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2009年9月 7日 (月)

問題解決へのとても長い道のり

 今朝インターネットに接続してメール箱を開けてみると、以下のような気の重くなるメールが入っていた。

  「同じ日本人でありながら欧米の植民地的な考え方に同調するあなた達に、はっきり言って憤りを感じ
ます!
捕鯨もイルカ漁も地域に根ざした文化です、なのに欧米の一方的な捕獲制限によって漁を諦めて来
 たのです!
その上今まで認められてきたイルカ漁にまでテロ的な行為に頼った映画制作によって、偏った情報
 を世界に発信して圧力をかける!
これを暴挙と言わずして何と申しましょう!
偏執的な圧力行為を止めなさい! 日本人はいつまでも黙ってはおりません!」

 発信された時刻は夜中の1時過ぎ。

 私たちの主張を見ていれば、こんな見当はずれなメールをざわざわ送る手間など省けただろうに、とため息が出る。
 ここ数日、ぱらぱらと海外で評判を得ている映画に関連するメールが届いているが、抗議だか、文句だかメールしたいのなら、相手の主張を最初に確認するのが最低限の礼儀ではないだろうか・・・

 念のため書いておくが、私たちは、イルカ猟を問題としているが、海外主導の抗議活動には組しない。問題の存在とその解決を強く望んでいるがゆえに、国内での独自の活動に重きを置いている。つまり、国内で、冷静で正確な情報が伝わるよう努力してきたのだ。
 だから、今回の映画には何のかかわりも持っていない。

 でも、もしかしたら、このメールの送り主は、私たちがどのような活動をしているか、かかわっているかどうかなど、関係ないのかもしれない。
 彼が勝手に想像する「伝統文化」にいちゃもんをつける行為そのものが、彼にとっては犯罪行為に見えるのかもしれない。残念なことに、そうした厄介な人は彼だけでなく、こうした後ろ向きの憂さ晴らしも日本独特の「文化」というわけでもない。自分の知っている狭い世界で、自分が「よきもの」と信じているものが侵害されるという被害妄想的な意識がこうした言われない攻撃を生み出すのではないだろうか。

 
 日本で行われているイルカ猟には残念ながらいくつもの問題がある。現に国内ではあまり情報が流れていない、だから、映画によってイルカ猟が行われていることを知る日本人もたくさんでてくるだろう市、びっくりしたというメールも届いている。
 だから、素直に見て知り、どうあるべきかという議論が起きるなら、こうした映画もそれなりに効果があるだろう。
 
 しかし、今回のような方法で撮影された(隠し撮りとか、撮影される側の了解がないなど)映画が、結果的に沿岸のイルカの生存に関することや汚染などの問題の所在を把握する前に、感情的に反発する人や、日ごろの憂さ晴らしとなる話題を漁っている人たちの格好な材料になり、結果的に問題の所在を覆い隠す役割となってしまうのではないかと懸念する。メディアも、根本の問題を示すのではなく、むしろ感覚的な反発を土台に、批判的な報道しをているような気もする。

 もしかしたら、こっちのほうが問題は深刻かもしれない。

 

 

 

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