海は死にかけていると・・・
昨日、環境NGO議連による勉強会があり、三重大学の勝川俊雄氏が「水産物の放射能汚染について」という題目での講義が行われた。
水産資源管理と経営について研究されている氏が今回の福島原発事故により、今後影響を受けざるを得ない水産の現状理解の重要な鍵として、生物、あるいは生態系への放射能の影響を調べられた中で、特に消費者に向けた水産物への影響をわかりやすく話してくださった。
もちろん、彼のブログを訪問し、こうした記事は既に見てはいたが、「食べる上で気をつける」こと以上に、食物連鎖による濃縮、沿岸域での海草や低生生物をはじめとした海洋への影響の深刻さを今一度感じてしまったことだった。
生態系や生物への影響の深刻さが私たちに理解されるようになるまで(データが蓄積されるまで)、長い時間がかかることであり、わかったところで、その影響を消し去ることはできない。私たちは、壮大な、行方もわからない実験を始めてしまったのだ、という思いがひしひしと感じられる。
そんなとき、知り合いから、BBCのリチャード・ブラック氏の記事を知らされた。
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-13796479
世界の海洋関連の科学者が海洋の保全を目指して組織したIPSO(International Programm of State of the Ocean)が発表した海洋の概況についての記事で、気候変動や酸性化、そして乱獲など人間活動が大きなインパクトを海洋に与え続けきたことはこれまでも語られてきたが、分野の異なる科学者がそれぞれの研究成果を分かち合った結果、それぞれの影響要因が負の相乗効果をもたらしていることが明らかになり、その劣化速度がこれまで個々に考えられてきたよりも相当早いということがわかった。海はまさに死にかけているのだ。
そして、もちろん。それに、世界的な放射能汚染という新たなインパクトも加えられることになるわけだ。
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