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2016年11月22日 (火)

新植民地主義??

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161105-00000022-jij-int
「さまようIWC-捕鯨賛否で水掛け論 ー票取り合戦激化(深層探訪)」
という時事通信の記事があった。
残念ながらすでに消されているようで、スクリーンショットで撮っておけばよかったと後悔。
なぜ、取り上げたかったかというと、冒頭の写真が、日本の代表の一人とカリブの代表の一人が向き合ってにこやかに話し合っているもので、(CITESのFB写真などを合わせてみると)記事の意図とは違ってなかなか象徴的なものに見えるのだ。しかも、会議でのカリブ諸国の発言、「植民地」という言葉との組み合わせでは。

カリブ諸国をはじめ、日本がODAを使って途上国にどのような工作を行ってきたかということは、幾つかのNGOによって報告されている。
http://www.ifaw.org/sites/default/files/3MF_Report-Japan_IWC_Vote_Consolidation.pdf
http://www.eccea.com/index.php?mact=News,cntnt01,detail,0&cntnt01articleid=4&cntnt01returnid=46

http://www.eccea.com/index.php?mact=News,cntnt01,detail,0&cntnt01articleid=43&cntnt01returnid=44

これまでも、カリブの国々から議論が沸騰してくると、この「植民地」という言葉が繰り返し出てきた。彼らにしてみれば、かつての大植民地時代に、欧米がどれほどカリブの小国を搾取してきたかということを搾取側に思い知らせるためのいいチャンスなのだ。もちろん、彼らが何かにつけこうした過去の恨み節を噴出させることは理解できる。しかし、こと捕鯨を再開させることで、彼らの直接的な利益になることがあるだろうか?以前は、とにかく捕鯨に関心はないが、クジラが漁業資源を食べ過ぎてしまうので困る、というような話は繰り返されてきた(日本がそんなこと言っていないというまで)。過去に国絡みで捕鯨に従事してきたとことがあると記憶にはないし、先住民捕鯨枠を獲得したセント・ビンセント&グレナディーンの場合など、いわゆるヤンキー捕鯨が発端であって、厳密に言うところの先住民捕鯨ではないと聞いている。同国の民俗博物館の学芸員の方が、(チリでだったかな?)同国の遺跡の中にクジラの骨など出てこない事を証言しているが、それでも一応、小国の要求を受け入れて、ザトウクジラの捕獲枠が設定されている。他に捕鯨したいというところは今の所ないのだが、それでもカリブの幾つかの国の代表は、いわゆる「持続利用」に反する意見に対してマイノリティの抹殺とか、新植民地主義とかいう言葉で議論を座礁させてしまう。
会議の中では、ああまたか、というため息が聞かれそうな話なのだが、今回が初回だった例の記事の記者さんは、まんまとその言葉に反応したようだ。その結果、瓢箪から駒。

今回は、最終日に投票が行われたCreation of a Fund to Strengthen the Capacity of Governments of
Limited Means to Participate in the Work of the IWCの議論において繰り返された。要は、条約でも認められているように、締約国には条約の議論に関して参加する権利がある。参加資金が限られている小国がすべての作業に参加できるように、基金を設立すべきで、とくにグループ1と2に属する金持ちの国がその基金提供をするというものだ。この限りにおいてはもっともな話ではある。しかし、内実を見るとなかなかそのままでは受け入れ難い微妙なところのある問題だ。基本的には異議はないが、科学委員会参加や技術的な面でのキャパシティビルディングなど、内容的な詰めが必要、また部分的に異なる見解もあるとして、閉会中に詳細を詰めようという意見も数多くあったものの、議長は採決を促し、結果的に賛成30、反対なし、棄権31、不参加1という結果になってしまった。

IWCの参加費の負担は、捕鯨の有無や、会議参加人数、その国の財政規模によって4段階に分けられており、上述のような国はすべて負担が軽くなっている。
RS4616_Financial_Contributions_2015.pdf
ちなみに日本が一番高額で、132,341ポンド(およそ1600万円)、ドミニカなど小国は4467ポンド(54万円くらい)。
ODAによる水産支援も含めて考えれば、日本のIWC貢献度がダントツで高いのは確かだ。

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