そろそろ15年目
1997年に和歌山県太地町でシャチが5頭捕獲されてから、ちょうど15年。5頭とも、寿命を全うすることなく、短命で死亡してしまったわけだが、それからシャチに関する限りは小康状態が続いている。
ほっとしたことに、捕獲申請はいまのところないようなので、捕獲は前回限りでおしまいということにして
欲しいと願っている。
1960年代から、アメリカ西海岸、アイスランド、そして日本沿岸、ロシアで、シャチの水族館用捕獲が続いた。今のところ、商業的な捕獲の可能性が懸念されているのはロシアだけだが(そう願っているが)、一方で、シャチの飼育への疑問は多様な方面から出るようになった。
先頃も、2010年にアメリカのシーワールド(サンディエゴ)で起きたシャチによるトレーナーの事故死とそれに関する(雇用における従業員の安全性について)裁判をきっかけに、もとトレーナーの人たちがシャチの保護のためのブログを開設したというニュースが入ってきた。
http://www.digitaljournal.com/article/318549
https://sites.google.com/site/voiceoftheorcas/home
ここには、ベテランのトレーナーが死に至ったいきさつも詳細に書かれているが、一方でこうしたシャチの人への攻撃性は、飼育することによって生じたものだとはっきりと書いている。また、過去における死傷事件を列挙し、平均的な飼育下でのシャチの寿命も紹介している。シャチを人工的な飼育環境におくことが間違いであることを彼らはその経験から明らかにしているのだ。
国内では鯨類飼育に関して問題を感じるという人が少ないなかで、水族館関係者には、集客の目玉として鯨類飼育が当たり前のように考えられているのが現状だ。3月にも京都で「内陸型」水族館なるものが誕生。イルカ飼育もその目玉になる模様だ。
よく、「お金のない人たち(または、障害のある人たちと言う場合もある)でもわざわざ遠くに出かけなくても見られる」、という「利点」を彼らはいうのだが、国外でなくともウォッチングできる場所は結構あるし、水槽の中に入れられているのは生きた野生生物とは「別もの」という感覚をキチンと学習していれば、そうした詭弁は通用しないと思うのだ。
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