フェロー諸島の調査で・・・
今日、「ニューサイエンティスト」の記事を友人が送ってくれた。
それにによると:
フェロー諸島のチーフ・メディカルオフィサー(医薬局の責任者?)は、ゴンドウクジラはもはや人が消費するにはふさわしくないと考えるべきだと勧告した。
理由はクジラが有毒であるということだが、これはフェロー諸島住民に対する調査で明らかになったものである。
フェローでは、毎年数千頭(原文まま:実際は千頭前後)のゴンドウクジラが捕獲され、食用にされていた。しかし、フェローの住民への声明で、「ゴンドウクジラの肉と皮下脂肪は余りにも多くの水銀、PCBs、DDT派生物を含んでおり、人が消費するには安全ではない」という勧告が出たのである。
調査は、胎児の神経系の発達へのダメージ、高血圧、子供の免疫力低下、またパーキンソン病の罹患率上昇、循環系障害、成人における不妊の可能性といった影響が明らかになったとされる。
(ニューサイエンティスト11月28日記事から抜粋)
日本でも、太地などゴンドウクジラを嗜好する地域があり、一部の人が繰り返し摂取している懸念がある。
だが一方、こうした残念な結果がでたもとである海洋汚染に、フェローの人々や太地の人々だけが直接的に責任あるわけではない。
日本を含む多くの先進国ではすでに水銀に関する規制・禁止が行われており、回収された水銀の処分についても検討がなされている。
一方で、国内で使用しなくなった水銀が途上国に輸出され、その国の健康被害を生み出しているという話も聞く。
おりしも、水銀の国際取引に関して、アメリカのオバマ上院議員がリーダーシップを取り、アメリカからの水銀の輸出禁止の法案が通過すると聞く。EUでも同様な動きが活発化しているそうである。日本でも輸出禁止法を急がなければならない。
クジラの水銀汚染については、「火山活動など自然界にあったものだから心配ない」という意見を聞くが、安全であるという保証があるわけではない。
海洋の汚染の原因は人間活動によるものが大半と考えてもいいだろうと思う。
だからこそ、そうした人間の健康被害だけでなく、海に住む生物、とりわけクジラたちがどのような影響をこうむっているか、非常に気にかかる。
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