我が国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検会議
きのう(10月31日)、環境省による上記のような会議が開催された。
昨年の10月に環境省が海洋生物のレッドリスト作りを行うと発表したので、それがどのくらい反映されるか、というのが傍聴した一番の理由だが、残念ながら、今回もそれはかなわなかった。環境省の言い分としては、評価に値するデータがないため、できないというのだ。そして、来年度の予算がついたら、そのための専門家による検討会を組織し、検討するということだった。
この3月に決定した海洋生物多様性保全戦略が、結局は環境省の(環境省だけの)自己満足に終わってしまったように見えることからすると、今回も同じ轍を踏まないとは言い切れない。結局、海洋生物は最後まで(いくつかの種が危うくなっても、いや、いなくなっても)利用すべき資源の扱いだけしか受けられないということではないか、とため息が出る。
2002年の新生物多様性国家戦略に始まって、繰り返しこの扱いの不公平さに声を上げ続けてきた。そのときでさえ、保護は急務だったというのに、そして、昨年の10月にやっと、リスト化するといううれしい発表があったというのに、委員の人たちにとってはよその世界のことのようなのだ。
もちろん、既にリストされている3115種のうち、種の保存法がカバーしている哺乳類などたかが4種で、別に環境省が扱っても扱わなくても変わりないということかもしれないが。
今回の点検会議では、個別の法や地方の条例なども評価されてはいるものの、本来はその柱は種の保存法だと思われるし、何がそこで不足しているかをちゃんと見ていくことが、これから考えられる種の保存法改正に向けて重要と思われる。
自然研からのたくさんのデータで頭がくらくらするようだったが、実効性を高めるためのパンチを感じることができなかったのは残念だと思う。
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