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2016年12月 3日 (土)

スロベニア、その他のこと

 今回会議は、前回と同じスロベニアで開催された。図らずも、アメリカの選挙で、次期ファーストレディになるかもしれない人の出身地ということで知られるようになったスロベニアだが、2度も連続してホスト国になるというのは稀なことで、事務局長が「スロベニアがIWCの第2の故郷になった」というような紹介をしていた。来年の科学委員会も、同じくスロベニアのブレッドで開催される予定だ。
 2014年のIWC65の参加は、ドーハ、ベネチア、トリエステ経由で海辺の町ポルトルージュに入ったためそれほど強く意識はしなかったが、緑豊かな美しい国だと、今回、首都リュブリャナからバスで移動しながらつくづく感じた。
バスの窓からは、森と田園風景が交互に現れ、紅葉に始まった木々と、まだ緑が色濃く残る牧草地に放たれた馬や羊の姿があちこちに見られた。
そういえば、初日の環境・空間計画大臣(こうしたポスト名にも、スロベニアの意思があると感じた)の挨拶でも、国の半分を占める緑をはじめとした自然を守っていく姿勢がはっきりと出ていた。

 私たちがお世話になったアパートは、港町のピランにあり、道路の向こうは海だ。観光地らしく、貸しアパートや小さなホテル、レンストランなどが並ぶ道路の向こう側のアドリア海は驚くほど澄んでおり、岩場にはウニやムール貝が付着し、透明度の高い水には魚の群れが見える。会期中に、この海でイルカを見たという人も何人かいた。
帰りのシャトルバスで聞いたのだけど、この海も15年ほど前までは、町の排水が容赦なく流れ込み、汚れていたそうだ。それを市民たちが協力して浄化したという。そういえば、海辺のあちこちに、木と魚の組み合わせのイラストのポスターが貼ってあったが、気がつくと、街中を走るバスとかタンクローリーにもそのシールが貼ってあるのだ。
日本でも最近話題になってきた沿岸域の統合的な管理の構想は、すでにEUでは当たり前なのかもしれない。
と書いていたら、今朝、スロベニアは安全な水は全ての人々に不可欠なものだという法律を作ったという記事が掲載されていた。
https://www.theguardian.com/environment/2016/nov/18/slovenia-adds-water-to-constitution-as-fundamental-right-for-all?CMP=share_btn_fb

自国民を戦争に駆り立てる法律、TPP、年金カット法、そして今度は賭博法と、全く市民の意思、そして生活を踏みにじるような法律を連射する何処かの国とは大違いだ。

次回IWCで副議長を務めるのはこのスロベニアのビビクさんだ。直接の会話はないが、一度、エレベーターで乗り合わせた時に、一緒に乗っていた人たちに、今日まではお湿りだったけど、明日からは晴れますよ、誰ともなく、と楽しそうに語りかけていたのが印象的だった。’何処かの国’に振り回されるな、と念じたりして。

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