、私たちが前回改正で求めてきた専門家による科学委員会の法定化について、かなり突っ込んだ質問をしてくれた。これまで、中央環境委員会がそれに当たるという環境省の答弁であったが、中環審のメンバーの中にはタレントさんなど、誰の目にも専門性に欠ける方もいたことから、検討小委員会を一部手直ししてやるのか、分類群ごとの専門家で構成された常設の委員会を作り、種指定だけではなく、回復を目指す保全対策等、保護管理全体を検討する組織を構成すると、これまでより前向きな答弁があった。あ〜〜〜。
ただし。
今のままでは、海生哺乳類などの海生生物の専門家の検討会は相変わらず水産庁管轄なのだろうか?今回の水産庁の検討会のメンバーを見ても、どうもそれらしい人(つまり現場で生態等を調査、研究している人)がほとんどいないのだが。

民進党松田直久議員の質問は、まず環境教育の必要性について。希少種の生息する土地所有者の財産権について個人の権利と公益との関係をかなりしつこく迫ってはいたが今一歩進まず。「公益」という言葉は最近の傾向からいうと結構危険ではあるが、生物多様性保全に関して一般の土地所有者の理解を促進し、インセンティブをつけていくことは重要だ。最初に書かれた種の保存法(案)に、財産権はなかったそうだで、他省庁との協議の際に付け加えられたものらしい。その次は、掲載種の指定の解除について。オオタカが絶滅危惧種から回復していることから、指定を解除する要件と解除した後の保護措置について質問。
最後は、動物園、水族館の認定制度について、その前に動物園、水族館に特化した法整備が必要ではないか。

次は、国際希少種取引の違反防止の不十分性に関して、今回新たに創設された登録制度でクリアできるというところまでしか行かなかった。個体登録票に所有者の住所と名前をつけるのは、所有者が変わる度に行わなければならず「煩雑」だという本会議での答弁を覆せなかった。

海については、ボン条約についての質問をこれまで何回かされた日本維新の会の河野正美議員がかなり突っ込んだ質問をしてくれた!
まずは、種の保存法ができた当時の環境庁と水産庁の覚書(密約)から。前回改正時の議論では、水野賢一議員(当時)と北川知克議員がそれぞれ、覚書が既に存在しないことを確認したのだが、時期や経緯は不明のままだった。今回の質問に対して、覚書からジュゴンが除外された2002年の翌年に廃棄されたということが明らかになった。それから今までの15年、環境省は、実質管理責任もないような戦略を打ち出したものの、具体策についてはまったく放置したままだったのだ!
実際、今回の海洋生物の水産庁との切り分けは、実質、水産庁支配が続いているのと変わりなく、海のものは環境省的には対象外であると言う認識に変わりはないようだ(もっとも、環境省だけではなく、関係者の大部分にとっても「種の保存法は陸域の議論で手一杯、海まで考える余裕はない」と感じられる節は度々あり、それはそれで問題が深刻だ)。
次に、前回改正の時の附帯決議十に海生生物の選定を積極的に行うということが書かれているのに、今回改正にあたって行われた検討小委員会で海洋生物の専門家が存在せず、海の議論がなかったことはなぜかという質問。
これに対しては、それが法的な措置を必要としていなかったからだということ、また、中環審では議論があった(亀澤さん、これは嘘だよ!臨時委員の白山義久さんが「附帯決議にあるのになんで答申案に海について書かれていないの?」と質問したのに対して、環境省は「レッドリストができていないから」という答えになっていない答えをしただけじゃない。白山さんの一言で最終修正案に、「情報が不足している」などという言い訳が追加されたが、これを議論と呼ぶか?)
それから、海洋生物の対象範囲はどこまで?という質問には排他的経済水域までと認めたものの、生息域の保全についての大臣の答えは、1昨年公表された重要海域の選定を参考に(辺野古も入っていたよね?確か)愛知目標に向け、現在は8.3%にとどまる海域の10%を海洋保護区に設定する予定だ、と説明。確かに、海洋保護区の設置は、その海域で生息する種の保護に役立つから、その意味では、今回取り上げられた陸域の特定第2種の扱いと同じものかもしれない。しかし、現在8.3%と出されている数字の大部分は、地域の漁協によるなんらかの管理の手が入っているというものが多いため、そのまま種の保存法による保護、回復計画にとって適切かどうかと言えばかなり疑わしいものがある。

マグロについては、水産庁の保科正樹増殖推進部長が高度回遊性物については、国連海洋法条約の定めで関係国が共同で管理することになっており、評価することはできないという返事。捕獲数を2014年から2015年にかけて半減させており、管理はできている。(21日の新聞によるとそうでもないようだが。「クロマグロ 漁獲枠突破へ、日本、規制守れず」 https://mainichi.jp/articles/20170422/k00/00m/020/089000c)

山本大臣が、水産庁との共同はすでに行われていると答弁。
また、再改正の必要性については、亀澤局長が、RDBを踏まえて掲載すべきものを掲載していくので改正は必要ないと答弁した。しかし、今後のレッドリスト掲載に関しては、「ジュゴンも含めて」検討をしていくという弱々しくはあるが、獲得もあった。

そのあとは、自由党の玉城デニー議員が質問に立ち、今回の動物園、水族館の認定制度について、本来であれば、動物園、水族館についての規定等きちんと書いた法整備が必要であり、今回のようにごく一部を認定するというのは間違いではないか、と発言。これは至極まっとうな意見だと思った。


明日、25日には参考人によるヒアリングと質疑、そして採決が行われる。
詳細はインターネット中継で見ることができる。

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