« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »

2015年11月21日 (土)

コビレゴンドウの群れ捕まる

太地でコビレゴンドウの群れが追い込まれたというニュースが、英メディアによって伝わってきた。

http://www.dailymail.co.uk/news/article-3327331/Huddling-fear-pod-pilot-whales-circle-one-dolphin-hunters-Japan-s-infamous-Taiji-cove-round-slaughter.html

 小さな群れごとに捕獲されて、群れは小さな集団となり、漁業者たちの脅威から身を守ろうとしているようだ。コビレゴンドウの生態はシャチに似ていると言われており、以前水産庁はシャチの個体数推定の根拠としたくらいだ。血縁関係のある群れの結束は硬く、とらわれた群れの映像は心の傷むものだ。

 一方で、太地にとっては、ゴンドウ猟はバンドウなどよりずっと古くからあり、肉の需要としてはハクジラの中でも大きく、特に西日本での需要が強いので、太地の産業としては無視できないものだろう。一方では、2010年度に捕獲が全く出来ない事態が起こったように、その個体数の減少が懸念されている種でもある。

 こうしたジレンマの中で、やはり粕谷俊雄博士の『イルカ』の中のコビレゴンドウに関する記述に共感する。IKnet日記5月11日のブログにコビレゴンドウについて書いたのだが、その中での粕谷博士の記述の私なりのまとめを改めて書き出しておこう。

→ここから

・「個体の知識として蓄積された情報やそれに基づく行動は、学習によって群れの中の他の個体に引 き継がれ、世代をまたいで保持されるに違いない、これが動物行動学で言う文化である」こうした 文化は「鯨類集団にとっては自らの適応力を高めるもの」であるし、「種にとってはその多様性を 種内に保持することは種の生存の可能性を高めるもの」である。従って、種の遺伝的多様性だけで なく、文化の多様性を保存する必要性があると思われる。
・ 小型捕鯨による老齢メスの間引きにより、群れ組織を破壊し、生活能力が低下するおそれがあ   る。
・ 追込みによる群れごとの捕獲は、文化の多様性を一つずつ潰していくような作業である。

そして、最後に粕谷氏は、「コビレゴンドウや類人猿のような社会性の強い動物に、果たして水産資源学的な管理方法が適用できるのか」と疑問を呈している。

真剣に考えたいところである。

2015年11月 4日 (水)

つながろう!入間、沖縄そして福島 デモ(クジラは出ません)

 昨日、入間で掲題のデモを行った。
 主催は『平和の声 行動ネットワーク入間(平和ネット)』で、駅頭で30分くらいのアピールの後、周辺を70人くらいで行進した。アピールでは、入間の基地拡張問題とともに、福島の現状や辺野古の緊急事態についての報告もあった。入間高教組からは、武器輸出を国策にしようとしているという怖い話もあったが、私たちが学生のころに、こんな時代が来るとは思いもしなかったと、同世代の人たちで嘆いたことだった。
 デモコースについては、平和ネットの代表が何度も狭山警察署に足を運んだが、当日は、お隣の入間航空基地で恒例の航空祭が行なわれると言うことで(もちろん、それにぶつけたわけだが)、騒ぎ等起こらないように、あらかじめ基地から離れたところを歩き(一部は歩道)、正門には近づくこともできないという不名誉なコース設定になった。当初は主催者も、あるいは航空祭を見に来る人とのいざこざがあるかもしれないと多少は緊張したものの、コースに沿ってはあまり人も通らず、いざこざなど望んでもないという結果だった。
 それでも、原発反対や安保法制反対に加えて、基地拡張のために貴重な森を壊すなというコールが商店街に響き渡った。
 そのあと、事務所まで行く用事があり、電車に乗ったのだが、ものすごい混みようで驚いた。警察などによると、30万〜40万人が航空祭を見に来るという。人々は、何の抵抗もなく武器展示を見たり、戦闘機となる飛行機に試乗したりするらしい。非力さを実感する。

 一方で、請願署名活動をするグループもあり、少しずつだが問題は広がりつつあるようだ。

森を守ろうというチラシを作ってみた。なかなか好評だったようだ。
「iruma_leaflet_front.pdf」をダウンロード

「iruma_leaflet.pdf」をダウンロード

「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会 (CCAMLR) 第34回 年次会合」の結果について

http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/151102.html

水産庁によるCCAMLR報告は下記。

「5. 主な結果

 (1)メロ及びオキアミの保存管理措置
 2016年漁期(2015年12月~2016年11月)のメロ及びオキアミの保存管理措置が次のとおり決定さ れました。
 ・メロ
 メロの総漁獲可能量(TAC*2)が10,995トン(前年:11,872トン)と決定されました。 我が国漁船 が操業を予定している海区の漁獲可能量は、合計で4,135トン(前年:4,373トン)となりました。
 また、現在閉鎖(操業禁止)されている海区において、メロ資源状態の調査を行うこと を目的とする 我が国の調査計画が昨年に引き続き認められました。
 *2 TAC: Total Allowable Catch
 ・オキアミ
 オキアミのTAC が574万トン(前年:561万トン)と決定されました。(我が国漁船の 操業はない)
 (2)海洋保護区
 ロス海及び東南極海における海洋保護区の設置提案について協議が行われましたが、合意に至らな  かったため、引き続き協議することとなりました。
 また、我が国より、海洋保護区の設置に際し、統一的な基準の下で各提案を評価するためのチェック リストの導入を提案し、歓迎され、本年休会期間中に完成させることとなりました。」←ここまで


南極連合の報告では、これまでロス海の保護区に、一番強硬に反対してきた中国が、改定提案の賛成に
回ったと。以下、南極連合のジル・ヘップさんの同報メールより

On the final day of the meeting, we achieved a significant breakthrough – China agreed to support a revised proposal of the Ross Sea marine protected area!
That progress was due in large part to the support from people like you, who participated in our Thunderclap, the Penguin Plunge, the petition, and other social media over the past year. Continued pressure by civil society is an important component of these negotiations. It is critical that the delegates know how many people are watching and that they will be held to account for their actions – or lack of action.
China’s support is an important step forward after years of talks. Following negotiations between China, the US and New Zealand, the revised Ross Sea MPA proposal is 20% larger than the previous plan, with a total size of 1.57 million km2. The increase comes from the addition of a 322,328 km2 krill research zone.
While this is a very important step forward, and huge progress was made, neither the Ross Sea or East Antarctic proposals for marine protected areas made it across the line this year.
However, there are good reasons to be positive about the future of our oceans. In recent weeks we’ve witnessed the creation of nearly three million km2 of newly protected ocean areas in other parts of the world.
These include huge areas around New Zealand’s Kermadec Islands, around Chile’s Desventuradas and Easter Islands, and around the Pacific island nation of Palau. Those countries and the organisations working on these efforts deserve huge congratulations.
CCAMLR’s failure is in stark contrast to these wonderful achievements.
The Antarctic Ocean Alliance and our partners will continue our work to strengthen support for these critical marine protected areas in the Southern Ocean, preparing delegations to meet CCAMLR’s conservation mandate in 2016.
Science, history and momentum are on our side. Eventually we will succeed. In the meantime, we would like to thank you for your concern and help in spreading the message.
Please press “share” to email or facebook this message along to a friend. The more ocean defenders we have, the better chance we have of making 2016 the year that marine protection progresses to the Southern Ocean.

« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »