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2014年10月17日 (金)

IWC65inPortoros 4日目(最終日)

 最終日の報告に入るまえにちょっと一休み。

 http://natureisspeaking.org/
 この「自然が語る」というショートメッセージのフィルムプロジェクト、CBD/COP12に合わせて
発表されたようだ。人さま(CI)のキャンペーンだが、なかなかよく出来ている。
ご覧の通り、自然に成り代わって話すのはハリウッドの大物俳優たち。(個人的にはエドワード・
ノートンのSoilが良かったかな。もちろん他のもそれぞれなかなかいい)
(日本の有名人も「鯨肉を食べましょう!」キャンペーンなんか手伝ってないで、もう少し
マシなことを考えたらどうでしょうか)

YouTube sharing links to the films:
The Ocean - Harrison Ford: https://www.youtube.com/watch?v=rM6txLtoaoc
Mother Nature - Julia Roberts: https://www.youtube.com/watch?v=WmVLcj-XKnM
Water - Penelope Cruz: https://www.youtube.com/watch?v=fwV9OYeGN88
The Redwoods - Robert Redford and his granddaughter: https://www.youtube.com/watch?v=3e66bnuxV2A
Soil - Edward Norton: https://www.youtube.com/watch?v=Dor4XvjA8Wo

 さて最終日(18日)最初は財運。日本などによる運用に関する技術的な作業部会にチリとオーストラリアが参加。
<財政運用委員会>
財運暫定的な報告は
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3461

予算小委員会については
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3541

 資金の欠乏しているIWC運営にとっては、実際膨らんでいく予算と、どのように予算を削減していくかは大きな課題だ。事務局スタッフの削減や銀行手続きの変更などで削減努力を行なうことなどの報告。また隔年開催による予算の編成、守秘義務のある財運に関する資料の締約国へのリスト送付に手続き規則の変更などが必要、などなどの報告がなされた。科学委員会に関しては、鯨類保全・管理に関する調査の増加に対しての予算の不足と保全に関してのボランタリー基金による運営の限界について。
 議論の概要はサマリーにあるが、参加国が増えたに関わらず、いつでも資金繰りがなぜか非常に悪い。今回のNGOの参加費は580£と10万円を超えたが、これは他の国際会議と比べて高すぎると思う。しかも、2016年には再び値上げで600£になるようだ。作業部会を設置して経費節約に務めているようだし、確かにコスト削減努力は(以前のように紙資料はなくなり、今回は投票用紙さえなかった!)しているようだが・・・

 オーストラリアが調査捕鯨についてのレビュー会議開催費用は発給国が支払うべきでは?と意見。
アメリカは、将来的な調査捕鯨のレビューを(科学的なメリットがあったかどうかなどを見る)ちゃんと評価した方がいいから予算に含めようと言う意見。
 日本は、ANNEXPに従ってレビューを行ったが、2月の評価会議に関しては日本が負担したと発言。8条の権利に関して追加的な制約を課すものであってはならないので予算項目に含めるべき。
 NZが原則として発給国が負担すべきだが、同時に科学委員会のもとで開かれるべきと意見。
日本は長期、短期的に問題が生じると意見。科学委員会開催の時であれば、報告書作成はANNEXPに従って100日前に提出しなければならない。また、コスト負担については関係国と協議するが、科学委員会の責任で開催されなければならないと考える。
 議長が、日本と関係国での協議を提案。

 財運の続き。メディア負担を無料にするという報告。市民参加については66回に見直し。アンティグア&バービューダがオブザーバ−の負担について支持を表明。途上国の参加に障壁があるのに比べ、先進国はその国の目的を進めるためにNGOを利用している、と。透明性や市民参加は支持するが、同時に途上国にも同じ利益を。

 議長が、途上国参加に関しては2011年に作業部会が組織され2012年に議論があったが、参加が少なく有益な勧告がでない。包括的な提案がでていない。
ギニアは提案を出したいが、公用語がフランス語なのでむずかしい。いくつかの国が提案をまとめる作業に立候補。
 ボランタリーファンドに関して、アンティグアが自主的なファンドの設立は、利用のしかたで貧困国への影響が大きくなり問題があるとコメント。使い方についてもレビューが必要で。そのうちの数%は全体活動にまわすべきという意見。
 アメリカはファンドなければ関与が難しい人たちのために必要なものだと主張。連携して技術なdの向上のため、ASW作業に関連する人たちでハンター組織を作った。提案があれば60日前までに提出すべき。日本はアメリカに賛同。閉会期間中に議論するべき。

 次回会合日程として、科学委員会は2015年にサンディエゴで開催する事に決定。ビューローの構成メンバーが4名席が空いている。

 NGO発言。キャンペーンホエールから、ら網(漁網に絡まるクジラの解放)ネットワークのトレーニングなどに17団体が17000ポンドを寄付するという報告。

 NZが発言。2014年予算については、1年間SORPを優先し、そのコーディネータへの資金の提供を検討してほしい。
 保全委員会からはその負担が増えており、ミーティングの時間も半分にしている、チリが年次会合に行うべきではと提案。また、ら網とマリン・デブリス(海洋ゴミ)の関する作業に支援が必用。

 オーストラリアが日本とNZでの協議でJARPAIIレビューについて科学委員会から拠出する事で合意。

<決議>
・チリ提案の市民参加と透明性
日本はコンセンサスを受け入れると同時にNGO行動規範についてきちんと記録に残してほしいと要望。
コンセンサスで採択。

・科学委員会について
 アイスランドが小型鯨類の管理はIWC権限外であると発言。NAMMCOで保存管理を行っており、大型鯨類に関してはRMPが唯一重要な作業である。決議案は保全に偏っており、限られた時間内での合意に苦慮した。コンセンサスをブロックしないが、科学委員会の予算への影響がないことを望む。
日本は小型鯨類はIWC管轄外だという基本的な日本の立場は変わらないと発言。
 他、ロシア、ノルウェー、アンティグアなど’持続利用派’はコンセンサスはブロックしないが小型鯨類は管轄外で立場が一致。ギニアはIWCでの負担が大きいとコメントし、小型鯨類の管理に余分な負担がかかる事を懸念。
 しかし、コンセンサスは誰にもブロックされずに採択。

・特別許可のもとでの捕鯨について
 NZが会議の効率化に寄与できると思ったがコンセンサスを得られなかった事を報告。日本が建設的な議論があった事を評価しつつ、受け入れられないおおきな問題があったと報告。
 アンティグアが決議案は2つある(保全と管理)ものの一方に偏り、急進的になりすぎると批判。先に進めるためには不要の対立を生んだと主張。
 アイスランドは8条の内容を越えるもので、科学調査は認められるべきと意見ノルウェーも科学委員会が保全・管理に寄与するという主張は狭義に過ぎると意見。
 NZが議論が尽くされた。将来委員会が議論となった内要についての結果を明らかにしていくだろうと採決を希望。

 35対20棄権5で採択

日本:南極海での調査データは必要不可欠なものだ。農水大臣の支持により、日本は2015年から開始する新計画を策定予定だ。ICJの判決に基づいて関連国際法に則った計画を作る。
オーストラリア:採択された事を歓迎する。判決が科学プロセスに反映される事を望んでいる。決議内容は捕鯨に反対したものではない。将来的には科学許可が決議に基づいて実行される事を望んでいる。また、新たな計画の予定については、科学委員会が決議内容を反映するよう、議長と専門家パネルには決議のコピーを送付してほしい。
アンティグア:建設的な意見が盛り込まれず残念。コンセンサスを持たない決議は組織内の意思決定に影響を与えるべきでないとICJ判決は言及している。

(以下、最初に書いたように、ラテンの国々にとっては苦渋の選択だったのがわかる)
アルゼンチン:判決に関わるものではなく、特別許可そのものについての決議を求めてきた。今回は賛成したが、特別許可についてはモラトリアムを尊重し、致死的ではないものを求めていく。
コロンビア:決議はまだ様々な解釈が可能であり、非致死的調査を求めるものとしては賛成できなかった。
エクアドル:棄権した。コンセンサス作りに感謝している。調査は保全に会うものに変えるべき。
メキシコ:賛成したが次のステップが重要だと考える。持続的な海洋資源の利用については他の手法がある。
ブラジル:ICJ判決との一貫性を求める。捕獲調査に反対だ。
ドミニカ共和国:鯨類の生命を守りたいという堅固な立場である。
韓国:NZの努力に感謝。中長期的な観点から検討していきたい。コンセンサスがないことが残念である。

・食糧の安全保障に関する決議案(ガーナ)
 鯨類資源によって世界の飢餓軽減を図りたいという提案。これまでのところコンセンサスは難しいと提案国のガーナ。
アンティグア:決議を支持する。沿岸国の食糧事情を考え(クジラも)利用を考えるべき。NGOは何十億もの利益をもたらすからとホエールウォッチング事業を支援する。しかし、NGOは沿岸国より高いもうけを得ている。誰が恩恵を蒙るのか考えるべき。
(議長が限られた時間内で終わらせるためには長い発言は控えるべきと意見。この後、議長はどうやらアンティグアに嫌われたらしい、口もきいてくれない!と冗談)
ノルウェー、ギニアなど捕鯨推進側から支持の意見。しかし一方で飢餓の問題をIWCの権限を逸脱している、むしろFAOなどの国連機関の管轄ではないか、という意見がアメリカやモナコ、エクアドルなどからでる。
ガボン:クジラが世界の食糧危機を救えるとは考えられない。先住民に関しては保証されている。むしろ食糧危機に対しては漁業の生産性を向上させる方が有効ではないか、と発言。
コートジボワール:IWCは地球の真の問題にフォーカスすべき。含めないのは倫理的に問題がある。
イタリア:コンセンサスを得るために十分な議論が行なわれなかった。EUは文書で意見を提出したが、反映されていなかった。この提案にはモラトリアム解除につながる文言が含まれているようだ。リオ+20で海洋資源の利用について合意がなされたが、持続的利用には生物多様性と環境保全が含まれており、将来世代のためには予防的なアプローチが欠かせない。だが、今後も協議を重ねる用意はある。
コスタリカ:我々も途上国であり、食糧安保と人権に関してはあらゆる国際機関で発言してきた。しかしこれはIWC内での課題ではない。
(議長がガーナに判断を求める)
ガーナ:食糧安保の重要性については理解してもらったと思う。ディスカッションの幅を広げるべき。閣僚会議で決定したものなので文書を修正する必要がある。閉会期間中に検討し、2016年に再度諮る。

・南大西洋サンクチュアリ
ブラジル:2国間あるいは地域会合を継続し、IWC以外の国も含む沿岸国がその管理計画に参加している.モンテビデオ宣言にもあるように、この決議は食糧安保にも貢献しうるものだと考える。しかし、残念ながらコンセンサスが得られなかったので投票にかけたい。

投票の結果、賛成40、反対18、棄権2で、附表修正に必要な4分の3の支持は得られなかった。

いくつかの国が投票に関してコメント。
デンマーク:EUとの協議をもとに賛成した.しかしこれを前例としたくない。
ギニア:モラトリアムがあるのにサンクチュアリを作る事は理解できない。
モナコ:食糧安保に貢献できるサンクチュアリ提案に食糧安保を推進する国が反対するのはなぜだろう?
ブラジル:毎回サポートが増えている事に勇気づけられている.科学的情報を収集し、漁業に貢献していく事で設立を目指す。2015年の科学委員会で提案を検討することを願っている。

・南大洋サンクチュアリ
科学委員会議長:手続き上の助言が必要。保全委員会がどのように外部の専門家を生かしているのか。
オーストラリア:科学委員会の作業を外部専門家が評価。保全委員会が勧告を出すという作業。ただし、外部専門家の評価の内容は役に立たなかったので、今後は適切な専門家を選ぶにはどうするかという事が必要。科学委員会のメンバーを検討。
日本:外部専門家の活用についての意見にも相違がある。人選については議論を行ないたい。
アンティグア:既存のものについては評価するが新たな提案には手続き規則が必要。
オーストラリア:委員会で提案し、保全委員会で採択されたものを直近の会合で採択する手続き。外部の関与をどうするかという科学委員会の質問に関しては作業手法上どのような専門家を選択するのかで決議とは異なる。

・日本の小型沿岸捕鯨の附表修正
日本:RMP で持続可能な計算枠が作られた今回提案はEEZ内の操業で国連海洋法条約でも主権国の主権が認められているところ。提案にそぐわない発言もあった。投票に付したい。

 投票結果は賛成19反対39棄権2で否決。
(議長が日本は過去20年間も提案し続けている。自分は鮎川にいったこともあるので残念と発言。でも本当は否決され続けるのがこれまでの日本の方針では?!)

アンティグアが一方の側だけ資源が使えて一方は使えないのはおかしいとして、今後もサンクチュアリに反対し続けると宣言。
日本は、どこが反対するのかどんな理由か正確なところが知りたかったと発言。それについてそれぞれのレベルで対応していく。RMPに基づく持続的な捕獲枠を土台にプロセスを進めるため閉会中の作業部会を組織する。すべての締約国に門戸を開き、透明な進行でなぜ捕鯨に反対するのか、非科学性が明らかになるだろう。などなど。
加えて、日本では与野党すべての議員が捕鯨に賛成であり、議連メンバーは100人にものぼる。首相もその一人、捕鯨推進には政治的なニーズがある事、今回の結果によって今後政治的な関与が強まるだろうという予告。こうした踏み込んだ話はもしかしたらSOSかも?とさえ思わせる森下さんのやつれぶり。
(この後、参加していた日本の議員と太地ご一行さま退場。午前中に帰る話は他から聞いていたが、まあそれにあわせて採決に伏して、ー予算獲得のためーこんなにがんばっているのに、というポーズをしっかりと見届けさせるつもりだったのだろう、と推測)

 昼休憩を挟んで午後は残りの議題。
・科学委員会議長交替

・クジラの人道的捕殺法と関連する福祉についての報告書採択

・違反について
議長がASWに関する手続き上の問題に言及。オペレーションエフェクトネス(?)委員会で対処。

・科学委員会の報告採択

・保全委員会議長交替

・アルゼンチンの意見(グリーンランド捕獲が違反であるという事)については、2016年以降に対処すると議長がコメントし、違反委員会の報告も採択。

・ASW報告と勧告採択

・財運委員会
 参加メンバーの確認。財運委員長アメリカ、副委員長はメキシコに決定。
報告と勧告を採択。

・本会議議長選出
本来、議長となるべき副議長のフレデリック・チェマイ氏が急病でスロベニアから急遽ベルギーに帰国したため、ベルギーが声明を出し、次期議長にスイス代表のブルーノ・マイニニ氏を推薦し。コスタリカが支持したので決定。スイスが副議長に森下氏を推薦し、ガーナが支持し、これも決定。
(保全委員会で船との衝突など保全を熱心に推進したベルギー代表のチェマイ氏は、この後9月30日に逝去されました。53歳という若さでした)

ビューローはスイス、日本(正副議長)、ラテンからウルグアイ、アフリカからガーナ。オセアニアからオーストラリア、カリブからセントルシアと財運の正副議長(アメリカ、メキシコ)で決定。

・エクアドルによるホエールウォッチングでの地域おこしにつての映像。貧しい漁村にザトウクジラの研究者が調査・研究に住み着き、漁業者とともにウォッチング産業を興して成功する(最初に書いたように、日本語通訳なし)。
議長が次の開催地は決まっていないから、是非エクアドル手を挙げてね、と声かけ。

・本会議サマリーの点検。いくつかの文言修正。
http://iwc.int/private/downloads/192hiqnljnoksok0oswsks4oc/IWC65%20Summary%20of%20Outcomes.pdf

科学委員会は2,015年月20日から6月4日までサンディエゴで開催予定。

(そういえば、10月に行われるはずの新JARPA計画の専門家検討会議。10月半ばだというのに風の噂もなし。日本は確か、繰り返し林(元)農水大臣の指示で透明性を高めてプロセスを公表とかいっていたが、日程さえ聞こえてこないのはなぜ???)

2014年10月 9日 (木)

IWC65inPortoros 三日目午後

 午後は、イギリス提案のクジラ捕殺と動物の福祉のアクションプラン最終版がウェブに掲載されているので確認するようにという案内。
 保全委員会からロシアが日本、アメリカとニシコククジラの保護管理計画に関する覚書を結んだ事を報告。又、鯨肉取引に関して、アイスランドとノルウェーがワシントン条約の留保手段を使って鯨肉を輸出し、規模が拡大している事を懸念。

<海上の安全>
 そのあとは、恒例の海上の安全についての日本のプレゼンテーション。日本語で。
2005年から2013年にかけ、繰り返し暴力行為が行われ、意図的に調査船に体当たりし、乗組員が負傷するなど人命に関わる妨害行為が行われている。それについては2012年アメリカの第9巡回裁判所により、シーシェパード及びポール・ワトソンに対して、公海航行船の457m以内に近づいてはいけないという裁定が下されている。しかし、2012/2013には、スクリューにロープを投げる、レーザー光線を照射するなどの悪質な妨害が行われている。2011年、2012年には本会議でこうした妨害抗議に対する決議がコンセンサスで採択されたが旗国などの具体的な行動が不十分。入稿禁止措置や監視措置によりもっと積極的に関係国が関与すべきという主張。 

 次に太地の漁業組合長が太地における小型鯨類捕獲に際して、海外活動家の活動が活発化して、町民の尊厳を傷つけているという訴えがあった。

 議論がフロアに移され、オランダがこれまでと同じく問題解決はIMOの管轄で、国際法として解決すべきであると前置きし、2013年に関係各国と共同声明を出した事に触れて、平和裏に反対運動をする権利をオランダは認めているが、危険な活動には反対すると主張。オーストラリアは危険な活動によって万が一の場合は救助者にも危険が及ぶ事を懸念。シーシェパードの活動は認められないとし、日本の懸念を共有すると発言。
 デンマークが最近のフェロー諸島におけるゴンドウ猟へのシーシェパードの抗議活動に言及。自治政府との関係から、対話を通した問題解決を望むと発言。
 ニュージーランドは、ICJ判決により、日本が本年度は目視調査のみを実施するという事なので、このような事件が起きないことを祈っていると発言。

 日本は抗議活動を支持しないことに感謝しながらも、オランダに対してはシーシェパードが合法的な寄港の権利を持っていないので旗国として文書ではなく、実際的な行動での責任を果たすべきと言及。

 そのあとは、日本捕鯨協会の発言。協会に属している関係会社は南極に労働者を送っており、危険な労働に関して懸念をもっている。妨害船の船籍を与えている国はそれをやめてほしい。

