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2014年5月16日 (金)

日新丸船団出航

 北西太平洋での調査捕鯨実施のため、本日5月16日、日新丸船団が出航した。7月下旬までクジラの捕獲を実施する予定。これに先立つ5月11日、第3勇新丸が6月下旬までの予定で‘非致死的調査’に出発した。
(ちなみに私たちはグリーンピースとともにすべての調査捕鯨の停止を訴える生命を4月22日に出している。その最後に、これまでの捕獲実数がのっているので見ていただきたい)
http://ika-net.jp/ja/ikan-activities/whaling/296-stop-all-research-whaling2014apr22)

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http://www.icrwhale.org/140516ReleaseJp.html
鯨研:2014年度第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII)-沖合調査日新丸調
査船団の出港について-

 調査の目的は、「鯨類の摂餌生態及び海洋生態系における役割を解明し、生態系モデルの構築を目指すこと」だと言う。確か判決のうちには、生態系モデリングのような大きな構想はエンドレスだからだめって言うのがあったのではなかったっけ?大体、日本周辺海域に生息する鯨類50数種(他の種についてはどれくらいか分かりません)のうち、ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラ、マッコウクジラが何を食べているか調べる事で、どうして日本の周辺海域での水産資源の包括的管理に貢献が出来るのだろう?と科学音痴の私にとっては、とっても不思議である。

 でも、この間の報道や国会決議を見てみると、実際は議員諸氏も、メディアの捕鯨応援団にしても、そんな事はどうでもよくて、「日本が唯一実施している科学調査」という名目をもって外圧に屈しない、その事が重要なのだろう。

ICJ の判決を考慮して捕獲数を減らしたように見せかけているけど、実際に彼らにとって生産調整できるいい口実に他ならず、人をおちょくるのもいい加減にしてほしいと思うが、議員さんたちは自分の懐が傷まない限りは、こうした恥さらしに国費をつぎ込むべしというのだから、話にならない。

 そういえばついでだが、今日は各新聞ともそれぞれ色合いは少しずつ違うが「集団的自衛権」について書いた。屁理屈にもほどがある言い訳にだまされる国民が悪いのか。「ものはいいよう」というのが正しい日本の伝統文化なのか。(みなさん、クジラ問題をつっこんでやってれば、そうしたからくりにひっかからないですむと思うよ)

 毎日朝刊では、アベの右傾化について、例の極右おばあさんと何とか言う自称左翼のおじいさんの対談が乗っており(自分たちはそう長くないから好き勝手言っているようで不愉快だったが、まあ、編集部が手を入れるとどんなになるか最後まで分からないのは経験済みなのでもしそうだったらすみません)最後のほうに突然「捕鯨の問題にしても、日本は欧米中心の文化ではなく多様な文化を尊重するという観点から・・・」という言葉が出てきた。なるほど、この程度。この人、近代捕鯨が日本の文化ではない事はもちろん、戦前の軍と密接にくっついていて、クジラは軍隊用の糧食として使われたし、先の大戦に捕鯨母船はすべて戦闘用に徴用されたことや、沿岸ミンク猟は捕鯨船団がないため始められたようなものである事、「伝統文化」とか言われた始めた最初が80年代のメディア戦略であった事をごぞんじないのであろう。

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