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2012年7月30日 (月)

生物多様性国家戦略パブコメ中

 少し遅くなったが7月6日から通算5回目の国家戦略の改定のためのパブコメが開始されていることをお知らせしよう。

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15444

2010年のCOP10で議長国として、今後の生物多様性保全に関わるいわゆる「愛知目標」を掲げ、なかなか滑り出しはよかったのだが、やはりというか、’環境省戦略’にとどまる可能性が高くなってしまった。

 愛知目標の達成を考えると、今回戦略にはいくつもの問題がある。大体、生物多様性の主流化という目標にしてからが、はなから省庁の壁を突き破れなかったのがこの結果だ。

 たとえば目標3を見れば、「生物多様性にとってマイナスの補助金を廃し、プラスとなる措置を奨励する」というものだが、奨励措置については検討するがマイナスのものは触れたがらないままだ。
 今回も、IWCではカリブのNGOが日本のODAによる票買いを批判していた。また、調査捕鯨だってまさに有害な補助金の象徴のようなものだ。

 また、海洋保護区。これまでは「保護区」という言い方そのものを嫌っていた水産庁が海洋保護区ということばを受け入れたのはいいとして、海洋保護区10%目標に対して、領海及び排他的経済水域の8.3%という政府発表のうちの6.9%は「海洋水産資源開発促進法」という法律の指定海域というもので、環境省の管轄する自然公園法や自然環境保全法、鳥獣保護法などの保護海域とは異なるものだ。
 漁業者による自主管理は保護区にとって重要な要素だと思うが、生物多様性保全という海洋保護区本来の目的とは必ずしも合致するわけではない。

 大体、今回海洋生物多様性戦略における海洋保護区の定義がすごく曖昧で、なんでもありに読めてしまうところがあり、生物多様性保全に実効性があるのかどうか不明だし、一体誰が定義に従ったものかどうかを判断するのか全くわからないところも不安だ。
 また、環境省自ら、海洋保護区設置に新たな枠組みが必要と感じているようだ。例えば排他的経済水域における開発と資源利用に対して、保護区の設置はどこがどのようにするのか、海洋基本法では開発ばかり計画が進み、保全についての仕組みについては知らんぷりだ。

 それから、クジラについて。書いてある所を探して見てほしい。
クジラが水産資源だと国際的に認めさせるということと、魚を食い荒らしているかどうか調査して適切に対応する、ということだけで、生態系の要の種としていかに保全するかはどこにも見当たらない。
毎年定置網に混獲されている鯨類の数は数百だが、混獲に関してははえ縄にかかるカメと水鳥しか対応するつもりがないようだ。

 以前、クジラについて環境省が書き込もうとしたら「資源としてのクジラ」という枕詞を入れろと水産庁が言ったとかいわなかったとか。現状からいって、一部の地域を除いてクジラを食べるという習慣はないといえる。2010年の私たちの調査では、年間一人平均23.7g(=チョコバー半分!)しか消費しかないと言うのに、わざわざ復興資金を投入して南極に船を出し、そればかりか今回は「儲かる漁業」の仕組みを使ってまで、調査捕鯨でクジラを捕獲したいのか。

 生物多様性保全の観点をいわずとも、需要を満たすやり方として果たして調査捕鯨という選択が妥当かどうか、考えてみてほしい。
また、クジラについて資源というカテゴリーだけに留めないで、保全にも力をいれていただきたい。

 

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