<保全委員会/小型鯨類の保全>
 海上の安全の後は科学委員会の活動のひとつである小型鯨類について、保全委員会から報告。
小型鯨類の保全に関わる活動は、ボランタリーな基金によって運営されてきた。2009年のオーストラリアによる基金の他、ドイツ、イタリア、スイス、アメリカの他、NGOによる基金が寄せられている。2013年には、15のプロジェクトを実行したが、科学委員会からそれらの活動の優先順位をつけるよう助言されている。
 イギリスから、鯨類のブッシュミート利用への懸念が示された。陸上における(ブッシュミートの)事例に学んで対処すべき。
 科学委員会の支援により小型鯨類に関するタスクチームを組織して閉会中に提案をまとめる。

・バキータ メキシコ湾に生息する小型鯨類で、エビ漁の刺し網や定置網による違法な混獲がまだなくならず、わずか100頭残るのみとなっている。アメリカとメキシコが共同宣言を出し、その存続に力を注いでいるが、2018年には消滅するのではないかという危機的状況が続いている。漁具の改良や雇用の創出など、違法な混獲がなくなるように努力が重ねられている。
 IUCNによると15年前には700頭生息していたのがおよそ100頭に減少している。バイジー(ヨウスコウカワイルカー中国)に次いで絶滅の危機にある。
・イタリアはEUを代表してバキータ、マウイ(ヘクターの亜種)イルカ(NZ)、フランシスカーナ(ブラジル、ウルグアイ)の3種のイルカ保護に15000ユーロを拠出すると発言。
他にも、捕鯨をやめて小型鯨類が絶滅を回避できるようにすべてのコミッショナーが参加して努力すべきなどの意見が多数でる。イギリスも小型イルカの絶滅回避のため2万ポンドに加え、1万ポンドを拠出。タスクグループの設置を支援。
・モナコは小型鯨類の危機について報告書150pに記載があるとし、生息地の後退や気候変動による移動パターンが変化し、孤立する個体群が出来ると懸念。
フランシスカーナについては、ブラジルとウルグアイが混獲回避のための行動計画を策定。
・カンボジアが同国のメコン川に生息するイラワジカワイルカについて、日本との協力による管理措置をとっている事を報告。WWFと緊密の例軽視、コーストガードを配置、毎月それぞれのサイトを巡回する。クメールルージュの時代に、多くの人が殺されたが、またイルカも2000頭近く殺されたと報告。
・ブラジル環境省はナマズ漁の餌となっているピンクドルフィンの保護に、イルカを餌としないナマズの認証を始めたと報告。ナマズの餌にした場合は罰則が適用される。

 NGOによる発言(EIA)バキータ保護のためNGO48団体が署名。不法な刺し網などによるエビがアメリカと中国に輸出されている事を指摘し、刺し網禁止海域設置を求める。
続いてAWIはニュージーランドのマウイイルカについて、1975年から95%の減少を報告。既に55頭残っているのみ。IUCNがトロール漁業の自粛を求めており、2013年実施されたが、科学委員会の勧告レベルよりも狭く、20%程度しか保護できていない。20海里の狭い範囲の生息なので、科学委員会の勧告に従うべき。
 ニュージーランドがマウイイルカ支援に感謝。保護の拡大を約束。沿岸6万ヘクタールで定置網とトロールを禁止措置をとる。

<SORP報告>
科学委員会報告書26P。
 提唱者のオーストラリアが報告。SORPは2008年にオーストラリアが6年間で3200万ドルの資金を拠出し、11カ国がメンバーとなリ、事務局はオーストラリアの南極部局が担って開始された。非致死的な調査活動でシロナガスやシャチの分布状態やヒゲクジラの南極での摂餌行動など幅広い調査が行われた。オーストラリアとアメリカの資金提供で継続しているが、今後の長期的な調査には基金が必要とされる。

<科学委員会の作業の手順・それ以外の仕事、DNAと個体群の定義など>
 データのアクセス、保全関連の支援、科学委員会の予算のレビュープロセスの改善などの報告。

<環境と健康>
NZ:小型鯨類への重金属の蓄積について国際協力が必要。
モナコ:データの受け渡しだけではなく、鯨類への影響を考える必要がある。例えばマイクロプラスティック砕片の生物蓄積など、自然消滅しない物質がどのように影響するのか、他の物質との相互作用も評価しなければならない。
ウルグアイ:水銀汚染に取り組んできた。適切な場で再び問題を指摘したい。

(いわゆる海洋ゴミー「マリン・デブリス」の中でも最近の大きな懸念材料となっているのはプラスチックの破砕物。海洋生物の体内に蓄積し、蓄積された魚を消費することでいずれ人間のもとに戻ることも大きな問題である。
 そういえば、カリフォルニア州でプラスチックバッグの使用を禁止するというニュースが。
http://ecowatch.com/2014/09/30/plastic-bag-ban-california/
 鯨類の保全・管理にはこうした包括的な視点が非常に重要だし、クジラ問題対立の根っこに存在するものである。一方’保存と利用’の両立を主張する日本。クジラ資源をどれくらい利用したら絶滅しないか、というコンピュータシミュレーションを唯一IWCの正しい科学として認識しているみたいに思えるのはわたしだけか)

<北極圏ワークショップ>
 気候変動による解氷などがガスや石油開発、航路開発を推進する可能性によって直接的、間接的に鯨類に与える影響調査の一環として、アメリカ政府及びWWFの基金により北極圏ワークショップが行われた。
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3485

 今後、常設議題として扱うべきとデマスターズ作業部会議長。アメリカが北極圏評議会(ARCTIC COUNCIL)など他機関との協力のもと、作業を進めるべきと助言。

<違反委員会>
 ノルウェーのワロー博士が議長を務め、通常申告される年齢やほ乳中、違法に捕獲されるクジラに関しての他に2点、今回は議論された。
 一つ目は、2012年に捕獲枠のつかなかったグリーンランドが自主的な枠で捕獲した事が違反に当たるかどうかという議論で、もう一つは、ICJにより「科学調査ではない」とされたJARPAIIに置ける捕獲が違反かどうかということである。

 アルゼンチンは、グリーンランドがナガス、ザトウ、ミンククジラを捕獲した事に関しては違反と記録すべきと主張している。これに関しては、アイスランドが科学委員会で認められているからいいんだ、と発言。オーストラリアなどは委員会の承認を得ていないので違反だという意見。
IWC 事務局からデンマークが示した2012/2013捕獲枠に関して詳細が記録されているという報告。

