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2011年9月 1日 (木)

ラテンのNGOから日本のみなさんへ(2)

(この記事は、同財団より日本の市民に向けて翻訳の了承を得て掲載するものです)


クジラ財団(フンダシオン・セタス/アルゼンチン)の意見
          セシリア・ガスパルー(Cecilia Gasparrou)


数日前に、第63回IWC年次会合が終了しました。ある人たちにとっては、クジラ類についてなんの議論もない集まりがまた終ったと思う人もいるでしょう。

しかし、ジャージー州セントヘリアーの今回会合は、21世紀にふさわしい会議に向けて新たなプロセスとなる重要な判断が行われた会議でもあったのです。
IWCは、その過程におけるより高度の透明性の強化に向けた決議を採択しました.例えば、参加費用の支払い方法は銀行振込に限り、現金支払いはできなくなったということです。
こんなことは大した出来事ではないように聞こえるかもしれませんが、IWCの状況では、過去にはメンバー国からの反発があったことも含め、この採択は重要なステップでした.疑いもなく、この決議はIWCプロセスの著しい改善につながることに違いありません。

もう一つの重要な課題は、10年来ブラジルとアルゼンチンにより提案されてきた南大西洋クジラサンクチュアリの時宜にかなったプレゼンテーションでした。

我々の国にとって、この提案は大型クジラを主とする索餌、繁殖、移動海域の保護を目的とした重要なものでした。
捕鯨国は、この提案が漁業活動や船の航行を限定するものと位置づけようとしていますが、しかし、実際はこれらの活動を規制したり、限定したりするものではないことは明白です。
ブラジルとアルゼンチンの提案は議論に付され、その後採決されるはずでした。ところが採決に移る段階で、捕鯨関係国が提案に関する投票を阻止するため、定足数に満たないように会議場を去ると言う行為に出ました。
このやり方は、議論を生じ、第64回IWCにおいては、この関連規則に関する評価が示されると思われます. サンクチュアリの提案は、投票に至りませんでしたが、議論の終わりにはIWCに認識され、従前に強化されることになりました。


ジャージー島での1年後、第64回IWCが我々の地域、パナマで再び開催されることは、我々にいくつかの重要な課題を示しています。
概して言えば、ミナミセミクジラの評価が行われることです(前回の評価は1988年に行われました)。

ラテンアメリカにおけるミナミセミクジラの保護計画が策定される予定です。種についての理解と保護のアジェンダの強化(クジラ類目視、船との衝突、混獲、海洋のゴミ、気候変動とクジラ類への影響等々)は継続されますし、先住民生存捕鯨の問題も続いて取り組んで行きます。

我々の組織は、IWCにおける作業にかかわっており、今後の動きに期待しています。

http://www.cethus.org/index_ing.html

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