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2012年7月17日 (火)

IWC 64 二日目後半(グリーンランドのASWなど)

 先住民生存捕鯨(ASW)のアメリカ、ロシア、セントビンセント&グレナディンの共同提案が採択され、残るはデンマーク自治州のグリーンランドの捕獲枠の議論となった。

 2010年にグリーンランドはそれまでのミンククジラ(190頭)、ナガスクジラ(16頭)、ホッキョククジラ(2頭)の他に、ザトウクジラを追加したいと提案し、かなりの論議を呼んだ。
 人口増がザトウの追加の理由だが、鯨肉利用の実態がかなり商業性を増している(観光客用のレストランでの提供やスーパーマーケットでの販売)という指摘もあり、また、当該地で捕獲するザトウクジラが、その繁殖地カリブ海のホェールウォッチングで人気だと言うことが強い反発を生んだ。
 科学委員会は年間10頭までは影響がないだろうといっていはいるものの、やはり、タグをつけ、個体識別したクジラが殺されるのを歓迎することができないのは自然の成り行き。

 2010年のときは、議長の要請で反対するEU傘下の締約国は、賛成できないが、ブロックはしないとして、やっとコンセンサスに持ち込まれた経緯がある。
 今回は2013年から2018年までの各年の捕獲枠として、ナガスクジラ3頭増、ザトウクジラ1頭増(これは、前回自主的に9頭にするとしていたのを枠いっぱいにしたということ)後は同じ。

 記憶違いでなければ、ザトウクジラ捕獲申請の理由の一つがナガスクジラは大きすぎ、小型船舶での捕獲が難しいので、切り替えていきたいということだったと記憶している。

 グリーンランドは厳寒の地であり、人々の生活は野生生物の狩猟に頼るところが大きいという。
かれらは、IWC管轄の大型鯨類の他にベルーガやイッカク、シャチなどの小型鯨類を年間4千頭ほど、他にも多数のアザラシなど野生動物を捕獲し、利用してきている。その伝統的な生活習慣から、鯨肉の利用は彼らにしたら当たり前のことで、規制を受けることが苦痛なのだろう。
こうした野生動物の利用について、グリーンランド自治政府が「ニーズステートメント」というものを出している。データが古かったりしてあまり現状把握に役には立たないような気もするが、アザラシの肉の消費が多いことに注目。

http://iwcoffice.org/_documents/commission/IWC64docs/64-ASW%208.pdf
 
 議論がオープンになり、いつものように支持はからは科学委員会がいいといっているからいい、持続可能ならいい、という意見。一方、反対する側からは、先住民生存捕鯨の決まりに外れるところがあるのでは?という意見が出る。
 オーストラリアは「前回の捕獲枠設定でもコンセンサスのために相当の努力をしたが、さらに追加枠を要求するということに驚いている、支持できない」と発言。EUも今回は反対しており、コンセンサスは得られない可能性の中、デンマークは議題をオープンにすることを望んだ。

 その後は、保全(日本政府の言い方では保存)委員会の報告が始まった。
保存委員会で検討された議事内容は以下で見られる。

http://iwcoffice.org/_documents/commission/IWC64docs/64-CC%201.pdf

 最初はいわゆる「臭いクジラ」。ロシアの先住民が捕獲しているコククジラの中に化学臭のするクジラが混じっている。2005年から2011年までに226頭のクジラが発見されており、肉を食すと下痢やアレルギーを起こすという。石油・ガス開発との関連も示唆されるものの、その原因の特定はまだできていないのだが、中長期的にクジラにどのような影響が出てくるのか、懸念されることだ。

 次は船とのクジラと衝突。日本でもたびたび報道されるが、海上交通の増加と高速化により、クジラと船との衝突も看過できない状態になっている。特にアラビア海のザトウクジラや南アのセミクジラなど、希少個体群への影響が大きく、どのように効果的な未知ゲーション措置がとれるかが問題となっている。
 ここで今回会議のホスト国であるパナマが、年間17000隻もの船の航行により、衝突懸念の高まっているザトウクジラ回遊保護のための新たな回避システム、トラフィックセパレーションシステムを紹介。
 これについては、イギリスBBCが詳しく紹介している。
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-18720380

 その他、ホエールウォッチングやクジラと泳ぐプログラムに関するガイドライン、規制が紹介される。この議事の最後に、ドミニカ共和国のウォッチングのボートオーナー協会のアゴスタ・ゴメス氏が発言を許された。大カリブの23カ国で、ウォッチングが教育や観光として重要性を増しており、沿岸共同体に230万ドルもの収入をもたらしている。特にザトウクジラが人気でウォッチング産業にとって重要だと認識してしており、非致死的な利用が望まれる、などなど。

 短い休憩のあと、参加国の保全委員会関連のナショナルレポートの紹介があり、その後昨年議事に導入された海洋の浮遊物に関する議題が紹介される。海洋のゴミ問題は年々深刻さを増しており、特にプラスチック破砕物の海洋生物に対する影響が懸念されるところだ。

 EUなどいくつかの国が、他の機関との連携の必要性やリオ+20での議論に触れる。NGOも発言し、ジョイントワークショップに7万ポンドの資金提供を申し出る。

 次にIWC管轄外の小型鯨類に関する報告。保全に熱心な国々からIWCが小型鯨類にも貢献すべきだという意見、小型鯨類保護の9つのプロジェクトへの資金提供の発言が続く。

 モナコが「小型鯨類」という言い方はどうか、と疑問を投げかける。実際はいわゆる大型クジラよりも大きいものもいる。鯨類すべてに関してのIWC関与を求める。

 最後にデンマークの保護連合のスロス氏が小型鯨類への様々な影響への懸念と資金提供を発言。グリーンランドを除くデンマークの一般世論は保護色が強い。
 
 保全委員会のその他の活動(資金強化、海洋浮遊物やら網問題、船との衝突などに関して他機関との連携など)の紹介と今後の保全活動計画の紹介があり、2日目は終了した。

 今後の保全活動計画について:

http://iwcoffice.org/_documents/commission/IWC64docs/64-CC24.pdf
 

 

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