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2012年3月 1日 (木)

種の保存、保護、ふれあいについての考え方

 2001年、カナダのNGOを招き、カナダ連邦政府による種の保存法を更新したSARA(Species at risk)について話を聞いた。SARAは、7年間に及ぶ多様な主体との対話と合意形成から生まれたもので、種と生息地の両方をまもるものであること、また、水生生物に関しては漁業海洋省、国立公園内の生物については自然文化遺産省、それ以外の種および、SARA全体の運用については環境省と、関係する省庁の連携で行われること、また、緊急的な保護のの必要な種に関してはその種のリストアップする権限を有すること、そして、保護の実効性を高めるステュワードシップ(民間の積極的な協力体制)それを支える連邦政府からの資金(2000度予算では3年間で9000万カナダドルが計上された)と、当時はかなりびっくりして話を聞いた覚えがある(もっとも、紹介した当人はまだまだ不十分という説明をしていた)。
その後、たまたま、種の回復計画について調べていたとき、北米西海岸のシャチの回復計画が検討途上にあったのを知った。200ページくらいある計画書だったが、その後に保護地域で車両を積んだ大型貨物船の事故が起きたりもしたが。

その回復計画の修正はまだ続いているようで、先だってパブリックコンサルテーションというものが行われるという告示が出たことが海外の情報で伝わってきた。

それに関する詳細については
http://www.sararegistry.gc.ca/species/speciesDetails_e.cfm?sid=699
で、シャチの生態から現状、そしてこれまでの計画書に関する資料等、細かく紹介されている。

一方で、環境省は来年度予算でやっと海生生物についてのリスト作りを始めるそうだが、これまで管理してきた水産庁がまもるための責任を負わなければ、リストは役に立たないと思う。

翻って日本のお寒い事情。
その1.いまや国際的に有名になった太地が、「クジラふれあい牧場」なるものをつくるそうだ。


和歌山・太地にふれあい「クジラ牧場」…5年後めどオープン
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120227-OYO1T00703.htm

「同町北西部にある森浦湾の約4万平方メートルをネットなどで仕切り、ミンククジ
ラ、ゴンドウクジラ、イルカなどを“放牧”。調教したイルカと一緒に泳いだり、
シーカヤックで回遊したりして、観光客が自然の中でクジラやイルカとふれあえる場にする」

ということで、しかも「観光客誘致だけでなく、鯨類の研究にも力を入れる」そうだ。
「森浦湾近くの大型保養施設「グリーンピア南紀」(閉鎖)の一部や町立くじらの
博物館がある「く じら浜公園」を整備し、宿泊や研究施設を設
ける予定。同公園周辺を「学術研究エリア」として、国内外の研究者に開放、
湾内では鯨類の繁殖に取り組む構想 だ」

というのにはびっくり。
クジラ牧場構想は、北海道でやろうとしたり、長崎でやろうとしたりと
打ち上げ花火はたびたび上げられるものの、実現はしていない。
狭いところを仕切って、ミンククジラやらゴンドウやらがその生態も
何もかまわず飼育され、首尾よく(?)繁殖するのだろうか?


参考までに、BBCのニュースもどうぞ。

http://www.bbc.co.uk/news/world-17116882

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