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2011年5月 9日 (月)

海の汚染について

 今朝の新聞に、福島原発の敷地内と周辺の海域で4月18日に採取した土や海水からストロンチウム90をはじめて検出したことがでていた。

 このストロンチウム90という核種は、かつて60年代(私が子供だった頃)は放射能の別名といってもいいようなものだった。当時南太平洋などで行われていた核実験の影響で、「魚には放射能がたまっている」というような話にもなっていたと記憶する。実験の場所、そして水に溶けやすく、骨にたまりやすいということで、当時のこうした反応はいわれのないことではなかったのだろう。

 今回の海洋への汚染水の流出については、当初、放射能は海で希釈されて影響は少ない、などといわれた.しかしその後すぐに、茨城沖のコウナゴに汚染が認められ、周辺海域でのコウナゴの流通が止められ、現時点では漁も行われていない。この時点ではヨウ素とセシウムについての発表で、それだけでも十分ひどいが、発表されなかったほかの放射性物質も存在したはずだ。原発周辺の海底からも放射能が検出されているということだ。

 4月2日に報道された超高濃度(しろうとには判断もできないほどの)汚染水の流出発見。4月6日には「低濃度」の汚染水の海洋投棄も始まった.考えてみれば、どんどん、どんどん、水を投入して原子炉の冷却を行っている訳だから、放水された水はいずれどこかに流れるわけで、高濃度の汚染水はためられているだけでなく、コンクリートの割れ目などから漏れだし、地下水を汚染したり、海洋を汚染し、原子炉が安定するまでは続く可能性もありそうだ。とにかく早急に止めないと、ここの魚の成長サイクル、そして食物連鎖による濃縮で、魚たちやそれを食べている様々な生物に長年にわたって影響を及ぼすだろう。

 生物多様性条約の会議のときに私たちはたびたび「海はひとつながり」といういいかたをしてきた。汚染された海水は、海流に乗って、世界を巡る。これまでの情報からも、海で希釈されたとしても、長期間にわたる汚染水の流出で、日本周辺だけでなく、世界の海に迷惑を与えてしまった。原発を今後どうするかという選択は、日本国内の問題にとどまらない。

 海洋生物多様性保全のために、昨年名古屋で、国を超え、多くの人たちで議論が重ねられたのだが、そうした努力もいっぺんに失われてしまうような大きな問題をおこしてしまったわけになる。
 海の生態系はいったい今後どうなるのか、海の生き物たちにどんな影響が出るのか、いま、魚が食べられなくなるかどうかより、よほど心配なことではある。
 

 

 

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