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2015年7月30日 (木)

みどり恐怖症のおやじ(とおやじもどき)たち

 最近、あちこちの駅で電子音の鳥の声を聞く。あまり素直とはいえない私はそれで和むかわりにイライラするが、入間市の駅のプラットフォームでは、春から秋にかけて、本物のウグイスの声が聞こえる。暑い夏の昼日中も、電車待ちの間に、ウグイスと、その声につられてか、涼風が吹き抜けるという贅沢この上ない気分を味わえる。
 残念なことは、こうしたかけがえのない宝とも言うべき事を、ここに住むほとんどの人が気にしていない事だ。当然ながら、この声が聞け、涼風の恩恵を受けられるのが、背景となっている基地跡地や隣の家政大学の森、そして自衛隊基地との緩衝林のつらなりだ。だというのに、基地跡地は、特に目の敵になっており、’草ぼうぼうのなんとかすべきところ’なのだ。これまで、(幸いな事に)国に支払えるだけの予算がないためにそのまま維持されてきた。ここに防衛省の計画だ。

入間市のジョンソン基地跡地利用に関する審議会。おととい(7月28日)は、防衛省が’災害対策拠点’計画案を提出してから4回目。2回目の跡の市民説明会で総反対に遭い、受入れを表明していた市長がビビって、なるべく慎重な審議を、と形ばかり取り繕ったが、4回すればもう良いと思ったのか、それまでの意見を取りまとめ、審議会答申案を次回は出すという。

 ちなみに、この「災害対策拠点」とよばれるものの、自衛隊の通常(横田基地配備のオスプレイも含む)訓練と自衛隊員のための病院(後送病院といわれる)で、<使わないときは訓練地を利用することもできるかもしれない>とか<支障をきたさない限りで2時救急搬送を受入れるかもしれない>と、甘い言葉に期待をこめ、キラキラお目目になっているおやじたちがいる。
しかも昨日の審議会では、この計画が、本来ならば内閣府が策定する災害対策計画の来年度策定予定を待たずに、フライングして出されたものだという事も明らかになった。

 ところが、みんな、よほど夢から覚めたくないと見え、「防衛省による東町側留保地の利用は、基地の拡張・防衛力強化につながるという視点で論議すべきことではない。」そうで、内閣府の計画策定が先ではないのか?という意見は(驚いた事に)審議内容とは直接関係ないのだそうだ。
特に入間医師会長は、受入れ議論を自らが全権委任されていると錯覚しているのか、満員の傍聴席から野次が飛ぶと、顔を真っ赤にして「黙れ!」と叫び、「いま野次を飛ばした奴は即刻退場!」と怒鳴り出した。しかも、座長がその意見を取り入れ、野次を飛ばした人は退場。何を審議するのかと言えば、計画を受入れる事がどれほど入間市に取ってよいかということ、受入れるからかくかくの余録(サッカー場が欲しいな〜、道路拡幅工事をしてほしいな〜などなど)をつけてよ、という極めて下品なおねだりだけが許されるらしい。

28h、ドーム8個分という森を「草ぼうぼうのジャングルをただで整地してくれるだけでもありがたい」というのが多数決を占め、反対意見(一人)は、入間市が買い取って企業に売却する夢を捨てていないだけ。昭島市のただで開発という前例を持ち出し、視察を提案する。(昭島市にも反対はあった。その証拠に「オオタカの森」という緑地が残されているのが地図で確認できる)
 今回は、すでに審議会答申までたどり着いた事とて、「有志で」ということになったが、きっと、この視察は、駅前に残された緑(残りの基地跡地)をどうやったら企業に売りつけられるか、という道筋につながっていくだろうと推測できる。さらば、ウグイス、さらば涼風・・・
 反対する市民も、基地拡大に反対するも、代替案としての開発には反対しないかもしれない。
せっかく、オオタカの姿まで確認されているというのに、本当にそんなものがいたら面倒、とばかりに、企画課は植生の調査のみを来年実行予定だそうだ。

 21世紀になっても、化石のような認識しか存在しない事を改めて確認する。

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