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2017年1月 6日 (金)

種の保存法改正〜海は無視するのか

 昨年12月から、環境省が種の保存法についての講ずべき措置(案)という改正に向けてのパブリックコメントを求めている(締め切り1月11日)。
これは、2014年の改正における国会論議での附則に従っての3年目の改正が今年行われる予定だからだ。
前回の改正時には、3年後の見直しの附則に加えて、11項目の附帯決議が衆参両院でつけられた。その中には、レッドリストに上がっている種のうちの300種を2020年までに選定すること、「種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する、専門家による常設の科学委員会の法定を検討すること」(現在は非公開の専門家による検討会がその都度召集され、その意見に従って中央環境審議会で審議されるという過程)などが記され、海洋生物に関しても、「二 「保全戦略」は海洋生物を含めて策定すること。また、「保全戦略」は、種の指定の考え方や進め方を示す、大胆かつ機動性の高いものとすること。」
「十 海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価を適切に行うこと。また、候補種選定の際、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に選定の対象とすること。」と強い意見が出されている。
しかし、この間、5回開催された検討会では海生生物に関する議論はなく、最後に検討結果を受けた審議会で、臨時委員のJAMSTECの白山義久氏がやっと、海生生物はどうなっているのか?という質問を出した結果として、二箇所に書き込みが加えられた。しかしそれだって、2の種の保存をめぐる現状と課題で「現時点では、海洋生物については絶滅危惧種の選定が十分に行われていない。」そして、今後講ずべき措置で「なお、海洋生物については、絶滅危惧種の選定が十分に行われておらず、国内希少野生動植物種の指定が進展していない。今後、海産種の絶滅危惧種の選定を進め、その結果を踏まえて、国内希少野生動植物種の指定を推進する必要がある。」と素っ気なく書かれているのみで、最後の附帯決議(抄)では、海についての上記2決議が省かれてしまっている。
環境省の意見交換では、担当官が「海生生物のレッドリストは今年度末(2017)に発表されますので」と、現時点ではないからしなくてもいいんだと言わんばかりの言いよう。
でも考えてみてほしい。附則でやっと3年で見直し、通常は5年後に見直しがされるわけで、レッドリストが公表されて、「もしかしたら」そのうちに種の保存法対象となるべき種があるかもしれないが、そうした一部手直しだけでは、これまで陸域した考えて作ってこなかった法文で済むわけがない。一例を挙げると、「はじめに」ではのっけから、「我が国は、南北約 3,000km にわたる国土、変化に富んだ地形、四季に恵まれた気候などにより、豊かな生物多様性を有している。既知の生物種数は9万種以上、まだ知られていないものも含めると 30 万種を超えると推定されており」と陸域しか意識しない書き方になっているし、この9万種、あるいは30万種に陸よりも種数が多いのではないかと言われる海生生物が含まれているかどうかも不明である。ちなみに、海域は、領海(含:内水)+排他的経済水域(含:接続水域)+延長大陸棚で約465万平方km(出典:海上保安庁「日本の領海等概念図」より)とされている。

 環境省的には海までかかえ込むほどの力はありません、と言いたいところなのかもしれないが、2010年に海生生物のレッドリストを作成するという前向きな態度を維持するなら、海生生物を加えることを前提として全文を書き直すのが筋だし、それができないならせめて「レッドリスト公表後に必要があれば再度改正する」などといった具体的な方策を書き込む必要があると思いませんか。

パブコメ締め切りまであとわずかだが、心ある人たちに、ぜひこのパブコメに参加していただきたいと切に願う。
http://www.env.go.jp/press/files/jp/104293.pdf


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