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2009年3月17日 (火)

IWC中間会合ーローマ 1

 万年資金不足で、中間会合は遠慮しようと思っていた。
土壇場で気が変わったのは、昨年のチリで合意された対立する争点を洗い出し、妥協点を探る「IWCの将来」のための小作業部会の流れだ。
議長のパッケージ提案として、調査捕鯨、サンクチュアリと日本の沿岸小型捕鯨の引き換え調停案が出された。
沿岸の捕鯨については、国内世論では支持を得やすいところであり、すでにメディアも前向きな動きと期待する記事がでていたのはここでいうまでもない。 
 
 これまで、主に国内で捕鯨問題についてのべつ角度からの情報提供を務めてきたIKANとしては、国内はもちろん海外にも事実を伝えるため、ここは働きどころであろうと判断した。

 IKANの立場は、合意形成に向けて、より誠実に事実関係の情報を共有することが不可欠だというものだ。そのため、対立する論点を前に出すよりも、事実を伝えることを主目的としてきた。

 すでにブログにも書いたが、昨年5月に私たちは政府の言うところの「原住民生存捕鯨と同等」である4つの捕鯨地域の調査を行った。それまでの断片的な知識でも、いわゆる伝統捕鯨地というものとは若干異なると考えてきたので、そのことを確認する調査が必要だったのだ。

 結果は、HP上のレポートに明らかなので重複は避けるが、大手メディアのムード的な「日本チャチャチャ」は不愉快なので、記者クラブに冊子を届け、会合の報道が誤った判官びいきの方向に流れないことを願った。
 幸い今のところ、あんまり感情的な報道はないようだ。もっとも、中間会合そのものが気の抜けたサイダーみたいなものだったということもあるので、冊子が何らかの影響を持ちえたのかどうか、そこはなんとも判断できないのだが。

 中間会合は、「IWCの将来」と銘打って、一応はIWC本会議では十分議論しきれないところを集中的に議論する場と考えられ、決定事項は本会議にゆだねられる。
 今回の会議は、昨年チリ会合以降に数回開催された小作業グループ内の議論をオープンにするため設けられている。合意形成のための33項目の点検をA,Bの議論順位をつけて行うので、先にあげたパッケージ提案はAである。

 初日、会合そのものは非公開でメディアも受け入れないものとされた。

 しかし、翌日、早速、非公開は会議終了後は公開可能と修正される。その後から、けっこう内容が日本のメディアで流れた。誰か、フライングしたものがいるようだ。

 公開するために事務局の仕事が増えたという理由で、2日目の会議は午前中に短縮された。当初、2時から予定されていたNGO6団体(捕鯨推進3、捕鯨反対3)のプレゼンテーションは、予定よりも早く午前11時からスタートした。
 捕鯨反対の3団体のうち1つが私たちで、日本の沿岸捕鯨に関しての懸念を伝えることで、今後の議論への貢献をしたいと考え、そのための用意をぎりぎりまで行った。
 

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