そろそろ調査捕鯨船が・・・・・?
3月9日に(ブログにも書いたが)日新丸が今期の「調査」を終了したとの政府発表があった。捕獲数はミンククジラ266頭、ナガスクジラ1頭だそうであるが、こうした情報は鯨研のウェブにはない。ウェブの記者発表はシーシェパードとの攻防だけで、どんな調査をどこでやったのかということはまだ発表されていない。「官製」調査捕鯨と相成った今年度は、SSとのアップデイトの攻防が掲載される程度には市民に公開されてもいいように思うが、そう思うのは私だけなのだろうか?
この発表が行われた3日後の12日後、下関の中尾友昭市長が記者会見で、今期は日新丸が下関に寄港しないことになったと発表している。
共同船舶によると、下関港で鯨肉を陸揚げした場合、
・従来のルートと異なり配送費用がかさむ
・鯨肉を加工する大口の卸売業者がいない
・鯨肉の大量の消費が見込めない
などが理由だと中国新聞が報じている。
中尾市長は1月に、下関市に日新丸が寄港した場合の経済効果が20億円になることを示し、共同船舶に対して日新丸寄港をお願いしている。そのうちの半分は鯨肉の売り上げで、500t、およそ10億円を予想している(今回の水揚げはおよそ1000tくらいと予想される)。
おかしいと感じるのは、今回の「調査」捕鯨の実施に、震災の被災地の復興予算23億円を投入していることをみんな忘れているように見えることだ。東日本震災の直接的な被害受けていない下関市は、ただただ、持ち帰った鯨肉を売ってもうけようと考えているし、共同船舶はそれでは売り上げが減ると拒否しているわけで、ここには復興のためのいかなる支援のかけらもない。もちろん、公金が使われていることへの配慮もない。
出航前の共同通信の取材に対して、水産庁はこの予算には被災地における加工工場などの再建は含まれないといっており、現在もそうした計画は確認できていないので、下関の代わりに困難をおして被災地に寄港する予定でもなさそうである。
2002年、下関がIWC開催地となった時、多くの海外NGOは、京都での右翼の嫌がらせなど嫌な思い出があったために、参加するときにいろいろと心配したようだ。しかし、ふたを開けてみれば、下関の市民のホスピタリティにすっかり感激していた。私自身、駅でわざわざ走りよってきた女性から、応援していますと声をかけられたりして驚いた覚えがある。下関のみんなが、今回の市長発言で喜んでいるわけでもないだろう。残念である。
« JARPA II今年の成果は・・・ | トップページ | ワースト・アセス・コンテスト »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント