« TED油濁事故の毒の代償:スーザン・ショー | トップページ | 哲学う〜〜〜 »

2016年6月15日 (水)

イルカ飼育の次のステップ?

  飼育下の野生動物を、本来の環境、あるいはそれに近い自然の中に解放し、動物たちをその元々の生態に戻す努力をしようという動きが活発化してきている。ゾウ、霊長類のいわゆるサンクチュアリが生き物を愛する人たちの努力によって設置されている。日本にも、熊本にチンパンジーのためのサンクチュアリがある。
そのような中で、やっと、クジラ類のサンクチュアリ計画が始まっている。水族館施設というのは、人工的な構造物だけでなく、生活環境である水そのものが人工的であることから、対象動物にとってより過酷な環境であるとも言える。

アメリカ、ボルティモアにある国立の水族館が、2020年までに、飼育下の8頭のイルカたちを海を仕切ったサンクチュアリに移すという。20年以上人工的な施設で飼育されてきたイルカたちが今後どのように元の生活を取り戻せるか、課題は様々あるだろうが、まずは最初の重要なステップとして見守っていきたい。

https://www.washingtonpost.com/local/national-aquarium-dolphins-will-leave-baltimore-for-seaside-sanctuary/2016/06/14/4351fe64-3225-11e6-95c0-2a6873031302_story.html


  翻って国内を見れば、昨年のWAZA/JAZA騒動から何を学んだのか、とにかく繁殖技術を向上させて、飼育するイルカを確保するか、JAZAを脱退するかという2択で進んでいるような気配である。
しかし、提起されている前提にあるのは、イルカを野生から引き離し、人工的な施設に修正閉じ込め、曲芸させるこ
とが教育的などうかという問いかけである。
 先日あった、イルカに関する研究会でも、残念ながら、この根源的な問いかけは問題とされず、結果的にはイルカショーが水族館の維持のために必要であり、追込みは酷いが、繁殖技術向上やストランディング個体の保護などで飼育を続けることが良しとされていた。
みなさん既にご存知のように、2007年カマイルカの捕獲枠は、水族館によるストランディング個体の飼育が日常化していたことを是正(?) するために付けられたのだが。

« TED油濁事故の毒の代償:スーザン・ショー | トップページ | 哲学う〜〜〜 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。