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2009年7月18日 (土)

マデイラ行き 4

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 北西太平洋調査についての検討もあった。特に、日本と韓国沿岸での混獲だけでなく、調査捕鯨によって捕獲される日本海個体群(J-stock)に与える影響への懸念がいくつかの国から挙げられた。イギリスは、「調査捕鯨で消滅するのでは?」というようなかなり激しい発言をし、アメリカは日本と韓国で増えている混獲の数が調査捕鯨を上回っているとし、混獲回避のための勧告の必要性を訴えた。

 私たちは第3次国家戦略のとき、混獲の回避を求めたパブリックコメントを出したが、回答は「クジラは延縄では混獲されない」というとぼけたものだった。商業利用で、かなり定期的な混獲と流通経路があるようなので、いまさら混獲回避などできないというわけだ。毎年、日本だけで、ミンククジラの混獲が100頭を上回る。これにJARPNの100頭と沿岸調査の120頭を加えれば、RMPの限度を越えるに違いない。沿岸での捕鯨再開問題はこの事実を避けて通ることは出来ない。それを、海外反捕鯨国の「感傷」と片付けるのは不誠実というものだろう。日本は一体どこで妥協をしているのか?教えてほしいものだ。

 そういえば、2日目にあった北西太平洋調査に関するプレゼンテーションで、魚食問題のほかにもちょっと面白いことを発見した。
 日本は、北でマッコウクジラ10頭の捕獲枠を設けているが、自際は5頭前後の捕獲で推移している。以前、鯨研の方と電話でお話したときのこと、マッコウクジラの水銀汚染がかなりひどく、そのまま保管していて処理に困っている、なにかいい方法はないだろうか?と話された。赤身肉は食用にあまり適していないので以前も脂をとった後は、ミンクなど飼育動物の餌などにしていたと聞いたが、とっても困るのだ。

 しかも、彼らの食物は、深海のイカ類がほとんどであることは知られていたが、この調査では人間が資源として利用しているものをたくさん食べていることの証明が必要で「アカイカ」とのバッティングを調べるという方針だった。しかし、一向にマッコウの胃袋からアカイカが出てこない。今回初めてのことだが、この説明を試みたようなのだ。いわく、「マッコウクジラは中・深海のイカを食しているのはわかっていたが、表層ではどうかということをアカイカを例に調べた」そうである。

 オーストラリアは、また看板スターのピーター・ギャレット環境相を登場させ、南極海での非致死的調査の開始を告げた。あくまでも国際的な合意に基づく調査で、目視やバイオプシー、空からの調査など総合してクジラ類の生態を調べるというものである。
 彼はまた、NGOのいくつかのグループの記者会見にも参加し、いまや世界119カ国が実施しているホエールウォッチングの経済的な効果を訴え、推進を強く支援した。

 一方で、今回号で唯一の決議としてアメリカ、ノルウェーからだされた「温暖化の鯨類に与える影響への懸念」がコンセンサスで採択された。翌日には、コスタリカによるコスタリカ政府と国際NGOの合同調査によるレポート紹介もあり、海洋を例に取り、今後の温暖化とその緩和がいかに生物多様性保全に重要かが語られた。

 最初にも断ったように、今回会議は前回のチリにもまして「何にもないことが美徳」の会議で、しかも問題解決のための小作業部会のもとに、議長のサポートグループというものを立ち上げ、その会合が行われるので一日繰り上げで終わることとなった。グループの12カ国は、アンティグア&バービューダ。オーストラリア、ブラジル、カメルーン、アイスランド、メキシコ、ニュージーランド、セントキッツ、スェーデン、米国である。
ロシアのなんとかいう人形のように、中に小さな人形が幾重にも入っている仕掛けで、その代わり、小作業部会の公開性を高めたそうだが、どんどん、核となる話は小人数で決められていくという、やりきれない仕組み。
問題解決には、日本が過去の欧米の仕打ちへの恨みをいったん脇にどけて(ここが大切)、潔く問題の解決を-つまり、今のいかがわしいやり方を-停止し(つまり調査捕鯨をやめ)、そのうえで、実際に日本の市民が鯨肉を今必要としているのか、必要ならばどれくらいあればいいのか、そのためにはどうすれば言いかを真剣に議論し、政府と一部業界ではなく、市民のニーズとして、海外に発信していくことではないか、とひそかに思っているのだが。

 昨年は次回開催地に立候補するところもなかったが、今回モロッコが手を上げ、アガジールと言う大西洋に面した漁村で開かれることになった。またまた、日本からはかなりの遠隔地になる。

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