IWCスロベニア会議 その4決議など
対立する議題などに関してグループを推奨し、その進捗状況を確認、決議案の内容によって議論の時間はまちまちだったが、4日目(27日)には5つの決議案が採択された。
https://iwc.int/day-four-special-permit-whaling
<Five Resolutions>
IWCの効果をより強めるという決議案で、これはコンセンサスで採択された。ブラジル、アルゼンチンなどのほかアメリカも提案者となり、包括的で独立した評価が閉会中に行われるということになった。
オーストラリア、ニュージーランドによる特別許可のもとでの捕鯨についての改善策提案。両者からの議論沸騰で投票にかけられ、賛成34、反対17、棄権10で採択。文言にある、特別許可内容を検討する作業部会が設立される。
しかし、2014の5決議同様、拘束力を持たない。
前回ガーナなどから提案された食料安保に関する提案。世界の飢餓を救うためにIWCも貢献すべしという意見だが、モラトリアムの事実上の破壊では?とか議論の場所が違うのでは?などという意見があり、次回再提案されることになった。
チリなどから提案された鯨類と生態系に関する提案は、最近になって明らかになった鯨類の地球生態系への貢献を認識し、保全を行うというもので、日本などは捕鯨の否定だとして反対。投票結果は、賛成36、反対16、棄権7で採択。捕鯨議論だけでなく、クジラを包括的に考えるという新しい方向だ。
ウルグアイが水俣条約と鯨類に蓄積される水銀問題を取り上げた。日本政府は、人為的な水銀による汚染は本条約とは関係ない、また非致死的調査という文言が気にくわないとして反対。投票結果は賛成38、しかし投票に加わらないとした国が23もあった。
もう一つ、また議論を醸したのは絶滅に瀕するバキータの保護提案でアメリカから出された。メキシコ湾に生息するバキータは、違法なトトアバ漁による混獲により、現在わずか59頭以下となっている。すべての国に、早急な保護対策を訴えるというものだ。トトアバは、魚そのものも絶滅に瀕していると言われるが、中国などでその浮き袋をスープなどに利用、場合によっては浮き袋一つで1万ドルという高値がつくようだ。トトアバ漁を行う刺し網は生息海域で禁止されているが、密猟が絶えないのだ。
なんでメキシコでなくアメリカが提案?というような議論から始まり、捕鯨推進側からは、小型鯨類はIWCの管轄外!という合唱が。それでも、絶滅危惧種の保護にはさすがに反対しづらかったのか、どこも合意を阻止しない。日本は、投票には参加しないが、その理由を声明として出すと(要するに、絶滅させるには忍びないが、IWCの管轄外のものを受け入れられない、IWCで決議したって状況は変わらない)いい、アンティグア&バービューダなど日本支持国が同調。ロシアだけ、投票に参加しないが、声明にも賛同しないと独自路線(中国は今回IWC不参加)。
まだ、日本などが提案している、経済的に困難な国のIWC参加促進のための決議案が作業中だ。
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