 議長がIWC 64において、枠は設定されなかったがそれはゼロを意味しているわけではないという発言。日本は64回会議がそうした状況を生み出す元となったので違反とするのは理にかなっていないと発言。又、JARPAIIに関しては当事者同士に対する判決であり、判決参照と付記すればいい事だと反論。

 ロシアは状況説明があれば十分という意見。プロセスを記録すればいいじゃないか。下関だって枠が決められなかったのでケンブリッジで特別会議をして枠を設定した。
(何で下関の場合は特別会合を行って枠を設定したのに−そして多くの国もそう考えていたはずだと思うがー今回はそれがなかったのか謎である)

 議長が再び発言。パナマでは対案がでなかった。投票するなら対案が必要である。ゼロという意味ではない。アメリカが議長の意見に賛同。

 メキシコ、エクアドルなどのラテン諸国が議長意見に反対。条約に抜け道を用意する行為ではないのか。規則があるのに勝手に解釈していいのか。
 モナコが議長の解釈は個人的見解ではないのかと発言。なぜ時間をかけて枠の設定を検討しなかったのか、ともっともな発言。(枠を増やさなければ可決されたのに〜とエクアドル)

 議長はさらに枠を与えることができなかった委員会が間違っていたと発言。過去にこだわらず生産的な発言を求める。日本が間違ったテーマを議論している。不幸な状況を繰り返さないためになにができるかでグリーンランドに罰則を科すべきではない。

 デンマークはIWCの枠内で行動している、パナマ会議の後にも議論を継続し、データは提供してきた。今回の枠の採択に感謝している。

 議長が、とうとうこの件についてはASW作業部会の中でさらに検討しようという提案を行った。
オーストラリアが作業部会は実施国の限られた人数しか参加できないのでより広い参加が必要と意見。

 JARPAII違反についてはオーストラリアが日本の提案を受け入れ、ウェブ脚注に入れるという事で合意。

<決議>
・市民参加と透明性/科学委員会について
 チリが65/12(市民参加)に関してコンセンサスに達したと報告。しかし手続き規則について日本などから質問があり、修正を行い最終日に持ち越す。科学委員会についても質問に答えるためは継続。

 ガーナ提案の食料安保とニュージーランドの決議案については最終日の予定。

・社会経済的救済措置/沿岸小型捕鯨
 日本がオーストラリアに対して前回出した2つの質問を繰り返す。
1)RMPプロセスを完了すれば支持を得られるのか。
得られないならそれはなぜか、何をすればいいのか。
2)10e(モラトリアム)は商業捕鯨の禁止ではない。再開を禁じている文章があるのか?
ICJの判決もICRWの目的に適わないからとされている(目的は持続的利用だ)。

 オーストラリア:出された質問の答えは既に環境大臣が冒頭で発言している通り。オーストラリアの立場は商業捕鯨反対である。先のオーストラリアの意見は、出された提案内要についての指摘だ。8つのステップの3つ目までしか完了していないので、完了してから提案すべきではないか、というもの。
アメリカが10eの捕獲枠ゼロを維持すべきと発言。
 NZはICJに関連して答えたつもりである。JARPAIIが8条の科学調査ではなく、先住民生存捕鯨でもないのであれば禁止されている。日本の質問は約束を求めるものなのか、脅しなのか。
イタリアもEUを代表し、商業捕鯨に反対の立場。
 日本は、どんな場合も反対なのに科学的なステップにこだわる事が理解できない。主張しているのは10eに基づくもので一定の条件があれば認められると考えている、どんな条件でも反対なのであれば10eに背くものではないのか。脅すつもりはない。今晩よく考える。

・南大西洋サンクチュアリ
ブラジル:沿岸国との競技が続いている。提案の中の懸念を説明している。明日提案。

<鯨類の捕殺と福祉>
ノルウエーがいくつかの懸念が残されているが、協調の精神で支持すると発言。南アは小作業部会参加表明。報告書は採択。

 チリが市民参加に関して疑問のあったアイスランドと合意したと報告。

 最終日にたくさんの決議採択がまわされ、明日は8時半から開始予定。


2014年10月 7日 (火)

IWC65inPortoros 三日目午前

<加盟国以外による捕鯨>
 3日目の最初の議題は加盟国以外による捕鯨。カナダ(イヌイットによるホッキョククジラの捕獲)とインドネシア(マッコウクジラ)が条約に加盟しないで捕鯨をしている。カナダからは科学委員会に捕獲に関する報告があったが、インドネシアからはなかったという報告。今後とも両国にデータ提供を求めていく。

<他の機関との連携>
 次に国連の他の機関との連携が議題に上がる。IWCにとっては鯨類に関する科学的な役割と同時に政策にも関連している。これまでもIWCはCITES、CMS、 IMOなどとの協力関係を保っている。
ウルグアイ:昨年締結された水俣条約にちなみ、その覚書に従い、鯨類の水銀汚染の調査、科学的な解明、一般への啓発などが重要。水俣条約との協力をすべき。
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3593
これは、前々回のIWCの環境と健康の決議(鯨類に蓄積する水銀による鯨類と人への影響を懸念し、影響軽減を図る)に呼応したかたち。
 
 (ウルグアイと言えば、WTOの生みの親の「ウルグアイラウンド」で知られるが、2012年ブラジル  で開催されたリオ+20における「世界一貧乏な大統領」スピーチで、逆の意味で脚光をあびること
  に。
  https://www.youtube.com/watch?v=ehk_4tYddI8
  ムヒカという78歳の大統領、質素な農園に暮らしおんぼろワーゲンを運転し、所得の何と90%を
  貧困撲滅や零細企業の支援などの運動にカンパし続けているという。
  他にも、ボリビアが2010年に制定した「母なる大地の権利法」など、活発な動きがある中南米諸
  国。http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/12/post-ad79.html
  先住民の権利と自然の権利が結びついたラテンの国々の最近の動きを軽視してはいけません)

イタリア:海洋における脅威に対応するため国際機関との協力は必須。ACCOBAM,ASCOBAN,RIMOなど。
コスタリカ:生物多様性条約との連携を求める。特に生態学的、生物学的重要海域(EBSA)に関して。

