イルカの貸し出し(続き)
知り合いから紀伊民報に、田辺の海水浴場の貸し出されたイルカのその後が掲載されたと聞いた。
イルカのうちの1頭の体調が悪くなって太地に戻されたということだった。
記事でも「白血球が減少した」というふうにふれてあったが、不特定多数の視線にさらされ、無理やりに身体にさわられることがうれしいわけはなく、免疫機能が低下するなど、体調不良になるのはなるべくしてなった結果だ。
イルカ「ふれあい事業」の開始前に市に電話し、事業担当者にまわしてもらい、イルカ飼育に適切なところではないということをいった。今回、再び電話で原因を聞いたところ、わからないそうで「微熱が続いたので、たぶん置いておいても大丈夫とは思ったが、念のため帰した」という答えだった。もう1頭のほうは大丈夫だといとも簡単に答えるので、つい「消耗品と考えられていないいいのだが」といってしまった。
「そんなことを言われるのは心外」と語気を強めて反論してきたが、命を扱っているという感覚からは程遠い、ずいぶん鈍感な反応としかいいようがない。
たとえば、あなたの愛犬なり愛猫をひがな1日、たくさんの見物客の相手をさせ続けることを考えてみたらどうだろう。犬やネコでも大きなストレスがかかるのは当然理解できることだろうが、イルカは人間とともに生きてきた家畜動物ではないのである。
さらに、イルカは社会的な動物だということは繰り返し書いてきたことだが、2頭いて、そのうち1頭が具合の悪くなるような環境に取り残される側の身になってほしい。「ふれあい」をはじめとした2頭分のさまざまな負荷に加えてである。
扇が浜海水浴場は、この天候不順な夏にもかかわらず、イルカ人気で海水浴客が多かったと聞く。ヒト科の動物というのはずいぶんと鈍い動物だと思わざるを得ない。
おりしも今日、イルカがクリック音などの音によるコミュニケーションに、人間と同様の身振りを使っているという
情報が来た。
http://www.telegraph.co.uk/earth/earthnews/5965626/Dolphins-talk-to-each-other-with-tail-slaps.html
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