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2010年7月26日 (月)

イルカ捕獲に関して

 このところサボっていたといったけど、ずっとIWC前に水産庁にもらって公開してきたイルカ新捕獲枠をやっと担当者からいただいたので紹介する(ありがとう!Tさん)。

 イルカ捕獲枠は、1993年に新設され、関係する8道県に受託された(1999年に地方分権で地方事務になった)。それ以前はに実施されていたところの実績に基づき、80年代~90年代の沿岸調査に多少は配慮したものの、禍根の残る設定であったことは、水産庁担当者も口にしていたところである。
 しかし、沿岸のイルカ調査はその後、調査捕鯨における目視調査に付随して行われ、イルカの生息海域を元にした調査ではなかった。代々担当者は、その枠にあまりふれたがらないまま、捕獲枠は2006年まで変わらなかった。実際、こちらの問いかけにも、枠は下手にかえられない、もし資源量が増えていて、捕獲数が増えたらこまるのでは?というような、やる気のない返答が帰ってきた。

 その捕獲枠の見直しに着手したのは、例の「TheCove」ですっかり悪役となったM氏である。彼は、調査捕鯨の海域でのイルカ調査は適当ではないと、イルカに特化した調査のための予算をわずかながら獲得し、調査を開始したのが2006年。
 一方で、5年間のあいだ毎年の暫定的な枠の見直し(暫減)をすることにした。ただし、その中身は、イルカ調査が始まったばかりで実際に枠に反映できない状態ということもあり、また実施地域への配慮が優先されたため、必ずしも科学的とはいえなかったが。また、形として米国のPBRという予防的な間引きの方式を取り入れたといいながら、必ずしもそれに基づく厳しい設定にはなっていない。

 さらに、それまで定置網に混獲されて、保護の名目の元、相当数が水族館に販売されてきたカマイルカの
適正捕獲(水族館飼育の合法化)ということで、新たな枠を設定した。しかし、パブリックコメントを通じすべてイルカの新捕獲枠に反対だという世論への適切な対応が出来なかった。

 ということで、M氏の改革は、立場を勘案して功罪あい半ば(あるいは罪のほうが重い?)結果となった。

 ということで、新設された捕獲枠を見ると全体で前年より721頭減。中身的にはイシイルカの捕獲数減少(300頭くらい。実情から言うと、イシイルカの販売高はあまりはかばかしくない)とここ数年は実績がない静岡県の枠減少57頭で、映画で批判されている和歌山県で85頭となっている。

 ここで見ておきたいのは、沿岸の調査が、第三者機関の参加のうえ(日本の研究者がまじめだということは知っているが、海外から信用されていない事実を考えるべきだと思う)きちんと継続されること、少なくとも5~10年の調査結果を、捕獲枠の設定を’がらがらぽん’して、『科学的に』決定してほしいということだ。
Photo

 太地では70年代から継続されている追込み猟が、沿岸の個体群に与えてきた影響の率直に評価をすべきだし、それには、個々の種の生活史に基づいた調査が欠かせない。

 海外からの批判に対してきわめてナショナリスティックに反応するのはまったく解決にならない。きちんと調査し、調査結果を公開し、その上でどうすべきかの議論をすることで初めて、海外からの批判に対してもきちんと向き合いことが出来ると思う。 

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