<RMP関連>
 イタリアが商業捕鯨のモラトリアムを支持するとし、条約の規定を留保したアイスランドの捕鯨に懸念を示す。同国内のホェールウォッチング産業の発展も阻害しているという報告もある。アルゼンチンがこれに加えて、鯨肉の国際取引について言及。枠の設定を再考すべきではないかと発言。イギリスが捕獲頭数が毎年増えていると発言、管理保全を損なう行為であり、1986年合意に基づき、アイスランドとノルウェーは留保を取り下げるべき。

 アイスランドがこの件は別に目新しい事ではないとし、持続的利用の原則に従い、資源豊富なナガスとミンクに限り、国際的行動規範に従っていると反論。アイスランドはモラトリアムが科学的根拠内として脱退し、2002年に留保をつけて再加盟した。同国水産物の40%は輸出して経済的な基盤を作っており、持続的利用の可能な種にクジラも含まれる。ホエールウォッチングとの共存は可能であり、なぜ批判されなければならないか理解できない。憎しみに基づくものではないのか。
 日本もこれに唱和し、10e(モラトリアム)に商業捕鯨を禁止する文言はない、と再び10eを持ち出す。RMPは商業捕鯨の捕獲枠のために設定されており、コンセンサスで採択された。商業捕鯨反対というのは一貫性に欠けるもの。
 議論はまたしても平行線である。

<特別許可>
 日本が国際司法裁判所の判決に関連して短いパワポプレゼンテーションを用意したと発言。

 日本:この判決は当事者に対しての拘束力は持つが、IWCに対しては権限があるわけではない。判決を利用すべきでない。判決では、JARPAIIに関して捕獲を禁止したのであって、新たな計画を想定したものだ。
 国際捕鯨取締条約の序文には、鯨類資源の適切な利用と秩序ある捕鯨産業の発展がうたわれている。そして、同じく8条では致死的調査を認めている。オーストラリアとニュージーランドは致死的調査に関して過大な解釈を行っているがこれについては判決でも却下されている。(ガイドラインの)コンセンサス決議は、道徳的な義務であって、致死的調査の手法を禁ずるものでははない。
 又、鯨肉の販売が商業性を表すとは認めていない。得られた利益を調査利用する事は8条の範囲内。
 調査の設計、実施、目的達成については不十分とされたが、一方で致死的手法を含めた調査は全般的に科学であると認められている。

 オーストラリアが早速反論。判決の当事国はオーストラリアとニュージーランドだが、国際法に照らして判決を読むべき。判決ではJARPAIIが8条に照らして科学調査ではないとした。母船式の捕獲をサンクチュアリ内で実施する事は違反行為であり、特別許可調査はすべての条件を満たすべき。又、IWCがこの判決に従って判断基準を作る事は可能である。判決文を全文読んでほしい。
 ニュージーランドも呼応。確かに新たな科学のための計画は可能であるが、従来通りの計画について、あってはならないと警告を発している。過去8年間の調査捕鯨が8条の範囲を超えているという判断は、これまでの科学者や本会議の疑問に合致する。判決ではまた、2点しか査読論文がでていない。3600頭もの捕殺が必要だったのか。判決では、委員会の勧告を十分考慮すべきとある。
 メキシコも意見。JARPAIIが8条に準拠していないので発給を差し止める事というところで終わってはいけない。将来の特別許可捕獲が条約に準拠するようにここでその規則、手順を作る必要がある。
アメリカ:保全・管理の技術が向上しており、非致死的調査が行われるようになっている、致死的調査は8条の元では不必要だ。
 アルゼンチン:新しい機会が到来したと受け止めており、判決は喜ばしい。独占的な方法が二度と行われないよう、大きな変更が必要。
 モナコ:判決の61パラに注目。特別許可の捕獲、捕殺、加工が一国の裁量であってはならないとある。委員会は許可発効前に議論を行い、委員会の意志を表明するべき。

 日本が反論。誤解がある。2014/2015はJARPAIIを繰り返さない。新たな調査計画は、ICJに準拠し、その結論を反映させる。判決に従っていないわけではない。

(これまでと異なり、なぜか日本の援護発言をする国がみあたらない!)

 既存の許可についてアイスランドの計画の評価が行われたこれについての意見はない。
<JARPAIIの評価について>
一方、2月に東京で開催されたJALPAIIの評価会議について、日本が多くの有意義な示唆を得た事、保全・管理にポジティブな結果を得たと報告。メキシコが、JARPAの実施に関しての議論派終了したのかと質問。
日本はJARPAIIは終了した事、議題4.3のIWCの将来についての議論で南半球の夏の調査の実施をすると返答。チリが科学委員会で科学以外の調査の検討をする必要がないという判断で多くの科学者が参加しなかったと報告。
オーストラリアは、科学委員会報告書の68ページにあるが、科学委員会で評価する事の正当性については意見が別れたので合意が得られたわけではないと意見。3月31日判決により、JARPAIIは8条に即した科学調査ではないとされた時点で科学委員会での評価には疑義がうまれている。いくつかの締約国によって科学委員会で取り上げるべきではないという意見があったが、議長の裁定で実施された。しかし、科学調査と認めていない多くの科学者が参加しなかった議論には正当性がなく、オーストラリアとしては合意できない。
アルゼンチン、ブラジル、エクアドルがこれに賛同。

 日本は、反対する国の立場は認識しているし、報告書にもそのことが書かれているとし、科学委員会が取り扱うべきかという事は本会議の議長が指示をだした事で明確になっているとした。また、判決に関しては遡及的に取り扱うべきではない。過去のデータすべてを抹消するのか?オーストラリアは過去に使った論文も撤回するのか?と追求。
イギリスは、同じく科学委員会の特別許可の議論には参加しなかった。モナコは、オーストラリアを支持するとした上で、国際司法裁判所は国連の最高位の法的機関があり、その判決を受け入れるならその評価に時間を掛けるべきではないとした。
メキシコは、JARPAIIの評価は不適切なので記録からも抹消すべきという意見。
コスタリカ、フランス、ウルグアイが賛同。
議長は、オーストラリアが主張するJARPAII についての言及を削除するという案、メキシコのすべてのJARPAIIレポートに関して削除するという案がでているが、この件については日本と交渉してほしいと提案。(オープンのままに)

<既存の許可レビュー>
日本がJARPNII(北西太平洋第二期鯨類捕獲調査)についての包括的なレビューが2016年に行われるし、資源の保存と管理に貢献するものと評価会議を楽しみにしていると発言。

<日本の行動表明>
 3月31日のICJ判決により、JARPAIIは終了したが、判決の236項に鑑みて将来的な計画を期待されていると考えている。4月18日の農水大臣のステートメントにあるように、関係各省の協力のもと、南極及び北西太平洋における調査計画を科学委員会提出期限の11月までに作成予定。国際的にオープンで透明なプロセスを用い、国内外の科学者の参加をもって計画を検討し、関連諸国との連携を行う。実施計画は農水省のウェブに公開を予定している。調査計画は、ANNEXPに基づいたもので作業部会による作成が行われ、1月か2月に専門家のパネルによる報告が行われ、5月後半の科学委員会にかけられる、そして科学委員会終了14日後(6月半ば)に一般公開される。新たな計画はICJ判決で求められているものを作成する予定でオープンマインドで改善の意見を受け入れるつもりである。

<NZ決議案続き>
議長:手続き規則上、ANNEXPに変更の可能性(科学委員会へのガイドライン提示)があるので議題を開いたままにしておく。
午前中の議事は終了。

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2014年10月 2日 (木)

IWC65inPortoros 二日目

 二日目も9時から会議が始まった。今回は、「コミッショナーさん、会議場に入ってくださーい」という合図のベルが(2回ないし3回)鳴って会議が始まる。

<先住民生存捕鯨小委員会の報告書>
 最初の議題は先住民生存捕鯨に関するレポート。
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3554
 前回、本会議臨時議長を務めて評判の高かったスイスのマイニニ氏が小委員会の議長に選出され、先住民生存捕鯨の管理方式と制度の検証を行った事が報告された。
 パナマで議論の的になったザトウクジラについて、いくつかの課題を残して捕獲枠の評価が終了した。完成するためには、委員会によるボランタリーな資金提供と中間的な作業部会による検討が必要とされる。ホッキョククジラクジラについては、おおむねは終了したものの、移動する先のカナダでの評価を含めないうちは不十分であるとされた。
 今回、グリーンランド自治政府はニード・ステートメントの更新を行ったが、ニード・ステートメントの内容の規準作りも必要とされた。
 本会議の開始前、アメリカのティルマン博士を議長とした作業部会と先住民ハンターによる会議が行われ、その報告も出された。
 先住民生存捕鯨の小委員会による報告書は採択された。

<サンクチュアリ>
 1994年に設立された南大洋サンクチュアリの継続について、オーストラリアが提案。
詳細は保全委員会の7ページに。
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3589
保全委員会がサンクチュアリについての共同運営委員会の設置を決定。
 
 NGO2団体からの意見。
 まずは国際自然資源管理協会(IWMC)によるサンクチュアリに反対する意見。サンクチュアリには科学的な根拠がない。資源量が増大している中、(利用のための)科学、統計に立脚したものが必要。

 サンクチュアリ支持意見はチリの鯨類保全センター(Centro de Conservacion Cetacea=CCC)
モラトリアムによって回復しているとはいえ、初期資源の状態に戻るのにまだ何十年もかかる。最近は、それに加えて様々な海洋にかかる懸念要因がある。国連海洋法条約の94条に基づき、鯨類の60%もが生息する南大西洋の繁殖地の保全を国際的な協力で行う事はまた、沿岸地域のWW産業を振興させ、沿岸国の発展にもつながる。

 採決は最終日に。

<小型鯨類の保全>
 モナコは、前回の会議において提案した小型鯨類の国際的な協力体制での保全推進について、関係者との合意形成に務め、議論が沸騰する文言を削除して新たな提案を行った。IWCが管理するのはすべての鯨類の僅か5分の一(17種)に過ぎず、他の国際機関によってもカバーされていない。各国に管理にしても省庁縦割りの弊害で十分の保全が行き届かない。
 そして海洋生物多様性の保全がいかに重要かということを(なんと森下さんと張り合って)、フェラーリを例えにした!すなわち、フェラーリのパーツを適当に抜いてしまったら、走ることはできないでしょう、と。
(過去に森下さんは2度、自動車を例にとったことがある。一度目は、アラスカでの会議。JARPAの貢献はRMPの管理ではなく、改善に役立っている、例えれば、燃料のインプットではなく、自動車の機能を良くしていくようなもの、と。もう一度は、アガジールだったかな?何で自動車は商業流通できるのにクジラは駄目か?と)
 IWCの科学委員会は最高の専門家集団であり、その知識とデータを活用して国際的な協力の下に保全を進めるべきだとした。

 しかし、保全派と利用派でまたしても対立。日本は、海洋法条約の64項(漁業の利用と管理)を引き合いに出して沿岸国の権利と、利用についての地域漁業機関に言及。モナコはそこは主に魚種について書かれているのでは?と反論。合意形成のためwhalingもはずしたのに、残念。
そして投票。

結果は37対15でモナコ決議案採択。

*ボン条約による小型鯨類保全・管理に関する決議案についての声明が出されている。
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3574
*科学委員会の小型鯨類の分科会では、毎年のように、日本沿岸の資源対象とされているイルカ類などについて最新の調査が必要という意見がある。また、今回も科学委員会では太地のイルカ追込み猟についての懸念が示されている。
*今、環境省がレッドリスト作成中である海生生物に関して、2016年にその評価が公表される。小型鯨類に関しては、水産庁任せ弟子かもレッドリスト作りに当たっての新たな調査は予定されていない。残念ながら、今回の決議によっても何らかの変化は期待できないだろう。

<食料安保>
ガーナ、コートジボワール、マリ、ギニア共和国、ベニンの共同提案。
(調整中で昼過ぎに議論する事に)

<市民参加と透明性に関する決議>
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3582

日本政府やメディアにとっては余り関心がない分野で、チリによる提案。
 国際会議によっていくらかの違いがあるにしても、時代とともに市民参加の必要性が強く認識され始めている事は確かである。又、会議の透明性も十分保証されなくてはならない。
IWCにおいては、以前に許可されていた市民の発言権がいったん失われ、2007年に復活したものの、必要な議論が終了した後にガス抜き程度に行われてきた。今回提案は、条約の手続き規則も改正もふくめた市民参加と会議の透明性に関しての抜本的な決議案である。
本会議以外に科学委員会や財運委員会へもオブザーバー参加を求めている。しかし、いくつかについては各国代表からの反発もあり、すべての意見を取り入れて合意形成を計っている。

