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2012年5月24日 (木)

Crimes Against Marine Mammals Exhibit Opens at D.C.'s Crime Museum

 アメリカで1972年に海生哺乳類保護法が成立して40年を記念して、海生哺乳類への犯罪という名前の展示がNOAAと犯罪博物館(かな?Crime Museum)によって開催され、海洋環境を守るための大切な構成要素である海生哺乳類をどうすれば守れるか、展示を通じて紹介する。

http://www.nmfs.noaa.gov/stories/2012/05/05_21_12_crime_against_marine_mammals.html

2012年5月23日 (水)

海の生物多様性フォーラム

 先週の土曜日(5月19日)、東京、渋谷で「海の生物多様性フォーラム」日本の海を考える〜新たな生物多様性国家戦略に向けて〜が開催された。
 主催は、日本自然保護協会、日本野鳥の会、WWFジャパン。
詳細については、日本自然保護協会に掲載されているチラシで。
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/biodic/2012/05/post-8.html

 これまで、国家戦略の中では影の薄かった海洋について、いわゆる日本の自然保護御三家が取り組むという記念すべき日であり、これまで、環境省が牽引して、他の省庁は嫌々おつきあいしてきたことを変えていくための第1歩となる日だった。

 参加者は、定員200名のところ、予備の机や椅子を用意する盛況で、海の生物多様性がようやくスポットライトを当てられた実感もある。

 私たちに関連するところでは、第2部の回遊する種の減少、水産資源の管理を考えるというところで、最初の話者である共同通信の井田徹治氏の「ウナギの生態と事情」で、ウナギはまず野生生物であることを認識するべきという発言がうれしかった。
 大体、日本のメディアの反応というのは、ウナギの値段が高騰する、とか食べられなくなるとかいうものばかり。なんで?というその元々の話をきちんと展開することは少ない。

 水産庁からの発言もあり(水産庁が参加したこと自体が大きな成果!)、沿岸漁業資源で問題なのは4割、他は安定。という発表は、参加者に違和感を抱かせたことと思う。
(後で、安定しているからいいというわけではない、と付け加えておいでではあったが)

 最近は雑誌などでも漁業問題はいろいろと取りざたされているし、5月15日号のwedgeでも、マルハニチロの水産部の人が問題の指摘をしている。
「獲れない、売れない、安い」深刻な事態に直面する日本の漁業」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1880?page=1

 愛知目標6の持続可能な漁業について、今後真剣に取り組む必要があると思うし、水産庁にまかせていてよいのだろうか?という懸念がある。

 一方、2010年のオーシャンズデイアットナゴヤで環境省がぶち上げた海生生物のレッドリストの進み具合だが、ようやっと予算も付き、ゴーサインも出たようだ。
しかし、当日のパワポ発表を聞いてやはり、とがっかりしたのは、レッドリスト「適用除外種」が存在することで、「純海産動物 (生涯のすべてを海域で過ごす種)は対象外。ただし、主に浅海域に依存するジュゴン、汽水域に生息する魚類、貝類は対象」ということだそうだ。海のレッドリスト作りに生涯を海で過ごす種を対象外にしてしまったら、リスト作りにどんな意味があるのだろう???
これまで、環境省が触れなかった海生生物を対象とするためのりスト作りがたんなるアリバイになってしまう。
 新戦略からこれまで10年間、ひたすら、海洋の生物多様性保全を訴え続けてきた結果がこれだと思うと何とも情けないのだ。

 

2012年5月22日 (火)

ナガスクジラが学校給食に?

 今日、知り合いから、関東圏のある小学校と幼稚園の給食に、アイスランド産のクジラ肉が使われたと言うことをきいた。

 児童の給食に使う食材というのは、将来的な需要につながるというのは戦後の学校給食での鯨肉やある冷凍食品会社の冷凍食材で実証済みである。業者がそうした選択をしがちであることはわかるが、いくつか問題を感じる。

 鯨肉を学校給食に使用することについて、現在の理屈付けは「伝統文化の継承」であろう。戦後すぐの場合はもっと切羽詰まっていたのでそんな理由付けはいらなかったはずである。しかし、輸入のナガスクジラを食べることが「伝統文化」と言えるのだろうか。

 何を食べるかは個人の選択である。だから、クジラを食べるなということは私たちは言っていない。しかし、個人の倫理の問題は残る。
 そして、児童への給食の場合、子どもが認識している、していないに関わらず、食べる、食べないという選択肢は与えられていない。
 
 また、日本において、かなりいい加減なファミリーレストラン風の献立を、かなり問題あるような食材を使っての学校給食が「学校教育」とされている。ちなみに、学校教育の一環である給食に米飯が導入されたのは、1970年代後半である。

 今回のナガス肉ついては、さらに「教育」としての問題が2つある。国際ルールを勝手に曲げて輸入している食材を使うという問題(ナガスクジラの国際取引はワシントン条約で禁止されているが、日本とアイスランドが「留保」という本来は条約を遵守するための移行期間にとるべき措置をとり続けているため行われている)。
 もう一つは、ナガスクジラは未だにIUCNのレッドリストで絶滅危惧1Aに記載されている種だということだ。利用したい側の「増えているから絶滅なんかしない」という言葉が聞こえてきそうだが、国際社会に生きていくルールをきちんと子どもに伝えたいのなら、学校教育現場でそのような肉を使用すべきではない。
 
 また、もし食べたい人たちが輸入してでも食べ続けたいというのならば、まずそうしたルールをきちんと守るところから始まった方が、反対する人たちを説得する上でも賢いと思う。

 自分の主張が「正当」だとして国際ルールを無視するばかりか、そうした悪しき行為を教育の場まで持ち込むのは子どもたちの将来を考える上でもやめた方がいい。


 

2012年5月16日 (水)

第二期北西太平洋捕獲調査船(JARPNII)出航

 昨日、出航したようです。

http://www.icrwhale.org/120515ReleaseJp.html

2012年度第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII)
-沖合調査日新丸調査船団の出港について-

 今回も、ミンククジラ100頭、ニタリクジラ50頭、イワシクジラ100頭、
マッコウクジラ10頭と捕獲するクジラの枠は変更ありません。
「このJARPNIIの最優先課題は、鯨類が消費する餌生物の種類や量、鯨類の餌生物
に対する嗜好性などを調べて鯨類の摂餌生態を解明するとともに、それらの相互
関係を基にした生態系モデルの構築を進めて、鯨類を含む日本周辺の水産資源の
包括的管理に貢献することです。」ということが述べられていますが、
周辺海域に生息する多様な生物の中、およそ50種の鯨類のうちの4種を捕獲して
どうやって生態系モデルの構築ができるのだろう?と思うのは素人の浅はかさでしょうか?

それから、ほとんどと言っていいくらい売れていないイワシクジラを今回も100頭
捕獲するのでしょうか???


2012年5月15日 (火)

重要な予算が削られているのに、何でまたもや増額!?

環境関連の予算はつぎつぎ削られているのに、’国民的’合意もなしに増え続けるこの異様さ。
誰にどんなメリットがあるのか、もっときちんと説明してほしいものです。

http://www.maff.go.jp/j/budget/2012/pdf/kettei_b069.pdf

4.捕鯨対策
商業捕鯨再開に必要な科学的知見の収集を目的とした調査を実施するとともに、 反捕鯨団体の妨害活動に対する安全対策を強化します。

   鯨類捕獲調査円滑化対策 1,104(715)百万円
   補助率:定額
   事業実施主体:(財)日本鯨類研究所、民間団体等

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