生産調整なのか?
私は見損なったのだが、7月27日に放映された山口放送による「凍れる海 揺れる調査捕鯨』という番組で、南極での鯨類の捕獲が生産調整だといった小松正之氏の発言に、日本鯨類研究所が反論しているのを見つけた。
http://www.icrwhale.org/140812ReleaseJp.html
小松正之氏と言えば、皆さんご存知の通り、かつての名物政府代表代理で、彼の言う事は捕鯨関係者にとってはご託宣のごときものだった事を思うと、結構興味深い。
小松氏は自らも認める捕獲枠拡大の張本人で、ICJ判決当初、決めた通りに捕らなかったのがいけない、というような発言もしていた。(4月24日みなと新聞など)今回、それが意図的であった(つまり生産調整だった)と指摘した事から鯨研としても黙っているわけにはいかなかったのだろう。
しかし、それにしてもその反論の中身はお粗末ではないかと思う。シーシェパードの妨害による捕獲数減と言っているが、既に妨害される前に、本来の’サンプル’をすべて積み込むために不可欠な運搬船を連れてきていなかった事をオーストラリアに指摘され、いもしない船を妨害するわけにはいかない、と言われている。また、北西太平洋の捕獲数を大幅に減らさなかったから、南極での捕獲が少ないのは生産調整ではないという理屈は少々苦しい。
それから、2月に行われた科学委員会の評価会議でのJARPAIIの評価について、
「(JARPA及びJARPAIIで得られたデータを基に)提出された最新のSCAA解析(統
計学的な捕獲時の年齢解析)を歓迎する。SCAAモデルはJARPAII海域のクロミン
ククジラの系群別資源動態を研究するのに、現時点で入手可能な最善のモデルで
あるとともに、この点からモデルの性能がよいことに合意する』
というくだりを引用しながら、この最後に書かれていた、「でもこのモデルを使う場合、JARPAIIの計画そのものをかえなければならないかもしれない」、というところは省略している。
妨害についても、評価会議でいわれた、荒天や妨害など不測の事態に備えて、柔軟な計画を練り直した方がいいよ、という部分は省いている。
反論するなら、このあたりも真摯に反省してほしいと思うのでした。
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