*今回は、本会議開始前8時に議長とNGOの合議で、その日の議事に関しての意見表明が決められる事に。

<科学委員会の役割と予算について>
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3583

同じくチリからの提案。同じく日本政府がいやがるところ。
科学委員会は過去10年来、保全関連の任務が増えてきた。しかし、科学委員会への予算計上はなく、各国政府やNGOによるボランタリーな基金によって多くが運営されてきた。保全措置への予算配分を検討する事が求められている。
これも各国政府の合意にもと、コンセンサスでの採決が望ましく、最終日まで議論を進めていく。

<特別許可による捕鯨についてーNZ決議案>
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3452

 3月31日に国際司法裁判所から出された日本の第二期南極海調査捕鯨についての停止判決を受けて、条約会議をまともに機能させるために提案されたものだ。特別許可の是非を科学委員会のアドバイスのもと本会議で議論し、決めるのがそれほど異常だと思えるのか、日本国内で「引き延ばし案」と呼ばれている。
 日本としては、今年の科学委員会に計画の提出が間に合わず、来年こそと思っていたのかもしれないが、どのみちこれまで何十回と調査捕鯨を自粛するようにという本会議での決議があったのにやってきたことだ。また、何らかのいいわけのもとにやるだけなのに、あたかも日本が決議案に従うような書きぶりはどういうこと?
 なにより日本が条約会議の場での議論など無視して勝手にやってきた事が正当であるかのように、(捕鯨推進勢力はともかく)国内メディアまでが考えていることに、驚かされる。
 概要にも書いたが、この提案は一方で、判決に則り、特別許可および致死的調査を認めることにつながる。鯨類の非致死的利用を推進する国々からは妥協案と見なされている。

 この決議案に関しては、日本などがいうように判決はJARPAIIに限った事だし、オーストラリアとニュージーランド対日本に対してのものだから、IWCの枠組みを拡大解釈すべきでない。判決を遥かに越えた決議案はむしろ判決にそむくもので(?)、大幅変更が必要であれば附表修正をすべきだという意見である。
 一方で、オーストラリア、EU諸国、アメリカなどは決議案を歓迎。しかし、ラテン諸国は判決を精査してもっと厳しい内容にすべきだという意見である。
 NZは反対するところとの合意形成のための円卓会議を呼びかけた。

<将来のIWC>
 ガーナがEU との更なる対話をすると報告。他に意見なし。

<クジラの資源量>
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3436

科学委員会からの報告。
科学委員会報告書27Pから。委員会からは特にコメントなし。

<保全委員会Conservation Committee>
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3589

・ ロシアチュクト海域の臭いクジラについて
 1970年代から、化学臭のするクジラの発見があり、2000年にはその割合が全体の10%まで上っているが、原因が究明されていない。ロシアによると、セイウチやアザラシにも見られるようだ。先住民生存捕鯨の枠の中のS&Lとカウントされるべき、あるいはキャリーオーバーとして考慮すべきという主張。原因究明は簡単ではないので科学委員会の調査を必要としている。
・船との衝突
 2011年の勧告を継続し、衝突を減少させるため、タイミングに合わせてスピード制限、航路変更など時空間的な対応を考える。IMOなどにも協力を要請している。
UK:スリランカのシロナガスクジラに関して船舶との衝突に科学委員会が積極的に協力する必要がある。報告書の記載がないが、記録してほしい。
ドイツ:回避のため世界的なデータベースを準備してあらゆるグループがアクセスできる事が望ましい。
・保全管理計画
ニシコククジラ 関係国による覚書が取り交わされた。
オーストラリアが保全管理計画の推進のため常設委員会を提案し、15万7千ポンドを拠出。

<決議案続き>
 チリの市民参加と透明性(決議65.12)と科学委員会(65.13)についての議論。各国との調整を続けている。
 日本が、市民のビューロー参加について作業は電話やEメールなので、オブザーバーとして参加するのは難しいのでは、と意見。又、科学委員会の意見は聞いたのかと注文。
チリは引き続き調整を継続し、コンセンサスをめざす。

<動物福祉と捕殺法>
https://archive.iwc.int/pages/view.php?ref=3474

 捕鯨国によるクジラの致死時間とともに、ら網などで救助できないクジラの安楽死など、作業部会では福祉の観点から包括的な議論が行われてきた。
(動物福祉に関して、日本では家畜など一部改善されているものの、福祉の概念そのものを理解していないように思われる)
 イタリーの発言、福祉が検討される事により、一貫した管理が行われるという意見に大使、ノルウェーが反発。福祉を政治的に利用すべきではないと主張。ノルウェーはハンターの訓練など必要なことを行って、データはNAMCOに提出している。
(注:北大西洋海産哺乳動物委員会North Atlantic Marine Mammal Commission、NAMMCO)は、1992年にノルウェー、アイスランドとグリーンランド自治政府、フェロー諸島自治政府により設立された)
 日本は、これまでクジラ捕殺に真剣に取り組んできたが、感情的な対立が起こっていて提出したデータのうちの最悪のケースを取り上げられて批判を受けた。課題に取り組んでいることを示すデータはNAMMCOに提出している、という意見。それに対してオーストラリアがNAMMCOは北大西洋の委員会ではないのか、と質問(つまり南極ミンクに関しては範囲外)。
 NAMMCOがこれに対して国連海洋法条約のもとで作られた(つまり地域協定)国際的な機関であると回答。自然資源の持続的利用を認めており、捕殺方法の向上、狩猟者の安全などを検討する合理的な機関だと返答。

*日本はたびたびIWCからの脱退を言うが、もし脱退する場合、このような地域協議会を組織する必要がある。南極でやりたいなら、オーストラリアやニュージーランド、アルゼンチンなどが協議会に参加するといって来るかもしれないし、来たならば、アメリカ、ロシア、韓国、中国、北朝鮮とも仲良くする必要があるかも)

 最後にNGOとしてベルーガハンターズインターナショナルが発言。ホッキョククジラの捕殺に関して、トレーニングを向上させてその効率を80%まで高めたという発言。気候変動による解氷や石油掘削で苦しめられている。


 
 

 

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