« オフトピックですが(基地) | トップページ | よくわからないが「平和」の文字が »

2015年5月11日 (月)

大丈夫?マゴンドウ?

連休最後の日の報道。イルカ猟が終了して次は小型捕鯨か。

 http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20150506ddlk30040230000c.html
 沿岸小型捕鯨:今季初の水揚げ マゴンドウ2頭 太地 /和歌山

 毎日新聞 2015年05月06日 地方版

 太地町沖で今月から解禁された沿岸小型捕鯨で5日、マゴンドウ2頭(いずれ
 も体長4・7メートル)が今季初めて水揚げされた。6日に競りにかけられ、国
 内で販売される。

 このブログでは繰り返しになるが、日本政府の管理のもとで行なわれている鯨類捕獲は、農水大臣認可の小型捕鯨と知事認可のイルカ漁業(突きん棒+追込み猟)で、6日に捕獲されたマゴンドウ(コビレゴンドウ)は、小型捕鯨とイルカ漁業に枠が設定されている。小型鯨類では、2004年までマゴンドウに50頭、タッパナガに50頭が、2005年以降はそれぞれ36頭の捕獲枠が設定されている。
 その他にイルカ猟ではマゴンドウのみ1993年から2007年までは450頭の枠が、それ以降は毎年少しずつの減枠となっており、2014年/2015年には追込み147頭、突きん棒(沖縄)36頭の枠が設定されている。
 捕獲頭数は、水産庁の資料では2000/2001年に261(タッパナガ7頭を含む)、2001/2002に387(タッパナガ47)、2002/2003に176(タッパナガ47)、2003/2004に118(タッパナガ42)、2005/2006に154(タッパナガ22)、2006/2007に271(7)、2007/2008に338、2008/2009に182、2009/2010に295、2010/2011に44、2011/2012に121、2012/2013に213、2013/2014が99頭。2000年から2013年までだけでも2784頭。北方型タッパナガは、2007年以降捕獲実績がない。3つの方法で捕獲されているマゴンドウも、2010年には追込みのための発見がなく、猟期を1ヶ月延長したものの、捕獲はできなかった。(県と水産庁の協議で決定。研究者は反対したと聞いている)
 一方、水産庁の国際漁業資源の現況によると、日本沿岸におけるコビレゴンドウの推定個体数(資源量推定)は、同種の北方型であるタッパナガで5,300頭、南方型であるマゴンドウが15,057頭としている。
 
 長年日本沿岸でのイルカ類の調査・研究に携わってきた粕谷俊雄氏は、その労作「イルカー小型鯨類の保全生物学」で、この種の生態と人との関係に関して110ページに及ぶ詳細な解説をしてくださっている。
 これを素人に分かる範囲でまとめてみると、
・コビレゴンドウは世界の熱帯から温帯にかけて生息し、日本沿岸には千葉を境に北にタッパナガと呼ばれるタイプと、南にマゴンドウと呼ばれるタイプが生息する。タッパナガは、マゴンドウに比べてオスで2m近くも大型である。
・移動範囲はそれほど広くないが、いくつかの個体群が存在すると考えられる。アメリカ西海岸でよく研究されているシャチに似て、「母系の単位が基本となって、それらが合流したり、離れたりして生活している」のではないか。(現在のいわゆる‘資源量’推定では、個体群の考慮はない)
・メスの寿命は最高齢で62年で、オス(平均45)に比べて長い。
・妊娠期間は15か月と長く、授乳期間は3歳から6歳くらいまで。メスは40代を過ぎると更年期を迎える(群れの20~30%)。
・年取ったメスは、その経験上、育児と情報の担い手として群れの生存に貢献している。
・「個体の知識として蓄積された情報やそれに基づく行動は、学習によって群れの中の他の個体に引き継がれ、世代をまたいで保持されるに違いない、これが動物行動学で言う文化である」こうした文化は、「鯨類集団にとっては自らの適応力を高めるもの」であるし、「種にとってはその多様性を種内に保持することは種の生存の可能性を高めるもの」である。従って、種の遺伝的多様性だけでなく、文化の多様性を保存する必要性があると思われる。
・小型捕鯨による老齢メスの間引きにより、群れ組織を破壊し、生活能力が低下するおそれがある。
・追込みによる群れごとの捕獲は、文化の多様性を一つずつ潰していくような作業である。

そして、最後に粕谷氏は、「コビレゴンドウや類人猿のような社会性の強い動物に、果たして水産資源学的な管理方法が適用できるのか」と疑問を呈している。

« オフトピックですが(基地) | トップページ | よくわからないが「平和」の文字が »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。